メアリーさんと結婚は今の所NOです
メアリーさんと結婚は今の所NOです
それ自体が嫌だとか言う話ではなく、これは政略結婚の勧めでしかない。
勿論宗助はお断りだが、メアリーさんもそこまではまだ考えていないだろう。
だからここへ来るのが乗り気では無かったと言う事、だが自分の親に近い先輩サキュバスに「連れて来て」と言われては断る選択肢は無かったのかもしれない。
もちろん話の内容から察すると蓮華さんの考えは命令ではなく願望、できればそうなってほしいと言う話だ。
「あなたも欲がないわね~」
「蓮華は遠慮が無いです、それは嫌われてしまいます」
「あら、言いたいことはちゃんと言わないと、だからあなたいつまでも独身なんでしょ」
「それは蓮華も同じでしょ~」
どうやらこの2人現在は夫も恋人もいないと言う事らしい、しかもそうなって少なくとも30年以上経つのではないだろうか。
「あの~もう話は終わりでしょうか?」
「あ、ごめんなさいね話はもう一つあるのよ、今度宇宙人の星に連れて行ってくれないかしら?」
何処でばれた?メアリーさんにもUKサバイバー達にも、宇宙人が住む惑星へ行った話などただの一ミリもしなかったはず。
ならば蓮華さんはその話をどこで聞いたのか、それを確かめないわけには行かない。
「なんの話でしょうか?」
「私の知り合いに未来視と言う超能力者がいるの、しかも人物の写真さえあればその人が何処にいて何をしている人かわかってしまう、いわゆる占い師みたいな人なんだけど~それが絶対当たるのよね~」
「そうなんですか、ですがどうやって宇宙人に会うんです?」
「ん~貴方瞬間移動の能力持っているわよね」
「ご想像にお任せします」
「ふ~さすがに中々食えない子だわね…」
「あまり人のしている事を詮索しない方がよろしいかと思います」
「分かったわ、別にあなたを敵に回したいとは思わないし」
そう言いながらにんまりと微笑む、UKサバイバーよりも日本のサバイバーの方が侮れないとは。
もしかしたら蓮華さんは全部お見通しだとでも言いそうで怖い。
多分仲間の超能力者に俺の事を事前に調査させただろう、超能力を使って俺の能力を探らせれば、隠しておくことなど出来なくなる。
「御見それしました、ですが僕の能力は知らない方が良いと思います」
「確かにそうかもね、大丈夫よ~誰にも話さないし、そうよね、メアリー」
「私は宗助大好きです、宗助の秘密知る事それはとてもハッピーです、だけど宗助の秘密を誰かに話す事はノーです」
こちらもそう言いながらウインクまでしてくる、全く誰かが女は怖いと言っていたのが分かる気がする。
その後少し世間話をした後で俺はハイヤーに乗って世田谷の豪邸を後にした。
時間は夜10時を廻り、途中で百合奈から脳内通信が入って来た。
【宗ちゃん!大丈夫?】
【大丈夫だよ、心配性だな~】
【だって~】
【今日会うのがCNやRUの諜報部員ならともかく、日本だからね】
【それで、どうだったの】母
【母さんまで…】
【松田竜太郎!】
【あ~中々食えないおじいちゃんと言ったとこかな】
【そういう感じなんだ…】
【さっき見た人物を映像で見れるから楽ね~】
【もしかしてメアリーちゃんも?】
【もっとすごい人に会ったよ】
【誰に?】
【徳川家康の元側室、蓮華院さん】
【なにそれ!】2人共
能力は話した時点でばれてしまうが、それ以上の超能力は話さないで置いた。
こちらの力を秘密にしてもらう手前、2人にそれを話してしまうと何故だか悪い様な気がする。
【信じられないわ】
【でも、超能力ってそういう物よね】
【そういうこと】
【分かったわ、又後で聞かせてね】
本日の出来事はこれで終わりとなるが、これからさらにイレギュラーな出来事が増えて行くのだから。
人生どこで何があるのかこれから先が全くわからなくなってきた。




