ミシェルの能力
ミシェルの能力
15歳の弟ミシェルは姉が俺の部屋へと入り込むのを見ていた、彼の能力は透視。
だからやばそうなときは彼がこの部屋へと駆けつけ母親に知らせる所まで計画していたが。
俺は先手を打つことにした。
ベッドメイクの際取り付けた仮想カメラとマイクを使用して弟君にささやく、姉が何をするのかはレイランとほぼ同じ作業と考えられる。
ならば姉に危険が発生した時弟はどうするのか?俺の能力を知らないのにどうやって姉の危機を知ることができるのか?それらを考えた時。
弟君の能力は対象者の危険を察知する能力、又は他人の行動を知ることができる能力となる。
彼には俺の能力でささやきかけることにした。
『君も能力持ちだね?』
『え!誰だ?』
『宗助だよ』
『なんで?ユーの声が聞こえる?』
『そういう能力を持っているからさ』
『それで僕に何をする気なんだ?』
『君の能力で姉を見張っているんだろ?』
『当たり前だ、お前にやられる前に駆けつけるのが俺の仕事だからな』
『ヤッパリ、もしかして透視能力か?』
弟君の部屋の隣に客室が有り、壁一つ隔てているぐらいなら楽に透視可能だ。
『残念だが君が心配しているようなことはしないよ』
『しないのか?』
『え?君は期待していたのか?』
『…いや俺は姉に操られているようなものだ、君になら分かるだろう、そういう能力を姉が持っていたら家族がどうなるか…』
『ああ、なんとなくは分かる、だが本当にやばいときには知らせるんだろう?』
『そうしないと後で怒られる…』
『まあそうなるよな、でも安心していいよ俺はそんなことはしないし、何ならもう君を下僕扱いしないように、姉に命令することもできるんだが?』
『そんな事できるのか?』
『どうする?』
『分かった、姉が安全でもっと俺に優しくなるなら黙っていてやるよ』
『交渉成立だな』
『嘘じゃないよな?』
『嘘じゃないぜ、明日になればわかるよ』
弟君には一部始終を見てもらいちゃんと服を着せて寝かせそしてただ一緒に寝るだけという所までを見てもらった。
これで失敗しても最後には全員ロボ化と言う切り札も有るのだが、出来ればそれは最後の手段として残しておきたい。
次の日の朝…
「まさか姉に手を出さない男がいるとは思わなかったよ」
「俺は美味しいことは最後に回すタイプなんだよ」
「それは冗談か?」
「イッツジャパニーズジョーク」
「つまんねーの」
どうやら弟君は姉がギャフンと言う所を見たかったのかもしれない、彼は何回か姉に魅了され操られたことがあるらしい。
その後はいいようにこき使われて、今では頭が上がらないと言う。
だが、母親にも計画を託された手前、今回はおとなしく従う事にしたのだと。
だが彼はミランダが俺に何をされても知らんぷりしようと思っていた節もある。
「グッモーニンソウスケ」
「ヤーグッモーニン」
「なんで私パジャマ着ているのかな~」
「普通着ているものじゃないかな?」
「そういう事じゃないのだけれど…」
「姉ちゃん、彼はなにもしてないよ」
「それはおかしいでしょ、プンプン」
「俺は愛する人とでなければS〇Xなんてしないよ」
「ノーいくじなし!」
「オーイエスその通り」
「オーマイガッ!」
「ハッハハ」
顔を洗うために来ていた洗面所でのワンシーン、弟君は少しにんまりしている。
それは姉が落とそうとした相手にまんまと肩透かしを食らったからだが。
そこへジャクエルとマーサもやって来る。
「あら皆お揃いね、じゃあ着替えて朝の支度手伝ってくれる?」
「イエスマム」
「ごめんなさいね~娘が迷惑かけたみたいで」
「え~と 何のことでしょう」
「ホワイ?」ジャクエル
「何でもないわ、ダーリン チュ!」
子供たちが去ると入れ替わりに旦那とキスをする、まるで見せつけるかのようだが。
日本の高校生にそれはあまり意味のないことだ。
宗助の父と母は習慣的にキスはしていないし、映画でしか見る事が無い行為。
夜になるとたまに抱き合うカップルを見る事はあっても、普段の生活にはなじみがないからだ。
軽くキスをしながらマーサは目配せをする、何か言いたそうだがそれはこの後になればどうせわかる事だろう。




