テラサイキッカー
テラサイキッカー
「え~とCIAのお二人には大統領から頼まれていたデータでしたね」
「イエス」
急に話しかけられて慌てたのか日本語を話せるのに英語で返事をしてくるCIAの諜報員ノア・キャラウェイ。
「あ いや先ほどまでの話は本当?リアリー」
「お二人はCIAの局長又は上司からどういう風に聞いてきていますか?」
「ソウスケロホウからデータを受け取ることと、当分の間その人物との連絡要員として日本で活動して欲しいとのことです」
「我々はそれ以上の話はされていません」シルビア
「でも先月起きた宇宙人襲撃の話は知っていますよね」
「はい」
「これから日本で私と大統領との橋渡しをするならば、超能力者の話を抜いて語る事は出来ないでしょう」
「要するにどういう事?」
「日本は安全だからと言って気を抜くと超能力者にやられるかもって言う事ね」アイリーン
「超能力が全て危険と言うわけでは無いけど、お二人は特殊な能力はなさそうなので重要なデータの持ち運びには注意してほしいと言う事です」
「わ 分かったわ」
「それじゃあ、データを渡しますので」
「はい・イエス」
USBに入れてあるのは中国へ渡すためのハッキングアプリ、もちろん一度アメリカ側に渡しあちらで内容を確認してもらう。
今回は中国へ渡すデータもアメリカの外交部を通じて渡すことになっている。
ハッキングアプリの件は中国から直接USAの外交部へ問い合わせがあったからだ。
勿論中国へアプリが渡ればその契約金はUSAを通じて宗助に振り込まれることになる。
アメリカとはそういう契約をしているからだ、もちろん惑星間転移装置の件に関してもUSAが間に入り宗助に支払われる形になっている。
「宗助君、お疲れ様です」
「高月さんもお疲れ様です」
「我々自衛隊が聞いて良い話だったのでしょうか?」
「いい悪いでは無く、知っておかないといけない話だと思ったので、この際だから全員に聞いてもらったんですよ」
「あ あの初めまして小山恵美香です、今後先輩と組んで身辺警護に当たらせていただきます」
「高月さんの部下の方ですね、呂方宗助ですよろしくお願いします」
「日本にも超能力者はいたんですね」
「いますよ、僕もその一人みたいですから」
「あ~そうなんですね、やっぱり」
普段表情があまり変わらない高月隊員だが、この2か月俺について回り、彼女なりに宇宙人と俺のつながりに思う所があったのだろう。
確かに宗助は普段、家と高校を行ったり来たりするだけで、超能力のことなどこれっぽっちも出てこない。
勿論どんな能力があるのか、知っているのは完全記憶と言う能力一つだけ。
だがそれ以外の能力に関して俺はまだ家族以外には明かしていない。
「あ~それと今後警視庁の方からも2名専属で身辺警護に着くと言う話が来ています」
「そうなんですか…」
「自衛隊としては今後も変わらず警護はしますが、不審者がいても我々は守ることができても逮捕したり攻撃したりできませんので…」
「そうですね、ご苦労様です」
「皆さんこの後はどちらへ?」高月
「モリソンさんはどうします?」
「そういえばもう5時か、私は娘と買い物を済ませて妻と落ち会う予定なんだよ」
「そうでしたか、今日はどうも有難うございました」
「いやいや、本当は君の能力をもう少し知りたかったのだけれどね」ニッ!
そう言いながらにんまりする、その横でアイリーンがモリソン氏の袖を引っ張る。
どうやら娘となにやら約束でもしていた様子。
「おっと、そろそろお暇するとしよう、後日娘を通じて連絡させてもらうよ」
「はい、お疲れさまでした」
「じゃ~ね~お兄ちゃん」
「またね宗助君」
モリソンファミリーが去って行くと、そこには自衛隊の2名とCIAの2名そして宗助が残った。
すると自衛隊の隊員とCIAの諜報部員から質問の声が上がった。
「超能力って(ホワッツサイキッカー)!」
「聞きたいことが有ればどうぞ」
「先ほどの話ですが、USAにもいると言う話は?」シルビア
「日本にもUKにもサバイバー達の組織が有ります、もちろんUSAにもあるんですよ」
「嘘でしょ!」ノア
「いやいやあれだけ超能力者の映画作っておいて、全く信じていないとは…」
「それはそれでしょう!」ノア
「全部フェイクと言うには不思議なことが多すぎると思いませんか?」
「確かにUFOの話やロッズなどと言う宇宙生物の話を聞いたことが有ります」シルビア
「ですがそれは害獣であるクマや狼のせいだと結論付けされています」ノア
「でも宇宙人の映像は皆見たわけでしょう、宇宙戦艦も見た そうですよね」
「…」
「あまり固く考えない方が良いですよ、目の前で起こった事が全てではないし、ちなみに大統領もサバイバーですよ」
「は~~?」
「あ この話はまずかったかな」
「そうなの?」高月
「天才と言われている人は殆ど全員超能力者ですよ」
「確かにそう考えると納得できることがある」高月
「スポーツ選手や芸術家の中にも超能力者は居ますからね」
「そこまでは分からなかったわ、確かにそういうシーンを見た経験はあるけど…」高月
「これからはそういうシーンをもっと見る可能性が高くなるけど、慣れておかないといちいちびっくりしていたら笑われますよ」
「そ そのようですね」
せっかく宇宙人対策班に編入しているのに、宇宙人を信じないと言うのと超能力を信じないと言うのはほぼ同系列の話。
専門的な部署にいて、聞かれたときに見たことがないとか知らないとか言ってしまうと上の人に笑われてしまう。
今後宗助の周りにはそういう人物が多く訪れることになるのだから。




