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リリー発進

リリー発進


壊れた我が家にたどりつくと、これが昨日まで住んでいた家とは到底思えなかった。


「リリーこの下に例のフィギュアはありそうか?」

「はい今探してみます」


「見つかりました」

「それじゃリリーのボディとして起動しよう、あそこだな」


瓦礫の下に埋まってはいるが元々合金と合成繊維で出来ているので、ロボ化してしまえば難なく動かせるだろう。

まさかこんなに早くフィギュアをロボ化しなくてはいけないとは考えていなかったのだが、この状況下ではそんな事も言っていられない。

それに俺一人では、母や妹の洋服を見つけるのは困難かなと思ったからだ。


「ロボ発進!」


ガガガ ゴソッ


「宗助さま何処までロボ化を適用しますか?」

「ん~一応普通に人間と同じくらい動けるようにそして話せるように設定してくれ、ああそれと脳内通信で話せるように、そうしないといちいちスマホ見ながら話しかけないとおかしい人だと思われる」

「ではお母様に設定したような脳内通信システムを設定します」

【あ・あ・どうですか?聞こえますか?】

【ああ聞こえる、これで音声でのやり取りはしなくて済むな】

【はい、ではお母様と愛菜様それにお父様と宗助様のお洋服の探索をいたしましょう】

【ああ頼む】


目の前であれ程望んでいたフィギュアがまるで人のように瓦礫をどかしたり布を捜したりする姿は、縮尺が違うだけで俺が求めていた以上の感動を与えてくれた。

そこに後ろから声が掛かる。


「やばっ」

【リリーストップ】

【はい止まります】

「呂方さん」

「ああ隣の道上さん」

「お母さんは?」

「ああさっき小学校に避難しました」

「そうなのね、お家がこんなになって」


どうやら大きな音がして隣の家が崩れるのは分かっていたが怖くて外へ出られずにいたらしい。

そりゃそうだ、いきなり機械の怪物が襲ってきてあたりかまわず建物を壊し始めれば、外へ出ようなどと考える人はいないだろう。

この近辺の家はうちとその反対側の家そして通りの角にある家などが数軒、ロボットが通るときに壊していったものだ。

たまたま壊されたお隣は留守だったようだ、赤外線探知機では人体を感知できなかった。


「困った事が有ったらいつでも言ってね」

「はい有難うございます」


【そう言われて家に住まわせてとは言え無いんだよな~】

【今のは社交辞令というやつですね】

【その通り、まあ言えば少しは力を貸してくれるけど、それはそれで迷惑になるからね】

【立ち去ったようなので捜索を再開します】


それからは次々と洋服を見つけては整理しながら仕分けしていく、時折リリーが衣装ボックスを見つけてくれるのでそれごと掘り出し中身を精査しながら着るものを詰めていく。

それからは貴重品も探すように命令し、約1時間瓦礫の中を捜索した。


【今日は雨が降っていなくて助かったよ】

【雨が降ると洋服も濡れますね】

【ああ服もそうだが人間は濡れると風邪を引きやすくなるんだ】

【体温が下がる事によるバッドステータスの発症ですね】

【それに運ぶ時重くなるからね】

【成るほど、宗助様フィギュアを見つけました、確保しておきますか?】

【マジ、頼む】


何とか衣装ボックス数個に他のフィギュア達を入れて保存する事に成功した。


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