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家に帰るとなぜか不機嫌

家に帰るとなぜか不機嫌


メアリーさんと一緒にカフェを出ると彼女はタクシーで帰ると言う、バスはまだ乗るのに慣れないそうだ。

彼女を見送り家路を歩くと、USAのエージェントであるシルビアさんが声を掛けて来た。


「あの方はUKの?」

「はい元大臣秘書ですね、今はファッションモデルをしている様ですよ」

「…」

「他には?」

「あ ソーリー、実は大統領からお話ししたいと…」

「分かりましたこの後アプリで連絡してみます」

「了解です」


それだけ聞くとすぐに離れ、もう一人のエージェントと、本日滞在する予定の町へと去って行く。


「そろそろあの2名も任務終了かな」


惑星間転移装置が完成すれば俺に張り付く理由はさほど重要ではなくなる。

多分今月終わりには任務を解かれて本国へと帰って行くはずだ。

だがUKのエージェントはそういうわけにもいかないのかもしれない、なにせ爆破テロを未然に防いだ超能力者の動向を常に見張っておかなければいけない。

UKでの要人攻撃も東と西の政治動向によるところが大きい、両国のスパイ合戦も冷戦時より少なくなったはずなのだが。

どうやらそれは表向きだけなのかもしれない、俺としてはあまり関わり合うつもりが無いが。

RUはCNが手を引いた事をどう受け取るのか、宗助にもそこまでは考えが回らなかった。

家に帰るとすぐに食事をする、少し遅くなったが百合ちゃんの作った手作りハンバーグ。

電子レンジで温めると、テーブルの上に他のおかずと一緒に並べて行く。


「遅かったね」

「そう?」

「女の人といたりして…」

「そうそうメアリーさんと会ったよ」


そう言うと俺の隣に腰掛けジッと横顔を見ている百合奈。


「鏡 見た?」

「エッ なんで?」

【宗助様、うっすらと唇紅の形が】

【ウソ!】


百合ちゃんはポケットからハンカチを取り出すと俺のホッペタにうっすら残る口紅を拭きだした。


「メアリーさんはなんて?」

「今度政財界のドンとお食事会に行くから俺にも同席してくれってさ」

「なにそれ?」

「松田竜太郎、松田財閥の会長さんが俺に会いたいって、首相も同席するんだって言っていた」

「なんか宗ちゃんどんどん離れて行きそうな気がする」

「そんなこと無いよ」


そう言いながら百合ちゃんの手をぎゅっと握る。


「も~」

「あ~イチャイチャしている~」愛菜

「し してねーから!」

「ところでお前は卒業できそうなの?」

「できるし、高校も3つ受かったし!」


知っているが、一応知らんプリしてみる。

妹の愛菜はTK高校とN大付属、そして都立小日向高校に受かっている。


「TK高校に行くのか?」

「そうだよ、サッカー最強!」

「お~がんばれ」

「それでうちの兄貴はどうすんの?」

「何をどうするって?」

「だって今度の土曜に引っ越すでしょ」

「ああ、その事ね」

「モデルのアイリーンとその妹、ママから聞いたよ」

「一緒に暮らすことになる」

「そー なんだ、芸能人と一緒ってなんか イイ」

「あまり話さない方が良いぞ、パパラッチやストーカーの餌食になる」

「ウゲッ それは勘弁!」

「お前もサッカーで有名になるかもしれないんだろ?」

「あーそういう事も考えておかないといけないのか…」

「通う学校は別だから何かあった時はすぐ連絡するんだぞ!」

「お兄に連絡しても意味ないでしょ」

「そうか?じゃあどうすんだそういう時」

「親切そうな大人に助けてもらう」

「それでもダメな時はどうする?」

「う~ん」

「まあそこまでの事は無いと思うけど、情報を他人に流すとそういう事に使われるから注意しておかないといけないよな」

「メンドイけど分かったよ…」

「まあおめでとう、これで高校生の仲間入りだな」

「あ ありがとう…」


俺が説教じみた事を愛菜に話す間、何故か百合ちゃんは頬を赤らめじっと俺を見つめている。

どうやらその光景を見て彼女は自分の未来でも予想しているのか、はたまた目の前のやり取りを見て何を感じているのか、今の俺に分かることでは無い。


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