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ロンドンの夜

ロンドンの夜


今後の予定としては明日首相と謁見し各種の懸案事項の確認とハッキングアプリの受け渡し。

そして今後SVR達との関係強化と言った所か…


「あなたは機械?」

「どうしてそう思う?」

「おかしいわ?」

「魅惑のスキルが効かないから?」

「…まあいいわ、このことだったのね、私に回ってきた理由って」

「人の腕を抱きしめたままクレームですか?」

「仕方ないでしょ、私の能力は自動発動なんだから」


多分彼女のスキルは2つ、どちらも接触型の能力で一つはチャーム(魅了)、もう一つはスティール(奪う)、この時点では奪う対象が何なのかはわからなかったが。

リリーさんからの情報で奪う対象がエネルギーだと知ることになる。


【宗助様、副動力エネルギー貯蔵システムに不正アクセスがございました】

【貯蔵?】

【はい宗助様と私のエネルギー管理は別々になっております】

【と言う事はそっちにアクセスが有ったと言う事?でも超能力で…】

【宗助様のお力も超能力ですので、全く相手の超能力が効かない訳ではございません、一応ダミーとしてエネルギーの回路はいくつか作ってありますが、そのうちの一つにアクセスされたと言う事になります】

【そうするとメアリーさんの超能力は昔風でいうなら吸血鬼?】

【サキュバスと言った方がしっくりくると思われます】

【そっちか】

【直接血を啜るわけでは無いようですね】

【多分この人今夜来そうだな】

【ロボ化してみましょうか?】

【そうだな、後で見てみよう】

【かしこまりました】


腕を離さずどんどん進んで行く先にはレストラングリルロンドンと言う名の店が有った。

中は割と広くメアリーさんは中へ中へと入って行く。

壁際のテーブルまで行きつくと、UKあるある椅子引き待ち。

俺は彼女の座ろうとしている椅子を引くとにっこり笑って腰掛ける。


「サンキュー」


俺は向かいに腰掛けると、そこからは質問攻めにあった。

一体食事はどのタイミングで注文するのだろう…


「あなた幾つ能力を持っているの?」

「一応一つだけですが」

「そんなわけないわ、私のパッシブバキュームが効かないし、私に腕を掴まれても平気な顔していたでしょ」

「そうですか?僕はまだ若いのであまり分かりませんが」

「ところでどうやって宇宙戦艦を撃退したの?」

「本日朝の会議で話しましたよね」

「それがすべてだと誰が信じますか?」

「宇宙戦艦から下りて来た車より大きなロボットは建物と人を狙っていたのよ、そこに居座ってハッキング仕掛けられるなら、同時にロボットたちから逃げおおせる力が有ると言う事になるわ」

「確かに、ですが隠れていれば問題ないのでは?」

「隠匿スキル、ハイディングの能力持ち?」

「さあ?どうでしょう」

「私の能力も利かないなんて、初めてだわ」

「と言う事は今まで100%近い確率で思い通りにしてきたと?」

「…」

「図星ですか、そうなるとメアリーさんも最低2つの能力を持っていると言う事になりますね」

「…もしかして私は話すたびに何かするたびあなたに自分の能力をさらけ出していると言う事になっているの?」

「その通りです」

「はあ~こんなにやりにくい相手は久しぶりだわ」

「でもスパイなんてそんなもの、なんでしょう?」

「ス…スパイじゃないわよ!」

「声大きいですよ、だって外見はモデルみたいに綺麗で、スタイルは抜群、その体と能力で今まで生きて来たと言う事は、鹵獲して情報を得る作戦には欠かせない能力を持っているってことですよね」

「ジーザス!」

「大丈夫ですよ、僕は誰にもメアリーさんの事言いませんから」

「私、これでも諜報部ではベテラン、なんだけど」

「いくら年季が入った方でも初めての相手ではそこまで能力を発揮できるとは思いません、まずは相手を探りどれだけ危険か確かめてみてからなのでは?」

「あなた 本当に17歳?」

「そういうメアリーさんはいったいお幾つなのでしょうかね?」

「淑女に対して年齢を聞くのは失礼なことだと教わらなかったのかしら?」

「日本にはその言葉は意味ないですよ、別に失礼ではないと答えが出ています、逆に何故話したくないのかを悟られてしまいますよ」

「さ 35歳よ」

「嘘ですよね」

「ほ 本当よ、ほら身分証明書」


そこには大臣秘書官として発行されたパスが、そしてAGE(エイジ=年齢)欄にサーティファイブと書かれていたが。

それはスパイなのだからどうとでもするだろう、しかも彼らはSVR超能力者達の団体に所属しているのだから。


「昔ジェームスボ〇ドと言うスパイが活躍する映画を見ましたよ、国が本気になれば身分証明書なんて、いくらでも偽造できますし、本当の事など書かれて無いってことぐらい分かってますけどね」

「あの映画こそフェイクなのよ、嘘に決まっているでしょ」


そう言いながら目が泳いでいたりする、まあ彼女はSVRではあるがUKのベテランスパイとまでは言えないのかもしれない、目の前には初めて自分の能力が効かない相手がいる。

多分彼女の中では今までに無かった危機が訪れているのかもしれない。

ようやくウェイターが注文を取りに来た、メニューを見ずに俺は本日のおすすめコースを注文すると、メアリーさんはワインとTボーンステーキのセットを頼んでいた。


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