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あわや薬漬け

あわや薬漬け


部屋に入るとそこにはNO2の周芭千だけではなく、ボディガードのような部下も2名。

さらに劉黄元と喬余南が部屋の中にいた、2人は椅子に座るように促され、目の前にはウーロン茶が出される。

目の前でポットから煎れられたお茶、2人は疑うことなど無くそれに口を付ける。


「今日はよく来てくれた、私が本国の情報科学庁衛士隊副官だ」

「初めまして燕陽鋒です」

「初めまして喬香艶です」


香織さんの苗字がスパイのまとめ役である余南と同じだが、別に親戚というわけでは無い、中国では結構多い苗字だ。


「それでその、高校生ロホウというやつは、そんなに侮れない奴なのか?」

「はい、彼は最低3つ以上超能力があると思います」

「それでお前たちも洗脳されたのか?」

「洗脳なんかされていません!」

「そうかそれはお前たちの体に聞いてみればすぐわかることだ」

「体って…フアー、なんか眠いかも…」香織

「あれ?体が…」陽子

「うご…な…」

「2人共ベッドに運べ!」

「シー」


お茶の中には睡眠薬が入っていた、湯呑に最初から入れられていたため。

透明な薬物などまさかそれが睡眠薬とは誰も思わないだろう、本国では特殊取調官が使用する強力な奴だ。

そしてベッドに寝かされた美女2人へ、追加の薬物が投与される。

それは一種の自白剤、投与されれば誰の言う事でも素直に聞いてしまうと言う特殊な奴だ。


「腕をまくり上げろ」

「シー」


陽子さんと香織さんの腕に注射針が刺さろうかというその時…


「バタン!バタン!ドン!」

「なんだ?」


危機一髪!ここで宗助が登場する、仮想カメラで全部見ていたのだからタイミングはドンピシャ。


「おい!」

「おとなしくしろ!」

「だ だれだ?」


周芭千以外は既にロボ化で夢の中、残るのは本日わざわざ宗助に無力化されに来た諜報部のNO2。


【宗助様どうします?】

【こいつ以外はそのままでいい、記憶を消す前に聞き出したいことがある】

【かしこまりました】


喬余南の眼に仕掛けた仮想カメラの映像を利用してホテルの部屋を特定し、開いている空間へと瞬間移動。

勿論光学迷彩機能をONにしたままなので、足音ぐらいでしか人の気配を感じることなど出来はしない。

最近はこういう事にも慣れてきたため転送後は猫足立ちで着地するから足音も静かだ、そうすればすぐに次の行動へと移れる。


「それで彼女たちをどうするつもりだったのかな?」

「…」

「言わなくても分かるよ、おまえらAVの撮影隊かよ、これって向こうでは普通の事なのか?」


ベッドルームには撮影用のライトやカメラが幾つも設置して有り、これから何を行うのかぐらい誰でも分かる。


「何の話だ?」

「とぼけても無駄だ、お前の頭の中は調べさせてもらった、ふーん 催眠薬で眠らせて麻薬を投与して凌辱、それをビデオで撮っておいて正気に戻った時に見せて脅すんだ、なるほどねしかも自分達から訪れたから立件しにくいとか?」

「何故それを!」

「結局、女を襲いたいだけかよ!クズだな」

「し 知らん!」

「お前、本国で何人同じような事をして来たんだ、200人越えとかやばすぎるだろ」

「くっ!」


彼の頭を一部ロボ化してすぐに情報を抜き元に戻す、そこには今までしてきた悪行の数々。

下は8歳前後の子供から上は60歳以上の老人まで、女性だけではなく男性も含め千人規模で同じような拷問にかけて来た。

そこには見るに堪えない映像ばかり、まるでこの男の趣味のように記憶が刻まれていた。


「よくこんなやつを野放しにしておくよ、まあ今日までだけどね」

「何をした、おまえ何をする気だ!」

「大丈夫今日からお前は真面目になるだけだよ、今までの輝かしい残酷な映像はもとより特殊な任務の数々も殆ど消しておいてやるよ、良かったな!」

「な ま 待ってくれ、それじゃ消されてしまう」

「今まで消されなかったことの方がおかしいだろ」

「もうお前の任務もお前の上役の名前も分かったからな」

宗公守そうこうしゅか、へー次期首相候補ね」

「な なんだと!」


その名は現在の副首相でありこいつらの元締めでもある科学衛士庁特務部隊のNO1、現政権がうまく行かなくなっているため、現状を打破するために担ぎ上げられる予定の次期首相候補。


「全部終わりだ 全部!おまえも覚悟しろ!」

「その場合、副首相の方が先に終わると思うけどね、まあとりあえずお前は記憶を無くして悪いことはできなくなってもらう、今日起きたことは元々無かった事になるから」

「…」

「そして情報取得はうまくいったと言う記憶だけ残してやる」

「や やめろ!消される!」

「消されやしないだろう、情報はちゃんと持ち帰ることができるし、そのまま自分のしたことを暴露するんだ 良かったな、本国に帰れば刑務所行きは確実だ、そうかそうなればお前だけは消されるのかな?」


勿論嘘の情報を植え付ける、嘘と行っても俺の話は嘘だったと言う事を、ハッキングアプリも惑星間転移装置の話も天才高校生の宗助が作成したのではなく、アメリカ側が作り出したデマだったと言う話を植え付けるだけ。

後はこいつが本国でどうなろうが知ったことでは無い、まったく人をなんだと思っているのか。

もし俺が助けなければ彼女らはHなデータを元に、さらに危険な仕事や、えぐい役回りをさせられることになったはずだ。

まあこのことは後でやんわり彼女達にも伝えておこうと思う、そうすれば洋子さんも香織さんもレイランを抜けることになるだろうが、その方が本人達の為でもある。


【宗助様、彼らの脳内データ処理は完了しました】

【有難う、これで当分は尾行が無くなるな】


呂方宗助に関する情報はアメリカ側の嘘、実はUSAで独自に開発したアプリという形にしておく。

それを隠すためにアメリカがでっち上げたと言う記憶をNo2に植え込む、既にレイランの2名からも話を聞き終わり、日本での仕事は今日を持って終了。

今後は中国の情報スパイも矛先を企業へと変更し、ソフトや転移装置を開発している研究所にでも潜入するか、そして自国でも同じ装置を開発するのか?という方向へと変更することになる。


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