サキュバスは遺伝?
サキュバスは遺伝?
実は彼女、蓮華さんは歴史上の歳は562歳なのだが、本当の歳は800歳を超えていたりする。
そしてこれは彼女の話なのだが、蓮華さんは昔ヨーロッパから渡って来たらしい。
(らしい)と言うのは、あまりにも昔の事なので、その当時の国がどの国だったかは彼女の記憶もあいまいだったりするからだ。
だが同じ超能力を持っている2人が遠い異国で出会ったならば、もしかしたら親族なのではと考えるのは当然だろう。
見た目はやや堀の深い、いや今は皺もあるが色白で異国人と見られても不思議ではない。
「こんなこともできるのよ」
それは始めてみる能力、顔の皺がいつの間にか全部なくなり髪の毛が白髪頭からどんどん黒髪に変化していく。
目の前のおばあさんがいつの間にか妙齢の女性へと変化するのに5分とかからなかった。
「これやるとかなりしんどいのよね~」
「すごいですね、擬態の能力は見ましたが変身の超能力は始めて見ました」
UKでは擬態と言う超能力は見たことがあるが、変身と言うのはまた別な能力になる。
「そう?」
「私もそうなりたい、でも私にはそこまでの超能力ありません、残念です」
「メアリーさんには別な能力あるでしょう?」
「?」
「もしかして貴方、人の能力が分かるの?」
(やば!うかつに話し過ぎたか…)
「分かると言うより、なんとなくこの人の能力はこれなのでは…って感じでしょうか?」
「宗助!私の力もう一つって何ですか?」
「…幸運」
「コウウン?」
「ラック」
「オ~そうなのですね」
「中世期の魔女裁判を免れて今まで危険な目に合っていないなんて、そうとしか思えないですが」
「確かにそうかもしれないわね」蓮華
「宗助、私の力いままで解らなかった、サンクスです」
「でも…一つ能力がかぶっていると言う事は…お二人は親戚?」
「そうなのよ、でも安心してメアリーみたいな魅了の力は無いのよ、私」
魅了の力が無くとも変身能力が有れば戦国時代を生き抜くのに申し分ないと思われる。
だが、話を聞いていると目の前にいる2名がリアルなのかアンリアルなのか分からなくなってきそうだ。
なにせ一人は鎌倉時代より前からこの世に存在していると言う話、彼女がメアリーさんと同等か。
所持している超能力がどのくらい大きいのかは分からないが、もしかしたら蓮華さんも幸運と同じようなスキルを持っているのではないだろうか。
だとすれば間違いなく2人は親族と言って良い。
「それで今日ここに呼ばれたのはそういう話をしたかったから?」
「いいえそれもあるけど、もっと突っ込んだ話よ」
「何でしょう?」
「宗助君メアリーと結婚するつもりはない?」
「それはどういう意味です、僕はまだ17歳なので一応未成年ですが」
「そう来るのね…確かに正論ではあなたを引き込むのは無理そうね」
「え~と、それはもっと僕を自分たちの仲間に引き込みたいと言う事でしょうか?」
「できれば家族になりたいのだけれど、私ではもうそこまでの魅力は無さそうだし、メアリーなら貴方にとっても申し分ないでしょ」
「困った人たちだ、僕は現在そういう事をする暇はないですよ、学校に行きながら宇宙人の事や他国のスパイを無力化しなければいけないのに、全てはそういう問題ごとを片付けてからです」
「ですって」
「それは知っています、だから蓮華に話す事が嫌だったのです…」
多分こういうことだ、久しぶりに大叔母に逢いに来て俺の事をペロッと話してしまったのだろう。
蓮華さんとしては「よっしゃ!まかしとき!」という具合になってしまい。
仲介を断ることなど出来なくなってしまったと言う事なのだろう、余計なお世話なのだが。




