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惑星間転移装置は完成間近

惑星間転移装置は完成間近


買い出ししたレジ袋4つをキッチンに置くと後は百合ちゃんに任せ、自室で私服に着替えると岩田さんと約束した駅前のターミナルへと出かける。

本日は帰宅してから食事をするのかしないのか?それだけを伝えておくことに。


「分かったわ、用意はしておくから」

「ごめん、できるだけ食べないで来るから」

「無理しなくていいよ~、食べ盛りだもん、あまり気にしないで」

「分かった、じゃ行ってくる」


本来ならば、いらないと答えてもよさそうなものだが、百合ちゃんのお手製と聞いて断るのは容易ではない。

実はかなり百合ちゃん作のハンバーグに期待していたりする、ロボ化して味覚が無くなったら生きる気力もなくしてしまったかもしれないが、味覚が残ったのは不幸中の幸いだろう。

多分味付けを聞いてくるだろうし、俺に食べてもらいたくて作ってくれるのだから、これだけは外せない。

陸自の岩田さんとは駅前で待ち合わせ、そこからファーストフードの店にするのかそれともお洒落なカフェにするのかはこの時点では決めておらず。

7時少し回った所で駅に着くと、スーツ姿でスマホをのぞき込む岩田さんが駅ビルの植え込みの前に立っていた。


「すいません遅くなりました」

「あ~ 大丈夫そんなに待ってないから、何処で話そうか?」

「それじゃカフェで」


駅のロータリーを少し歩くと建物の2階にコーヒーカップのマークが見える。

店内に入ると香ばしい香りが漂ってくる。

店員に人数を聞かれ2名と答える、すると窓際の席へと案内してくれた。


「それで話って?」

「一つはCNのスパイの事だ」

「なんか尾行、辞めたのかもしれないですね」

「知っていたのか?」

「1時間ほど前、公安の人から聞きました」

「公安!もしかして柄山か?」

「そんな名前の人です」

「早いな、まああまり情報出さなかったからか、宗助君すまない」

「かまいませんよ、少し意地悪しておきましたけど」

「あ~ まあそこは任せるとして、どうしてCNのスパイが引いたのか分からないか?」

「僕のせいですね」

「!やはり、君の力か?」

「どうやったのかは秘密です」

「高月君からは君が複数の能力持ちだと聞いているから驚きはしないが、危ないことをするのはできればやめて欲しい」

「岩田さん、もし自分に超能力が有って目の前に困っている人がいて、その人を助けることができたならどうします?」

「力を使わないと助けられないのが前提か?」

「当然です」

「力を使うしかないな、自衛隊員としては使う場面に苦慮しそうだが…」

「そういう事です、ある能力を使用して、中国の諜報部にいるNO2の無力化に成功しました」

「な!」


途端に岩田さんが周りをキョロキョロと見渡す、そこには先日も尾行していた2組の組織。

USAの女性エージェントとUKのエージェントが1名。

カフェの窓から歩道を見下ろすと、そこには警部補の森本さんが窓を見上げていたりする。


「そんな事 人に聞かれても大丈夫なのか?」少し小声になる

「数日は大丈夫だと思います」

「信じられない、君は本当にスーパーマンになったのか?」

「岩田さん、スーパーマンにはなるんじゃなく、いつの間にかそう呼ばれるものです、少なくとも僕は普通の人であり正義を信じる一市民です」

「そう言われると何も言えないが…」

「他にも何か?」

「そうだ もう直ぐ惑星間転移装置が出来上がる、近いうちに本格的な実験があるから君にも立ち会って欲しい」

「本当ですか?」

「ああ、まだ装置自体は小さいものだが、既に数メートルの転送実験には成功している」

「そうすると今度は数10kの転送実験ですか?」

「その通り、蓄電池や発電システムの小型化が成功して来月早々に長距離転送の実験をするそうだ」

「父さんやるな…」

「そういえばお父上も参加しているのだったな」

「そうなんですよ」


実験は東柴と日本エレクトロン、さらに常陸電子ひたちでんしが加わりすでに数回の小さい実験は成功を収めている。


「分かりました、日程が分かったら知らせてください」

「あ~ それからあの双子は本当にインドネシアに?」

「そうですよ、何か問題でも?」

「いや そういうわけでは無いが そうか…」


朱里と平太のインドネシア行きはパスポートから渡航の映像まで、全てネット経由で改竄してあるので、バレた としてもシラを切るしかないが。

だが時間が経てば忘れてくれると言う甘い考えは捨てた方が良いのかもしれない。

自衛隊は犯罪関係では動かない、そこは警察や公安の範疇であり。

彼らが情報を提供しろと言わない限り自衛隊としては黙秘を貫くだろう。

そして俺も当然のことながら朱里と平太はインドネシアにいると言うだけだ。

捏造した証拠だが、証拠がある限りそこはアリバイとして成立する、まさか俺以外の誰かが作ったアリバイ工作だと知っても、それが誰なのかまで判かるはずがない。

(リリーさんには頭が上がらないな…)


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