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地球では

地球では


惑星間転移装置、超越者達のコロニーにある装置は少し古めの為、朱里と平太が持って来た改造USBを送るのに少し時間がかかっていた。


《どうだ?》

《もう少しエネルギーが》

《私たちが手伝いましょう》アーバン


小さなフィギュア2体がすっと姿を現す、何か問題が無い限り朱里と平太を守るため姿を消すことにしているアーバンとボルドー。

その2体が現れて超越者の機械担当は少しギョっとする。


《なんだ、人形?》

《違います、朱里と平太のボディガード、地球から来た協力者です》ボルドー

《ああ彼らの仲間か…でもエネルギー変換装置なんて持ってきているのか?》

《私たちは特殊なんです、それに地球のデータも有りますからあなたたちがするより正確に送ることができます》

《分かった、任せるわ》クリシュ


アーバンとボルドーはそう伝えると転移装置の右と左に立ち手を装置に触れる。


《真ん中にUSBを置くのね》

「カシャ」

《それでは転送を始めます》

《エネルギーOK》

《転送開始!》

「ブーン」


バトルフィギュアの能力により少し古い転移装置だったが、惑星間の転送はうまく行ったようだ。

本来ならば受け取り側も同じ装置が必要なのだが、バトルフィギュアの2体がブーストを掛けることにより、地球側での受け取りは座標さえわかればどこにでも転送可能だ。

但し転移先をどこにするのかはちゃんと選ばないといけない。

海の中や火の中に転送してしまえばSOSの連絡にならなくなってしまう。

その頃地球ではあと数日でクリスマスと言う、恋人たちには一年で一番大切な行事が迫っていた。


「そういえばあと1週間で苦しみますな~」米田

「なんだそれ?」金田

「クリスマスでしょ」

「宗助君は何か予定あるの?」委員長

「ああ一応予定あるよ」


予定あるよと言ってはいるが、それは百合奈ちゃんとのデートがある日。

しかもその日は時間差でアイリーンからもお誘いを受けている。

何故か2人は午前と午後で俺を連れまわし、夜は3人で食事をしようと言う話になっている。

どうしてそうなったのかは俺にもわからない、それに「たのしみにしてて」と言うだけで、2人とも多くを語ってくれない。


「嘘だろ、裏切り者!」米田

「そういえば昨年のイブは俺ら3人でゲーム三昧だったよな」東山


高校1年生の頃、ようやくクラスと溶け込んだオタクたち三人。

たまたま2年でも同じクラスになったのだが、確かに昨年のクリスマスは彼女などいない夜を過ごした。

だが、それが今年も同じとは言えないのはどう見ても隣を歩く女子2名を見ても分かる事。

委員長はどうやら家族でお食事会と言う行事が毎年あると言う話を聞いている。

だから予定が無いのはオタク2名だけと言う事だが…


「金田は?」

「予定あるよ」

「なんの予定だよ」

「サバゲーの大会があるんだよ」

「おいおいイブに何でそんな大会やるんだよ」

「あ~なんかチームで出場していたら俺たちのチーム勝ち上がって24日が決勝になったらしい」

「スゲーじゃん」東山

「俺もサバゲーするかな~」米田

「ちなみに女子もいるぞ」

「ほんとかよ!」

「元自衛官や元傭兵部隊のゴツイ人が多いけどな」


確かに元本職の人が昔の経験を生かして参加していたりするのはあり得る話。

それに外国からの参加者もいたりするのがサバゲーの大会。

年に数回国際大会も有るのだから、戦争ジャンキーたちにはたまらないゲームだ。


「と言う事で俺はそんなに暇ではない」金田

「仕方ない2人でネトゲをするか…」

「ところで追試はうまく行ったみたいだな」

「うまくは行った…」

「ああ、補習を受けることになったみたいだぞ」

「今週末か?」

「ああ土日にな」米田


東山は一応追試を受けて50点は取れた、だがしかし彼が進学しようとしている大学からは志望校を大きく落とさなければならなくなった。

そしてその志望校を変えたくないのであれば補習を受けるという事になったわけだ。


「俺は神に見放された」

「自分から怠惰をむさぼっておいて見守れと言うのはいかがなものかと思うぞ」金田

「それで録画はどうなったんだ?」

「ああそれはどうにかできた、やはり祖父母の力は偉大だ」


下校途中の幸せな時間、宇宙人が攻めてくるのはもう少し先、だがこの日宗助の作った改造USBが硫黄島に転送されてきた。


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