激しさを増すCNの諜報戦
激しさを増すCNの諜報戦
最近になってどんどん行動が目立つようになったCNのスパイ達、厳密に言うとスパイに雇われたブラックバイター達。
人攫いや監禁などブラックな商売を生業とする裏家業の奴ら、いったいいくらの報酬で雇われているのかは知らないが。
怪しいサイトで募集を掛けて危険なアルバイトに身を投じる人間がいる事は、だいぶ前から知っていたが。
まさかそこを他国のスパイ達まで利用し始めるとは世も末だ。
そういうことで俺はリリーさんに頼んで裏バイトのサイトを見つけると匿名で警視庁サイバー防犯課へ、裏バイトのURLを密告するようにしている。
【これで6つは閉鎖となります】
【有難う、これからも暇なときは頼む】
【お任せください】
【それから裏バイトで雇われた奴らの情報も頼むよ】
【はいご主人様】
奴らの使用する裏バイトサイト、いくつかはすぐに取り潰すことが可能だが。
海外のサーバーを経由している場合すぐに閉鎖させるのは難しい。
但し、奴らの動向を探る上で、逆にハッキングを掛け情報を抜くようにも指示を出している。
何処で誰が何人襲ってくるのかなど、人口AIのバトルフィギュア達が数体で見張ればそのぐらいの情報ぐらい掴むのは造作もないことだ。
こうしてやつらの出鼻を挫けば、いつかはしびれを切らした親玉が直接交渉に来るしか方法がなくなって行くはずだ。
そして数日後ようやく動き出したのか、ある日レイランの洋子さんから連絡が入った。
『モシモ~』
『はい?』
『宗助君?』
『そうですが何か?』
『その返しは無いんじゃない?』
『だって今週になって2回目だよ 襲われたの、よく飽きないよね』
『え! うそ~』
『知っているくせに』
『知らないわよ、それに私も受験だし』
『そういえばそうか…』
『ああそうだそっちの上司に言っておいて、近いうちに潰すからって』
『潰すってどうやって?』
『内緒』
『え~ でも国家諜報部にはやばい奴もいるのよ、大丈夫なの?』
『敵に回したことを後悔させる事ぐらいのことは俺にもできるけど』
『そ それは例の超能力とかいうやつ?』
『まあそれを信じていないから、やつらまだチョッカイ出して来ているのは分かるけど、もう4回も防がれてそろそろ無駄だって分かったんじゃないの?』
『4回!2件はニュースで見たけど、あれってそうなのよね 学生を襲った強盗傷害事件、怪我人は数人いたみたいだけどたまたま警らしていた刑事さん達のお陰ってやつ』
『ピンポン!その通り、まさか俺一人に13人も雇って襲ってくるとか、学生が一人で返り討ちなんて話あり得ないでしょ』
『そうなんだ』
ちなみにバトルフィギュアは家族に1体ずつ、アイリーンとそれから洋子さんにも付けてある。
宇宙人から得た各種データにより、仮想エネルギーを豊富に得られるので24時間365日何もしなくてもバトルフィギュア達は活動可能だ。
たまに体を綺麗にするため帰還命令を出すが、その場合は代わりのフィギュアを交代要員として差し向けている。
現在30センチバージョンのフィギュアは既にコンプしており、さらに2体予備がある状態。
家族にも襲い掛かって来る奴らがいたので、事前に情報を入手し襲い掛かる手前で、悪い奴らは不幸にも怪我をすると言う呪われ撃退作戦を遂行中。
以前、百合ちゃんが襲われた高利貸しを撃退した時と同じ対応だ。
直接手を出すわけでは無く偶然を装うので、本人もだが他人から見ても呪われた運が悪いとしか思えないだろう。
『そっちの上司って喬余南と劉黄元ってやつだよね』
『‼』
『図星か…』
『宗助君 止めておいた方が良いわよ』
『いや辞めるのはあっちの方だよ、そのうち分かるから』
既に2名のCN スパイの元締めは居場所も分かっており、彼ら2名の眼の位置にも既に宗助の能力で仮想カメラとマイクを取り付けてある。
陽子さんの尾行に付けたバトルフィギュアの30センチクロームリリーと同調し、カメラを操作し取り付けさせてもらった。
既に日本で活動しているCNのスパイ20数人の面は割れている。
残るは彼らの親玉のみ、予定では今週本国から彼らの上司であり特務諜報軍のNO2がお忍びでやって来ると言う話だ。




