朝8時
朝8時
朝食をコールマン家で済ませ本日はジャクエルさんの運転する車に乗り込みそれぞれの日程をこなす。
ミシェルとミランダはハイスクールへと登校し、その後俺とマーサさんはロンドンにある政府の建物の横へ着くと車から下ろされた。
「それじゃ午後6時に迎えに来るよ」
「分かったわ、愛しているわ チュ!」
「僕もだよ、マイハニー それじゃ宗助君家内をよろしくね」
「イエスサー」
よろしくと言われて何をしろと?とは思わないが、ここからが本日の本番であろう。
道には少し雪が残っているロンドンの中心街。
ひときわ歴史のありそうな建物の中へと入って行くマーサさんと俺。
どうやらマーサ宅に泊るのは昨日だけだったらしい、もちろん鹵獲するのが目的なのだと言う事はすぐわかるが、それを失敗したとしてUKサバイバーは次にどう出るつもりなのだろうか?
政府の建物、そこは国の庁舎でもありサバイバー達が多く務める国の建物でもある。
古い階段を歩いて上ると3階の部屋へと入って行く。
古そうな扉を開けるとすでにそこには数人のサバイバー達が待ち構えていた。
「連れて来たわ」
「おー昨日は有難う!君がジャパンのサイキッカーか、私は通商大臣のジョナサン・カミンガムだ、モリソンから話は聞いている」
「日本から来た宗助呂方ですよろしく」
「ではさっそくだが会議を始めよう」
「こちらに座って」メアリー・エドモンド
「では現在USAと日本で進められている瞬間転移装置について」
会議、もちろんそれはUSAに行ったときや自衛隊の高官と話したときと同じ内容だが。
俺を呼んだのはそれが事実なのかと言う事の確証が欲しかったからに他ならない。
そしてどの国も欲しがっていたもう一つのデータ、ハッキングのアプリ。
先日USA大統領のジャクリーンと話した時すでにUKとは話が済んでおり、俺経由でアプリが入ったUSBを直接渡しても良いと言う話だった。
「では受け渡しの調印を先に済ませよう」
目の前に出された数枚の書類にサインをして、リリーさんにチェックしてもらう。
【2枚目の書類に不備があります、直接の契約ではなくアメリカとの合意です】
【了解】
その後の話でEUの各国がこのデータを欲しい場合はUKを通して配布すると言う事で話が付いた。
それは国防上の話が絡んでくるからという、確かに現在AIにより動いているあらゆる装置がアプリ一つで簡単に乗っ取りが可能なのだから、それを管理できなければ何が起こるか分からない。
勿論どこまで使えるのかそしてどのようなシステムまでハッキングできるのか、後日専門家がテストすると言う話だ。
「そうか一応電波の妨害は可能なのだな?」
「そこは通常の装置と変わりはないですよ、アプリの性能が良いだけでどこにでも使えると言うわけではありません」
「そうか、一応テストはしないといけないからな」
「その方が良いともいます」
「それで君の能力は話してくれないのかね?」
「それは、国家予算を頂くぐらいの事が無い限りお話しできません」
「オ~リアリー?」
「イッツアジョーク」
まあそのぐらいに言っておかないといつ何時自分の能力が暴かれてしまうか分かったものじゃない。
昨晩もちゃっかり同年代の若者を使い鹵獲しに来ているのだ、UKサバイバーのしたたかさをなめてかかるのは危険だ。
会議はそれから宇宙戦艦をハッキングした時の状況見分と時系列など順を追って説明。
そしてここロンドンは幸運にも直接の襲撃を免れたと言う事、逆に田舎の地区はかなりやられたと言う話を聞いた。
勿論UKサバイバーの中にはあのロボット兵士を壊したものもいたりする、但し表向きには語られていない。
機械と言う物は動力さえ探ることができれば後はその流れを切断するだけで動かなくなってしまう物。
彼らの中にはそういうサイキッカーが数人いたりする、力は惑星RIZの宇宙人達には劣るが、その代わり細かい操作はテラサイキッカーの方が上手いのかもしれない。




