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父の試練

父の試練


マンションに着くとすぐに百合ちゃんから脳内通信が入った。


【そうちゃんおかえりなさい】

【ただいま】

【今開けるね】

【ありがとう】


マンションに戻ると母と百合ちゃんがキッチンで食事の用意をしていた。


「おかえり、どうだった?」

「あ~うん各国のエージェントには話せる事全部話しておいたよ、そうしないといちいち不審者の対応しないといけないからね」

「そうなんだ」

「そっちの方は?」

「ああ家の中に置くための細々な家具は全部決まったわよ」


今日は母と百合ちゃんは近くのホームセンターで本棚や収納ボックスの買い出しを行っていたらしい。

大きい家具は来年家が完成してからだが、小さな家具は今のマンションで使うための物をそのまま新築の家でも使えるようにするらしい。

確かに今も足りなかった家具はあるし朱里と平太の分はようやく買いそろえたと言う感じだ。


「洗濯物、取り込み終わりました」平太

「ありがとう」

「朱里は?」

「洗濯物畳んでいます」

「そうなんだ」

「私もたたみに行きます」

「よろしくお願いね」


2人はかなり慣れた様子、だが暫定15歳の彼らが今の状況でいるのは難しいと言っておこう。

インドネシアの住基データは15歳と言う事にしておいた、そうなると日本では学校へ通わなければいけない年と言う事だ。

近いうちに市役所から近くの中学校への編入申請書が届くだろう。

勿論本人たちがそんなことするわけがない、と言うか大人な彼らが地球の子供に交じって勉強するとは思えない。


【それでそうちゃんどうするの?】母

【とりあえず期末試験が終わったら惑星リズへ行って向こうの超越者と話してみるよ】

【分かったわ、その話だけど朱里たちも行くそうよ】

【話したの?】

【だってそうしないと彼らは学校に行かないといけないし、そのうちばれてしまうわ】

【それは俺も考えてた】

【じゃあ、期末試験が終わったら4人で行きましょう】


食事が出来上がり、その間に愛菜が帰宅し父が帰宅する。

今日は延期していたプレゼンが新宿で行われたらしい、だが期待していたほど反応が良くは無かったのか、父の顔はすぐれなかった。


「ただいま」

「おかえりなさい」母

「おかえりなさい父さん、どうだった?」

「ああ開発していた装置はうまくお披露目できたんだけどね…」

「そうなんだ、でもそれだけじゃないんでしょ」

「ああ極秘の研究を頼まれてね、極秘だから話せないが…」

【宗助様惑星間転移装置のエネルギー転換装置の事だと思われます】

【ああ確かそんな装置が有ったね】

【そのことで科学技術庁からお父様の研究所に開発のお話が来ておりました】

【なるほど…】

「難しい研究なんだね」

「ああ、詳しくは話せないが、新型のエネルギー転換装置をわが社で作成して欲しいと言う話だ」

「じゃあもう設計図はあるんだね」

「ああ…あるにはあるが」

【装置に使われている材質の研究だと思われます、地球上には無い金属が含まれていました】

【でも代替えの金属はあるはずだよね、そうかその研究だけでも数十年かかるんだっけ】

【おそらく期限を3か月以内と言われたのではないでしょうか】


アメリカに渡した装置の設計図には確か日本からも使われる金属の代替え品の情報がしっかり記載されていたはず。


【宗助様蓄電池の容量や発電の威力を上げる装置の細かい部分にはそれほど詳しく代替え用品の情報は書かれておりません】

【マジか、どうする?】

【後程お父様のPCの内容を調べて、足りない情報を付加しておきましょうか?】

【ああそうしておいてくれれば助かる】


一部の金属はステンレスやチタンなどで代用が効くのだが蓄電に使われる物質には地球では取れないものもある。

勿論リチウムやカドミウムなどの物質で代替えできなくはないが、その性能はかなり低くなると言える。

そうなると現在一番充電池として性能の良いリチウムを代替え品としてさらに特殊な金属と融合させるレシピが必要となったりする。

伝導体として使われる金属も同じように何グラムから何キロと言った対比分量の計算が必要となり。

それらを最初から割り出すには本来、長年の研究が必要なのだが、俺の手元にはリリーさんが計算したレシピが沢山積みあがっている。


「父さん頑張って!」

「あ おお そうだな」

「先にお食事にしましょう」母

「おお 今日はすき焼きか?」


目の前にはスキヤキ用のプレートが2つ置かれすでに肉はいい具合に煮えている。

父はすき焼きもそうだが、鍋系の食事が好物だったりする。


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