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大統領再び

大統領再び


来週から始まる期末テスト、それが終わればいよいよ惑星リズの超越者グループとの話し合いだ。

期末テスト自体は俺の場合全く勉強しなくても構わないのだが、そうなると授業と言うのはかなり退屈なものとなってしまう。

なので、暇な時間は各国の情勢や軍事基地の情報、さらに科学的な開発の情報をネットを使い取得していく。

分からないことはリリーさんの注釈が入るため、かなり楽に意味不明な点も理解できる。

そして週末の予定なども授業中なのにもかかわらずリリーさんを通して順次決められていく。


【宗助様今度の土曜日は愛菜様の試合が有ります】

【それとSNSからのショートメールにアイリーン様から日曜の午後設定でお父様とのお食事と、例のお話の件で相談があるとの連絡が入っています】

【土曜日試合か…場所は?】

【調布の市営グラウンドです】

【了解】

【アイリーン様のメールにはどのように返答しますか?】

【11月27日午後1時でいいんじゃないか?】

【かしこまりました】


これで週末の予定は埋まったことになるのだが、昨日のことも有り不安はぬぐえない。

まあアイリーンの父親とは話さなければいけない事が有るので避けられないが、場所が神奈川の横浜と言えば中華街の近く。

そこにはレイランである円陽子の所属するCNのスパイが沢山いると言っても良いだろう。

彼らのサポート部隊が動き出すと少し厄介なのが心配という所か。

現在はUKのサバイバーもかかわって来るので表立って何かをすると言うようなこともないだろうけど。

まずは両者の俺に対する考え方を測るためにも日曜日の会見ははずせない。

だがその前にまたしても問題が発生する、それは予期できたことだった。

レイランとの遭遇から一日が過ぎ何事もなく時間は流れていたのだが、陸上自衛隊からもらったノートPCのLEDランプが点滅していた。

そのランプが燈ると専用メールアドレスに連絡が来たか、又はリモート会議用のアプリからの連絡が来たことの知らせだ。


【なんだ?】

【ジャクリーン大統領から連絡です】

【マジ!】


ノートPCを立ち上げアプリを起動すると、アプリ内の連絡メッセンジャーに書き込みがあり。

話したいから応答してほしいとの内容だった。


【面倒くさいな】

【私の予想ですと、この話は受けておいた方がよろしいかと思います】

【なんで?】

【他国の情報を手に入れる事ができるからです】

【確かにそういう情報はCIAと言う情報組織がある国の人に聞いた方がよく分かるとは思うけど、その代わりこちらからも情報を提供しないといけなくなるんだよね】

【それはギブアンドテイクですので致し方ないと思われます】

【そうするとまずは大統領が何を知りたいかだな】

【とりあえずアプリを立ち上げて見ましょう】

【了解!】


アプリを立ち上げるとすぐに、相手との単独回線を受け入れるかのイエスノーボタンが現れる。


【ポチ!】

【はーい宗助はわーゆー】


大統領は何故か機嫌がいい、そして今回通訳がいないが俺は同時翻訳機能を使い大統領と会話することにした。


『アイムファイン、どうしました?』

『宗助に聞きたいことが有りまース』

『何を?』

『あなたはまだ隠していますね?』

『そうかもしれませんがそれを大統領には言えないと言っておきます』

『オーノー残念です』

『それを聞きたいわけでは無いのでしょう』

『イェスよくわかりましたね』

『そんな単純なクエスチョンで連絡しないでしょう』

『実はCNからオファーが届いています』

『そちらの判断では決められない事ですか?』

『イェス、ハッキングアプリの件です』

『やはり…』

『チャイナに開示すると歯止めが効かなくなります』

『確かにそうなるでしょうね』

『何か案はありませんか?』

『では劣化版を作成して渡してみますか?』

『ダウンバージョン?』

『イェス』

『それはどういうアプリなのですか?』

『例えば中国国内でしか使用できないように限定するとか、国を限定するのです』

『それは良いかもですね』

『当然その部分を変更すると使用不可能にします』

『あなたは素晴らしい、こんなにすぐに解決できるなんて、宗助大好きですチュ!』


他に誰も見ていないことを良いことにまさか大統領が投げキッスをするとは思わなかったが。

今日の事は外部には漏らせないなと宗助も感じていた。

なんせまだ50代と言う歴代でも若い女性の大統領、その雰囲気は優しいながらも威厳のある立ち振る舞い。

だがそれは公に出た場合だ、本日向こうは朝の10時でありどうやら今は朝食後のティータイムらしい。

背後には窓ガラスが移り牧場のような風景が映っているが、それはどうやら絵の様だ。

着ている服はなんとバスローブ、まさか大統領も俺を鹵獲しようとしているのかと思ったが、そこまで考えてはいない様子。

要するに今はプライベートだと言いたいのかもしれない。


『それと宗助、貴方はたくさん宇宙人の情報を持っているのよね』

『そうかもしれません、そこははっきりとは言えません』

『では私が宇宙人の血縁だといっても信じますか?』

『サバイバーの事ならすでに承知しています』

『オーノーそうやはり知られていたのですね』

『はい能力も知っています』

『リアリー?』

『全部では無いですが、サバイバーは一つ以上超能力を保持しているはずですから』

『分かったわ、それではもう一つのクエスチョンよ』

『私の所属するサバイバーアソシエーションに参加してもらえないかしら?』

『参加は難しいですが協力はしますよ』

『オ~それはどういう形ですか?』

『すでに日本のサバイバーやUKのサバイバーからオファーをもらっておりそちらにも協力はするけど仲間にはならないと告げています』

『オ~ノ~残念です、それより近いうちに又こちらへ来ませんか?』

『多分その前にUKに行かないといけなくなると思います』

『オーシット』

『そちらへ行くメリットは何かあるのでしょうか?』

『もちろんアメリカを堪能してもらいたいのと紹介したい人がいるからよ』

『もしかしてそちらのサバイバー?』

『イェスよくわかりましたね』

『その話は一応考えておきます』

『有難う、大好きよ宗助 チュ!』

『あ 有難うございます』

『それではまた連絡するわね シーユーアゲーングッバーイ』

『グッバーイ』


うーん中々食えないお姉さんと言った所だ、母より歳は食っているのに若く感じるのだから。だが今回で分かったのは彼女の超能力はアプリ越しでは使えないらしい。

彼女もそれを知っていて対応していることを考えると、今回のアプローチはそれでも俺と話したかった、興味が先に立ったと言う所だろう。

確かに彼女の超能力に動じなかったのは俺だけだったし、その後のやり取りでも向こうを立てながら言いたいことははっきりと言わせてもらった。

そんな17歳に興味が無いと言ったら嘘になる、まあ今日の服装はサプライズだったのだろう。

私は若いのよとでも言いたかったのかもしれない、他の年寄りよりも話が通じる所を見るとこの先の関係を保つのにはプラスになるだろう。

アメリカのサバイバーの様子も知りたいとは思うし、計画を早めるにはサバイバーの動向がかなり重要だと言っても良い。


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