美女の目覚まし
美女の目覚まし
証拠隠滅は確実に、置き土産いや土産ではなくお片付けだな。
瞬間移動の前についでだから麻薬の類や睡眠薬はトイレへと全て流してあげた、少しでも残っていると又同じことをやらないとも限らない。
だが彼女らの荷物までは考えが回らなかった。
「う~ん、ここ何処?さぶっ あれ?宗助君」
「ふあ~ おはよう~ だれ?ここ何処?あなた見たことある えーと円ちゃんが狙っているイケメン高校生?」
「そういう位置付けなんだ…」
「香織ちゃん!何言っているのよ!」
「だってそうじゃん ねえ少し寒くない てか、ここ何処よ?」
「実は君達さっきまで横浜のボスザルの部屋にいたんだよね」
「あ、そういえばNO2に呼ばれて、眠くなって…」
「どういう事?」
そこからは詳しく教えてあげた、その話を聞き2名共に顔付きが険しくなる。
「あたしらを手籠めに?」
「ああもし俺が来なければ2名共にめでたくHビデオに出演だね」
「あったまきた!」
「もう大丈夫だから誰にも言わない方が良いよ」
「なんでよ?」
「彼らの記憶は全て改竄しておいたから」
「それでも頭に来る~キー」
「それならもうレイランから抜けた方が良い、君たちの上司の記憶も改竄してある、レイランにはもう仕事が来ないと思うよ」
「え~ それじゃ~バイト料稼げないじゃん」
「それって体売られても金が欲しいって事?」
「え~ う~ん そうなるのか…」香織
「NO2はこれからまたとんぼ返りして上役に会う、俺はそこで又そいつの記憶を改竄する、そうすれば俺にまとわりつくスパイは完全にいなくなるからね」
「じゃあ私は?」
「頑張って大学受かろう、そしてキャンパスライフでしょ」
「あ~ 確かにそれが一番か…」
「仕方ないか~まあ今回はあまり実入りよくなかったからね」
今回の呂方宗助、鹵獲大作戦で2名に支払われた金額は一人頭50万円前後。
勿論実費込みの価格、俺が助けなければ今日から先はタダ働きへと移行するのだから、どちらが良かったかなど比べる必要もない話だ。
「それでここは何処?」
「あ~ ここは新築の呂方家だよ」
「そういえば新しい木の香り、でも真っ暗」
「まだできたばかりで引っ越しはまだなんだ、電気も消してある」
「ふーん、暗がりに紛れて襲うとか?宗助君なら私いつでもいいのに~」
「しないよ!とりあえず忘れ物無いかチェックして」
「もう~ うぶなんだから~」
「その言葉 ババ臭いんだけど」
「え~ こんな美人捕まえてそれは無いんじゃないの?」
既に新築の家には家具の搬入の殆どが済んでいる、電気はもう来ているため忘れ物が無いかチェックするために宗助は灯りを付けた。
新築の一戸建て、一階のリビングには土足で入り込んでいるが、床には汚れ防止のためまだ紙が敷いてある。
一応この家に移るのは愛菜が受験を終えて春休みになってからと言う事にしてある。
俺は真新しいドアノブに手を掛け3人で家の外へ出ることにした。
「ん?ここって東京都よね」
「そういえばどうやってここまで?」
「知り合いに送ってもらった」
「知り合いって?」
「内緒」
「まだ秘密なの?」
「知らない方が良い事ってあるんだよね」
「まあいいわ、助けてくれたんだし」香織
「一応お礼はしておくわ チュ!」
「私からも チュ!」
多分2人共にたいしてありがたいとは感じていないだろう、事前に危険を回避してしまうと事の重大さが感じられない、助かったありがたみはかなり低く感じてしまう、まあだからと言って俺は今以上の感謝などしてもらうつもりもない。
半分は宗助自身が嫌だからそうしたことであって、悪い奴らが悪いことをするのが許せないただそれだけの事。
自分にはそれを防ぐことができる力があるのだ、黙って見ているだけなんてできるはずがない。
外はまだ寒く気温は12度前後と言った所、天候は晴れているが風はやや冷たく3人の頬を吹き抜けていく。
「さぶっ とりあえずもう少し話さない?」陽子
「そう よね 今後のことも有るし」香織
「あ~ そうだ!レイランを辞めるにしてもどう切り出すのか、決めておかないといけないか…」
「そうそう」
「じゃカラオケ行こう」
「いいね、そうしよう」香織
何故か3人で例のカラオケ屋へと行く事になった、まあこれで面倒な奴らは片付いたと思いたいが。
果たして宗助の計画はこれで順調?それともさらなる災いが降りかかるのか、それは又次の話で語ることとしよう。




