練習試合の結果
練習試合の結果
愛菜の練習試合は後半10分予想通り疲れてきた選手を2名、MF(愛菜・中3)とFW(黒部睦美・高2)に交代すると、そこから追加点を上げて勝利した。
相手の大学生のチームも後半で3名交代したのだが、全く愛菜に付いて行くことができず、なすすべがなくなってしまった。
「思った通りだったな」
「あらら、別に賭けたつもりないし~」
「そういう事だから従ってもらうよ」宗助
「それって賭けなんか関係ないでしょ」
「どちらでも同じ結果だけどね、アプリの件は追って知らせるから、連絡先だけ聞いておこうか?」
円陽子からメールと電話番号両方を教えてもらいスマホに登録しておく、今日のやり取りは後日 大統領にも知らせておかないといけない。
一応彼女らにはこのままレイランとして行動してもらい、できればCNスパイの上層部へと掛け合うか、又はこちらの都合通りに動いてもらえるように記憶を改竄するのが一番なのだが。
なにせCNのスパイは数人どころでは無いと言うのが分かっているから、できれば日本にいるNO1をあぶりだせれば手っ取り早い。
「分かった、それじゃ命令が有ったら教えるわ」円
「ああ頼むよ」
「え~あたしはここまででおしまい?」橋本
「仕方ないでしょ」
「じゃあ私たちは帰るわ、またね~」
「バイバイ」
一応百合ちゃんは口には出さないが手だけは振っている。
朱里と平太はそんなやり取りには全く関せず、試合後の復習を2人で話し合っている。
《あそこでパスを出したからFWのヘディングが間に合ったのか…》
《そうね足が無ければ間に合わないわ、それに誘い出してからの空間を使う攻め方は実戦でも応用できるわね》
サッカーの試合と戦闘が同じだとは思いたくないが、確かに戦いと言う状況下での兵士の動かし方は学ぶべきところがある。
俺たちはその後、試合が終わった愛菜と一緒にグラウンドを後にした。
「お疲れ様~」
「へへ~みた?」
「おお見たぞすごかった!」
「2点ともにアシストだもんな」
「まあ今日はまだ練習試合だから、本番はまだまだだけどね」
「そうか来年はワールドカップに出るかもしれないのか」
「年齢で落とされるかもしれないけど、今はそんな事考えないでガンガンやるつもりだから」
「オ~頑張れ」
「応援してるわよ」母
「すごいな~あいちゃん」
「へへ~」
愛菜の試合はお邪魔虫も現れたがほぼ全部観戦することができた、CNのレイラン2名にも手出ししないよう釘を刺せたし、後は明日のUKサバイバー、アイリーンのパパに会う事だけだ。
実はこれがなかなかの問題だったりする、相手はサバイバーであり超能力を持っている。
多分俺の勘だが、仲間を数人連れてくるはずだろう。
まさか俺に自分の能力を看破されるとは思っていなかったアイリーンパパ。
逆に俺の能力を知りたいと絶対に思っているはずだ、だがアイリーンパパには一つ頼みごとをしないといけない。
どうせならば全員同じ場所で俺の話を聞いて欲しい事があるからだ、うまくやればしつこいスパイの数も減らせる可能性がある、但しアイリーンパパの考え方次第と言う所もある。
従ってセッティングするのは2か所、一つは中華料理店では無く高級ホテルのレストランで海外からの利用者の多い店を設定してもらう。
そうすれば客に交じって見張ることに違和感がないからだ、UKから何人のサバイバーが参加して来るのか楽しみだ。
同時にCNも監視を付ける可能性があるので、もしかしたらUKとCNでひと悶着ありそうだがそれは成り行き次第。
もう一つは俺の話を全員が同じ場所で聞けるような場所の設定、要するに俺を監視しているスパイ全員への情報提供。
こそこそと探られるなら全部ばらしてしまおうと言う事、こちらの方が肝心かもしれない。




