地球へ戻ると
地球へ戻ると
惑星RIZには約5時間滞在した、まさかいつの間にか緑が増えているとは思わなかったが。
あまりに早い変化に少し戸惑いを感じたことは確かだ、それに何隻かの宇宙船が行方不明だと言う。
果たして次に訪れた時どう変化しているのか、それに来月早々惑星間転移装置の作動実験が行われる。
俺にも同席してほしいとのことなので断るわけにもいかないし、確かその前に財界のドンと会う約束も有ったりする。
「それでメアリーさん、本日は仕事が無いのでしょうか?」
「今日はナッシング」
「それでうちまで来て何を?」
「決まっています、宗助に会いに来たのです」
本日から始まる春休みの初日、本来学生は今日から約14日間のお休みとなるのだが、俺の場合はそうなるとは言えない。
まずは明日から引っ越しが始まる、新築の一軒屋へとみんなで引っ越さなければならない。
俺たちの引っ越しが終わると次の日にはアイリーン姉弟がやって来る。
さらに今週末には政財界のドン、そして首相 さらに経済産業大臣との接見がある。
そして来月早々には惑星間転移装置の中距離実験と言うイベントが、どうやら俺には休みと言う物が無いらしい。
そして今俺は家にいて明日の引っ越しに合わせて荷物の梱包をしているところなのだが、何故かメアリーさんが突入して来た。
百合ちゃんは現在アイリーンと会うため駅ビルの飲食店に行っている。
「あら、モテモテね、宗ちゃん」
「なんで通しちゃうかな~」
「だってお友達だもの、通すわよね~」
「ね~」メアリー
いやはや、確かにお友達になったと言われれば、家に通されても仕方がない。
【別にまずいことは話してないから】
【それは信じているからいいけど…】
【世間話ついでに来たんでしょ】
【いや、多分土曜日の話だと思う】
【大臣と会う予定の?】
【料亭って何着て行けばいいんだか…】
【宗ちゃんは学生服で大丈夫よ】
【そう なんだ、了解】
学校から帰ってきたのは2時過ぎ、本日は終業式であり午前中はホームルームのみ。
その後体育館に置いて修行式が執り行われ、担任から休みの注意事項を聞き帰宅と言う流れ。
ちなみにうちのクラスで3年になれない生徒は出なかった、若干危うい生徒もいたが補習で済んだのは幸いだった。
一応3年になるとクラス編成はがらりと変わると説明された、全員が同じクラスになるのかどうかは今のところ分からない。
「明日引っ越し、お手伝いしま~ス」
「え?まじで?」
「大ジョーブ、私慣れています、手袋も用意しました」
そう言って軍手をポケットから取り出す、まさかそう来るとは…もちろん彼女は今晩うちに泊まる予定でいる。
「いいんじゃない、一人でも多い方が楽だし」
ちなみに何故か自衛隊の宇宙人対策班に配属された自衛官も2名手伝いに来るらしい。
岩田さんに引っ越しすることを告げると、何故か2名手伝いによこすと言われてしまった。
特に他意はないと思われるが、石神さんは絶対に来るだろう、それに最近新しく赴任した遠山さんも参加する可能性が高い。
「明日は何時から?」
「トラックが来るのは朝9時よ、それまでに詰めるだけ詰めちゃいましょう」
「了解」
妹の愛菜はまだカラオケから帰ってきていない、妹は3階の部屋を希望したのだ、できれば一番先に荷物を運ばなければならないのだが。
そんなことを考えていたらようやく愛菜が帰ってきた。
「ただいま~」愛菜
「おかえり」
「愛菜~おかえりなさい」メアリー
「あーメアリーちゃん」
と言う事で、ここからは何故か愛菜の部屋の荷物はメアリーさんも手伝って箱詰めをすることに。
俺の荷物はほぼこの時点で箱詰めは終了している。




