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惑星リズは緑色

惑星リズは緑色


地球歴2051年7月22日(土)たまたまだった、この日宗助は母と百合ちゃんを伴い惑星リズへと遊びに来ていた。

特に何かやらなければいけない事が有るわけでは無い、毎月定期的に宗助はここへ来ていた。

何かあれば助言を与える、そしていずれ地球からの使者がこの地を訪れた際、しっかり対応できるように友好的な人類としての教育を施す。

それが自分の使命だと感じたから、昨年暮れのマザーコンピューター無害化作戦からすでに半年以上が過ぎ。

今では着々と惑星の改造も進んでいる、いつの間にか他の星から帰還した開拓宇宙戦艦に付着した外来植物の種子による惑星の緑化は驚くほど速く進んで行き。

今日は地球から運んで来た植物の種も、この星で育てようと思い持参していたりする。


2か月前に行われた地球での惑星間転送装置稼働実験はうまく行き、現在は生命体の移動実験も済んで、次はいよいよ人体での実験と言う所まで進んだ。

早ければ10月前半頃には日米間の転送実験が行われると言う。

その時にはまた立ち会って欲しいと連絡が来ているのだが俺は今の所保留している。

どうやら中間試験とかち合う可能性があるからだ、学生の本文は勉強であり俺はそちらを重視する。

各種の能力を身に着けた宗助でさえ受験というイベントから逃れることなど出来ないのだ、昔のような出席日数重視の教育方針より今はやや緩くなって、いくつかの授業はリモート方式も取り入れつつ行われるようになってはいるが。

今のところそれはモデル校のみに限られており、宗助の通う高校では隔週の土曜日がリモート授業に当てられていたりする。

全日リモートにしないのは通信状況がしっかり確立されていないとインターネットを使用した授業は必ずしも確実だとは言えないからだ。


【わ~すごい!】百合奈


現在惑星リズの上空1万メートル、もちろんスキルロボの力で各種の仮想機械を展開。

俺達3人は外見的には地上を歩く普通の格好にしか見えないのだが。

もし仮想機械をリアルで作成し装着していたとしたら、まるで漫画や映画のコスモスーツとかいう宇宙服を着ている状態になっているはず。


【なんかすごい緑だな】

【この星って水は?】

【あそこの少し黒いところが湖…いや海だったはず】


既に死の海となって汚れ切っていたはずの海は、いつの間にか緑に浸食されその色に変化がみられる。


【先月来た時より植物の浸食が進んでいるみたいだ】

【それって良い事なの?】

【地球人の考えからすれば良い事なんだけどね】


先月マザーに聞いてみた所、人体に害がないどころか徐々に汚染物質が減少していると言う事だった。

海の汚染も調べてみたが、そちらも徐々に有害な物質が減りつつあると言う。

このまま進めば数年で地上での生活も夢ではないと話してくれた。

汚染物質除去クリーナーはすでに数百万個設置されており、それらと植物増加の相互効果がかなりうまく行っていると言う。


【さて景色も堪能したし転移しよう】

【うん】百合奈

【分かったわ】母


左に母の手を右に百合ちゃんの手を取り、仮想瞬間移動装置を作動させる。


「シュン!」

《お帰りなさいませ、主》

《ただいまマザー》

《何か変わった事は?》

《今のところございません、本日は惑星YAK181から開拓宇宙戦艦群が帰還する予定です》

《それって惑星開拓に出した船だよね、先月は戻るのが早すぎるって言う話だったはず》

《はい、先月の時点では距離がかなり遠いのですぐに調べる事が出来ませんでした》

《それで、どうして戻って来るのか原因は分かったのか?》

《どうやらメインコンユ―ターに指令を書き換えた痕跡が見られるとの報告がございました》

「宗ちゃんどうしたの?」

「どうやら少しまずいことになったかもしれない」

「とりあえずここから移動しよう」


中央指令センターの転移室から自動扉がすっと開いた。

ここはこの星の中枢、マザーコンピューターがあるメガロンシティ。

人口30万、惑星ライズで活動している人族は現在1億人、一つの地下都市には10万から50万の市民が生活をしている。

それぞれの町には役割がある、工業系の生産都市・食物を主に生産する農業系の生産都市。

そして軍事産業系の生産都市、医療系の機械や薬品などを生産する都市。

人口を調節するためのスリーピングファーム、そして宗助が関わってから作られた教育都市。

惑星開拓に活用している宇宙戦艦は軍事とは別に倉庫を兼ねた軍港が5か所あり、全部で2万隻近くの開拓宇宙戦艦が保管できる。

現在保有しているのはその約半分の9千隻で他の星へ開拓をしに出ている船は現在2000隻。

宗助が関わってからは帰還した宇宙戦艦に搭載されていた殲滅ロボットは大気汚染除去装置へと作り替えられている。

出来れば全てそう言った非戦闘機械に変えてしまいたいと思う所だが、一応何かあった時の為に攻撃宇宙母艦は2千隻残しておくよう命令してある。

惑星RIZの科学力を持ってすれば作り替えるのは分けないのだが、機械を別なものに変更するリユースという概念はそれほどこの星では進んでいなかったため、結構コストやエネルギーがかかってしまうと言う。

まあその分外宇宙へ出す宇宙船にかかるコストは減っているので、どちらが良いかと言えばもちろんリサイクルやリユースの方が後々コストもエネルギーもかからなくなって行くだろう。


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