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スパイ大作戦

スパイ大作戦


このレストランには50人近くが一度に食事を摂ることができるが、やはり人気のレストランと言う事で完全予約制となっている。

何処から嗅ぎ付けたのかレイランの2名も当日予約を取って潜入している。


「あれがUKの?」洋子

「確か宗助君の隣にいるのは国生アイリーンじゃないかしら?」

「製薬会社のコマーシャル?」

「多分そうだと思うわ、ライバル出現ね」

「あの雰囲気だと複雑ね、これで篭絡の可能性は限りなく低くなったわ」

「貴方まだあきらめていないの?」香織

「貴方資料見なかったの?彼いいとこのお坊チャマなのよ、母親は元小説家で資産10数臆、それに彼自身も日本政府やUSAの大統領相手にアプリを売り込んで見返りを得ているのよ」

「そういえばそうかも、でも私から見たらまだ子供だからね~」

「大学生になると将来性に関しての考え方がそんなに変わるもんなの?」

「面倒でしょ、若い子のヒモになるより金持ちのおじさまの方が簡単に落とせるし」

「そうなんだ、私はまだ将来性を見て決めたいわ」

「あのイギリス人は?」

「ヤッパリそっちの方が気になるわよね、あのアイリーンという子の父親みたいよ」

「そういえば彼も情報捜査の対象になっているわね?」

「資料によるとUKの貿易会社社長で爵位持ちと言うデータがあるわ」

「そっちの方が気になるわ…」

「あんたまさかやるつもり?」

「そりゃ直接命令が有ればね、今は別のチームが捜査しているはずよ」


アイリーンパパに対する鹵獲要請はまだ出ていない、勝手に動いてしまうと仲間の邪魔をしてしまう可能性もある。

今回の作戦の結果を上に伝えた後に出る追加指令を待ってからどうするかという話になる。


「もう一人の女の子は?」

「妹みたいね、でも体は大人顔負けね」

「比べないでよ、黄色人種とUKハーフじゃ体格に差があるのは仕方ないでしょ」

「別にそういうわけじゃないわよ、私も普通だし」

「それにしてもただものじゃない雰囲気が他のテーブルにも数人いるわね」

「やたら女性が多いのが目立つね」

「トイレに立つと時折話し声が聞こえるわよ」

「どこの?」

「あそこの席にいるのはアメリカのエージェントね、あっちがUKの可能性が高いわ、それから私たちと同じだけどいかにもなのがそっちの席の2名ね、日曜日にスーツ姿で高級レストランってバレバレでしょ」


高月准尉と共にレストラン内に置いて呂方宗助の尾行捜査を行っているのは新人の小山恵美香陸曹、最近になって宇宙人対策班に編入された女性自衛官。

本来ならばドレッシーな服を着て来るような場所なのだが、彼女らは仕事中の為スーツと言う選択しか許可されていない。

まさか陸自の戦闘服に身を包んで高級レストランへ突撃するわけにもいかない。


「まさかこんな場所に…」小山

「一応許可は取ってあるわよ、こんな機会めったにないんだから少しぐらい楽しまないとね」高月

「外の景色最高ですね」

「横浜が一望できるって書いてあったわ」

「でも昼食がパフェって無くないですか?」

「ランチで最高2000円が経費よ、でもここのランチは3000円以上パフェは1500円なのよね」

「それでですか?」

「自腹で出すならいくらでも構わないわよ」

「それは無理です」

「でしょ」

「でもパフェ美味しいです」


一応このレストランのパフェはINSTOに出ていたお勧めの品であり限定品なのだが。

どうやら彼女ら2名の注文で最後だったらしい、入り口のメニューにはすでにソルドアウトの札がかかっていたりする。

普段食べなれない生クリームの塊を口に入れる度にペロペロと舌で拭ってしまう。

スーツ姿とのミスマッチだが、彼女らに責任があるわけでは無い。

そしてUKのサバイバーは2か所に席を取っていた、総勢6人のUKサバイバーなのだが全員がアイリーンパパの知り合いというわけでもない。

4名はアイリーンパパの部下的なサバイバーだが2名は本国から送られて来たいわゆる007系エージェント。

今回宗助に対するUKの見方はサバイバーが最初に行動を起こしたが、そこにイギリス国家保安部から2名のエージェントがサバイバー達の協力を得て共同で作戦を行う形を取っている。


「この後の予定は?」キャロライン・マッケンジー

「サーモリソンが所定の建物へと彼を連れて行くのを我々が後から尾行しながら敵を見張っていくと言う形になるが、この時間帯で我々の邪魔をするスパイはいないだろう」トマソン・スチュアート

「あそこの席とそっちの席、それから向こう側にいる2人、多分全員各国のエージェントの可能性が高いな」ジョルジョ・スミス

「そうなのか?呂方宗助とは何者なんだ?」トマソン

「私はメシアと聞いているわよ」キャロライン

「その名称はバチカンが許さないだろう」トマソン

「もうすぐバチカンも動き出すって噂も出ているわよ」キャロライン

「その前に彼を味方につける手筈なのか」ジョルジョ

「すでに彼は協力すると言っているみたいね」キャロライン

「どちらにしても決めるのはモリソン自身よ」マーサ・コールマン


UKサバイバー達は英語で話しているので遠くからは英語が分からなければ話の内容について知ることは難しいが。

その近い距離にいるUKの国家保安局BONDの2名はまるで日常会話を話している様だ。

日頃のスパイ活動で一番気を付けなければいけない事はその場の風景に溶け込むことだが。

周りの話し声を聞くことも大事だ、手には集音器のリモコンを手にし、スマホの翻訳機能やボリューム機能を駆使し音を録音している。

自分たちが来る前に、仲間のエージェントが数名訪れ各テーブルに隠しマイクを仕掛けてあり、宗助たちの会話を録音していたりする。


「どう?」スーザン・トンプソン

「ちゃんと録音できているよ」チャーリー・トンプソン

「そうそれなら良かったわ」

「この後は彼らとランデブーだったよね」

「馬車道近くの倉庫よ」

「昔を思い出すわね」

「最近はRUへの捜査が多かったからね、今回は楽しい旅になりそうだ」


通称BONDは特に敵対する国の捜査が主な仕事だが、東西冷戦も終わり最近東の国も落ち着いてきたことも有り、今回は安定している極東への任務と言う形になった。

勿論彼ら2名は夫婦と言う形で入国している為、話しを聞いていると耳がかゆくなるほど甘いやり取りが聞こえて来る。

この二人は一緒に仕事をすることが多いいわゆる夫婦でスパイと言う設定だ。


「CIAから追加の指令は来ていない?」シルビア・ジョンソン(29歳)

「まだ来ていないようです」ノア・キャラウェイ(28歳)


こちらはCIAのエージェント、先日の大統領の話からすぐにアプリの受け渡しについて2名の女性捜査官が行くと言ってあるため名前も知らされている。

郵送と言う手もあるが宗助の家から出るデータ関係の荷物は見張られている可能性がある、下手すると途中で盗まれる可能性もあるからだ。

2人の前職は軍人では無く元警察官と外交官、CIAに入ってからまだ日は浅いがそれなりに優秀であり、今回本国より危険性の少ない日本での仕事を大統領命で仰せつかった。

シルビアはシングルマザー、本国には6つになる女の子がいる。

ノアは元外交官で語学が堪能なことから抜擢された、今回この2名がUSA側の宗助担当エージェントになる。


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