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ロンドンの夜2

ロンドンの夜2


食事が終わりホテルへと帰る道筋、行きとは違い警戒されたのか俺の腕は左右共にフリーになった。

その代わりいつの間にか余分な尾行が2名ほど付いていた、食事の最中にメアリーさんは一度席を立ったのだが、もしかしたら応援を呼んだのかもしれない。


「尾行はメアリーさんが呼んだのでしょうか?」

「さあ?なんの事?」

「まあいいですよ、それでこれから襲うのかな?」

「…」

「このままじゃプライドが許さないとか?」

「ほんとにやりにくいわね、一応私の能力が効かないとは話したわよ、だけど本部がそれを聞いてどうするのかまでは分からないわ」

「でも、そうなると尾行だけなんて無駄なことしないでしょ」


宗助は別にメアリーさんから逃げたわけでは無い、それなのに2名ほどのエージェントを増員するのはおかしいとしか思えない。

ならば2つの事が考えられる、一つは俺を襲いどう対応するかを探ると言う作戦。

もう一つはメアリーさんと本部の会話が他の国の工作員に漏れたと言う事。

そのタイミングでメアリーさんのスマホに電話がかかって来る。


「ピーピリリロ」

『…』


メアリーさんのスマホに着信音が入る、どうやら本部からの様だが、そのタイミングで尾行の2名が近寄って来る。


『え?』

「まずいわ、宗助!」

「メアリー 目を閉じていて!」

「ホワッ!ア~ ング…」


俺は襲われる前にメアリーを抱きしめたまま光学迷彩を使用して冬のロンドンの空へ飛び立つ。

眼下には俺たち2名の姿を見失ったどこかのエージェントがうろうろしているのが見える。


【スキルロボ】

【どこまで改竄しますか?】

【この人はせいぜい40%の好意かな…それと実年齢は?】

【343歳となっていますね】

【343歳!さすが吸血鬼の祖先だな】


サキュバスも吸血鬼も俺から見ればほぼ同系列、どちらも他人の生気を奪う事に変わりはない。

但しサキュバスはやや違う物も吸い込むと言うのが違いかな。

だが恐るべし、SVR 彼女は第一次世界大戦どころか江戸時代中期にはこの世にいたわけだ。


【相手の生気を吸い取り自分のエネルギーに変換することが可能なようです】

【年を取らないのは俺の能力とかぶるみたいだな】

【それよりこれからどうします?】

【近くに公園は?】

【いくつかありますね】

【あそこに降りよう】


そこはリッチモンドパーク、ホテルからは少し離れているが、あまり近い場所に降りると敵に見つかる可能性もある。

メアリーさんを抱きしめたまま池のほとりにある草地に降り立つ、雪が残っている為サクッと言う音と共に足跡が刻まれた。


「だれもいないかな?」

「解除」

「ここは何処?」

「ちょっと待っていて、普通に歩ける場所まで移動しよう」

「え? やだ~ 久しぶりよ このシチュエーション」


そう言いながら腕を俺の首に回してくる、おんぶにしておく方が良かったかな…


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