責任重大
責任重大
父の預かったデータはやはり惑星間転移装置の電力供給装置の一部であり。
設計図は俺が自衛隊とアメリカの研究所に渡したものと同じだった。
すでに転移装置はテストされているようで、今あるのは実物大では無く縮小版の様だ。
但し、実物大を作り実験しようとするとこの周辺すべての電力が一時ストップするぐらいの電力を必要とする。
まさか実験の為に4つの街の電力を1時間にわたって止めるわけには行かない。
そうなると早急に設計図にあった宇宙人が作った電力供給装置の小型版を作らなければならない。
本番にはそれでも100万光年離れた星に行くには日本全体の電力を2分ぐらい止めなければいけなくなるのだが。
宇宙人が後半年で攻めてくると言う事を考えれば待ったなしで研究を進めなくてはならない。
「ごちそう様~」宗助
「美味しかった~」愛菜
「ごちそうさま」百合
「先におふろはいるね~」愛菜
「は~い」はは
「ゴチソウサマ」朱里
「ごちそうさまです」平太
「ごちそうさま」父
食事が終わると神妙な顔のまま父は自室にこもってしまった。
【先ほどデータを入れておきました】
【有難う、どうだった?】
【やはり電力供給の装置全般の設計図を渡されていました】
【それで代替え金属や充電物質はすぐ作れるものなの?】
【ある程度の研究は必要です】
【そうなんだ】
工業的な部分は俺にもあまり分からない、だが部品により使われる合金は100種以上あったりする。
使う場所により使い分けたり金属同士を溶かしてさらに融合させたりして、電力の伝導率や使う装置の発熱温度などにより変えなければならない。
惑星間転移装置が稼働すると、装置がどの程度加熱するのか分からないし、伝導率をどこまで上げたり下げたりするのかも、試してみないと分からない事だ。
確かに父はその方面の研究を長年している為、どの金属がどこに使われるのが一番良いのかを知っているはず。
「あー!よしよし、これなら何とかなる!」
父の部屋から声が上がる、もしかして先ほどまで無かったデータを見つけ、中身を見てみたと言う所だろう。
「宗ちゃん今日も勉強するでしょ?」
「今度は俺の部屋でする?」
「又私の部屋が良い」
どうやら百合ちゃんは俺の部屋に入ると、また2か月前一緒に寝たことを思い出してしまうらしい。
たまに俺の部屋に入ると鼻をクンクンさせて目を閉じる、一応俺は知らんぷりしているが。
なにせ各所に仮想カメラが付いている状態なので百合ちゃんの動作は全て記録済みだったりする。
もしかしたら百合ちゃんは俺の部屋で長居をするとあの日の事を思い出して勉強どころではなくなるのではないだろうか。
女子が何を考えているのかは俺にもわからないが、顔を赤らめるのを見ればどういうことなのかぐらい俺にだって判る。




