取り調べ2
取り調べ2
ここはJRの東小金井から車で約10分新小金井街道沿いにある小金井署、またしてもそこの取調室をお借りして暴漢者達の取り調べが行われており、数人はすでに病院へと搬送されている。
特に怪我がひどかったのはナイフを持った者、もちろん女性も数人含まれていたが、彼女らはやんわりと急所に手刀を一発叩き込んで眠ってもらった。
「全くどうしてこうなったんだか?」
「前回と同じですよ、どうせ本当の事は話さないですよね」
「前回は金欲しさの犯行で取り調べは終わったわ」
「まあ今回はそれじゃすまないと思いますけどね」
「当然よ、この人数で刃物を持って襲ったのだから完璧な刑事事件、強盗殺人未遂よ」
「それで?知りたい事は?」
「また宇宙人絡みなんでしょ?」
「その通りですハッキングアプリは既にアメリカ経由で中国へ渡っていますから、多分そのほかのデータをよこせと言った所かな?」
「でもデータなんて無いんでしょ?」
「有ってもここの中ですよ」
そう言って自分の頭を差す。
「えー殺してしまったんじゃデータも得られないじゃない」
「要するにデータをよこさないなら殺してしまっても良いと、本国からお達しが出たようですね」
「それは物騒ね」
「日本国内で対処できればいいのですが、それができないと…」
「国際問題になってしまうわね」
「警察の調べではこいつらのトップの情報は既に検討が付いていたりしますか?」
「それがまだなのよ、まあ分かったとしても話せないけど…」ニッ
「あはは、確かに」
【円氏に聞いてみますか?】
【そうだな、後で連絡を取ってみよう】
「それじゃ一応取り調べは済んだしこの書類にサインしてくれれば帰っても良いわ」
「お手数かけます」
「いいえこちらこそ」
結局余計に時間を取られてしまいマンションの内覧は後日と言う形になってしまった。
メアリーさんはこの件でさらに宗助にほれ込んでしまい、その目にはハートが浮かび上がっているのが分かるほどだ。
「今日はもう遅いので一緒にマンション見学はできそうにないな…」
「おーそれは残念ですが、宗助の強いところを知りました、それはとてもハッピー」
「それじゃホテルまで送って行くよ」
「それは大丈夫、ひとりでOKです、これから私は人に会いに行きますから」
「そうなんだ 分かった、じゃあまたね」
「シーユー チュ!」
近寄ってきて軽くキスをするとそのまま手を振りどこかへと消えて行った。
誰と会うのか少し気になるが、彼女は過去にも何度となく日本へと来ていたりする。
最初に来たのはなんと明治時代、イギリス人の宣教師と一緒に訪れた事がある。
彼女の記憶の中には古くから日本で活躍していた政治家や大手企業へと成長した一族が何人もいたりする。
UK絡みの仕事の中には彼らと一緒に商業・運輸業そして武器などの輸出入に関する橋渡しもかなりある。
表の顔は彼女の隠れ蓑みたいなものだ、まあ俺は彼女の素性を知ったとしてそれをどうにかするつもりも係わるつもりもない。




