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母にはかなわない

母にはかなわない


次の日、学校から帰って来る途中のコンビニで携帯栄養食を余分に買い占めた。

まだデイバックの中には2・3個残っているが、今日惑星リズへ行くのならば最低30個は必要になる。

多分向こうでも数回瞬間移動を行う可能性があるからだ。

俺は百合ちゃんを先に帰らせて、用事があると言う事にした。

期末試験は終わったので、2人でラブラブお勉強の時間はおしまいなのだが。

それでも何かにつけて彼女は俺について来ようとするのがだんだん目に見えて多くなってきている。

邪魔者扱いするわけには行かないし、かといってこれ以上進めるのは恥ずかしい。

リリーさんに聞けば【そろそろ経験しておくことをお勧めします】と言われるし。

だがそんなことは後回しにして先に済ませたい事がある。

(まさかそのことを百合ちゃんにも話しちゃうとか…)

いや、それは悪手だろう。

そうなれば彼女も惑星リズへ行きたいと言うだろう、そうなればますます負担が大きくなってしまう。

荷物を持って部屋へと向かうと、案の定 母から質問が飛んでくる。


【宗ちゃん何買ってきたの?】

【ああ え~と夜食?かな】

【行くんでしょ?】

【ど どこに?】

【今夜?】

【リリー話しちゃったのか?】

【いいえ宗助様、人の持つ第六感と言うスキルだと思われます】

【そうちゃん、リリーから聞いたわけじゃないわよ、百合ちゃんを先に帰らせて何か買ってくるのが分かれば、想像つくもの】

【さすがかあさん】

【おだてても無駄よ、行くんでしょ?】

【ああ行くよ、でも今日行くのなら父さんをロボ化してじっとしていてもらわないといけなくなるよ】


本日父は遅くても9時には帰って来るだろう、政府からの要望で蓄電池開発を請け負ったことで連日残業と言う形になった。

本人も政府からの仕事は初めての事なので、やりがいと言うか残業しても毎日楽しそうに研究に没頭している。

それだけに夜中母がいないと言う形がばれてしまうと余計な心配をかけてしまう事になる。

それならば脳の一部にロボ化の設定をして眠らせてしまえば知らないうちに帰って来れる。

その代わり時間内に惑星リズを無効化してこなければいけないと言う事になるのだが。


【副作用は無いのよね】

【まだ長時間放置したことは無いから分からないけど】


脳のロボ化は宗助が話しかけない限り眠った状態が続くと言うのは分かっている。

だがそのまま長時間放置して置いたことは無い。

当然だが朝になれば父は会社に行かなければならず、その時間から1時間前には俺たちは惑星リズから帰って来なければ間に合わない。


【タイムリミットは朝6時、母さんも食事の支度があるでしょ】

【そ そうね】

【そうなると父を11時までには眠らせて約5時間で惑星リズを無効化すると言う事になるね】

【ダメかしら?】

【宗助様、とりあえず今回は様子を見るだけでよろしいかもしれません、まだ超越者達がどの程度ピンチに追い込まれたのかもわかりません】

【そうだな】

【それじゃあフィギュアは全て連れて行くとして母さんも行くと言う事だね】

【行くわ、心配だもの】


確かに5時間ちょっとで向こうへ行き超越者達を説き伏せ惑星リズでクーデターを起こしマザーを支配下にしてしまうと言う計画は無謀だと言えるだろう。

問題なのは今日明日で超越者達が住むコロニーにどの程度危険が迫っているのかだ。

マザーの無効化作戦はそれを確認してからでも遅くは無い。


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