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部屋割り

部屋割り


先日何とかCNのボスこと周芭千シュウバオチェの記憶を改竄することに成功し。

レイランの2人を悪の手先から救出することができた。

周はそのまま本国へと戻り、事の顛末を副首相に告げ、その後は罪を告白した。

勿論、副首相はそれを隠すためすぐに周を更迭し刑務所へ。

全てを闇に葬るために彼の事はいなかったと言う事にされた、もちろん彼の家族は全員、住む場所も追われることになるが、それでも消されるよりはましだと言っておこう。

その事件が有って数日後、久々に岩田陸尉から電話が入った。


「ブーブー はい」

『岩田です』

『あ お久しぶりです』

『久しぶり』

『宗助君近いうちに何処かで話せないか?』

『良いですよ、今度の土日にしますか?』

『いや、できればウィークデーの方が良いな』

『そうなると学校が終わってからで良いですか?』

『それでかまわない』

『話って?』

『それは会った時に話そう』

『了解しました、では今度の水曜日、午後7時ぐらいでも良いですか?』

『その日なら大丈夫だ、時間を作っておくよ』

『場所は駅前で良いですか』

『それで構わない、そちらの駅前で待ち合わせしよう』

『分かりました』

【何かな?】

【問題事項が多いので岩田様がどの事件を聞きたいのかはわかりかねます】

【確かにそうだな】

【ですがそれほど気になさることは無いと思われます】


確かにここ数日で俺たちの身の回りからCNのスパイが激減した。

原因は宗助だが、ちなみに3日が経ちマンション前も駅からの道もあれから尾行するのはUSAとUKのエージェントと新たに加わった刑事さん達だけになった。

彼らもCN系の尾行が減ったことに少し戸惑っている様子だ。


「コンコン」

「はい」

「宗ちゃんちょっと良いかな?」百合奈

「どうした?」


百合奈が宗助の部屋をノックするのは久々な気がする、既に宇宙人が攻めて来てから半年が過ぎようとしている。

道はほぼ瓦礫の撤去が済んで、壊された家はあらかた更地になっていた。


「引っ越しの事だけど…」

「そういえば、来週だったよね」

「その事 なんだけど…」

「もしかしてアイリーン?」

「うん、さっき国生さんから連絡が来て、行きたい大学に受かったって、言っていたよ」

「俺の方にはまだ知らせが来てないな…」

「多分後でサプライズ的な事狙っているのかもね」


そう言いながら百合奈は少し ムスッとした顔になる。


「ん?なんか怒ってない?」

「エ~ 別に~」

「そうかそれじゃもう引っ越し始めないといけない訳か」


今週末の土日を利用して俺達も新築一戸建てに引っ越す予定になっている。

どうやら国生家もこちらへと引っ越してくる予定になっているのだが、もちろんこちらが先に引っ越しを終えないといけないと言う話。


「それで部屋割りなん だけど」


国生家は今まで母方の実家に同居していたらしく、荷物のほとんどはそのまま横浜に置いてくるらしい。

新築3階建ては8LDK+、8畳間が2つ。6畳間が3つリビングにクローゼットにアイランドタイプのキッチン、それに6畳半のゲストルームが2つという大きさだ。

風呂も洗濯場も贅沢な作りでジャグジーとサウナも有る。


「俺は特にどの部屋って決めてないけど、アイリーンたちは8畳の部屋かな」

「そうなるとパパさんたちの部屋の隣になるのよね」

「ああ そうなるけど何か問題ある?」

「それでも3部屋空いているのよね」

「ひとつは俺の部屋になるんだよね、もう2つは?」

「一つはパパさんが作業部屋にするみたい」


敷坪は60坪、庭が10坪以上あり一部は駐輪と駐車用のスペース。

これだけの広さがあると中もゆったりとした作りにできる。


「じゃあ3階の2部屋の内一つは俺が使うかな…」

「じゃあ隣は私ね」

「ちょっと待った!」


いつの間にか廊下で俺たちの話を聞いていたらしい愛菜、どうやら部屋決めに何か言いたそうだ。


「3階の一部屋はあたしが使うんだから、お兄が使いたいならじゃんけんだよ!」

「なんだよ、俺達の話、聞いていたのかよ」

「だって廊下を歩いていたら、お兄の部屋から百合ちゃんの声が聞こえたんだもん」


どうやら俺の部屋で百合ちゃんが何をしているのか聞き耳を立てていたらしい、何もやましいことはしていないのだが。


「じゃあ俺は1階でいいよ」

「早!もう引くの」愛菜

「だって3階は2部屋しかないだろ、百合ちゃんが家主なんだから優先権あるし、俺は別にどこでも良いし」

「じゃあそれで決まりだね」百合奈


どうやら俺と少しもめてから自分が勝ち取った部屋というお墨付きが欲しかったらしい。

いやいや高校生にもなって部屋割りで妹ともめるとか、しかも部屋は余っているのに。

俺や百合ちゃんなら3階へと階段を上るのに問題ないが、そういえば愛菜もスポーツ得意だから問題ないのか…


「それじゃ後で3階はめんどい~何て言うのは、なしでいいな!」

「それは大丈夫だよ、3階の景色が良いのよね~」

「ああ そっちか」


確かにタワマンにいると景色の良さはできるだけ高い位置が良いと思ってしまう。

成層圏から地球を見た事のある宗助から見れば別にどうでも良くなってしまった事だが。

確か新築の家には3階の外にベランダがついており、そこから夜空を眺めることもできる。

もしかしたらそちらを期待しての部屋取りなのかもしれない。


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