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愛菜と先輩

愛菜と先輩


今ではどの駅前にもあるスポーツクラブ、サッカーの試合はグラウンドで行われるがそこには必ずしもシャワー施設があるわけでは無い。

従ってどこかで汗を流すことは必然であり、女子には欠かせない施設、男子に必要ないわけでは無いが。

それは当然のエチケットだろう、従ってクラブで契約しているスポーツクラブや学校と提携して割引会員になっているのが普通だ。

そして先輩である木部も同じで、この日は同じスポーツクラブに2人で落ち合う約束をしていた。


「ひさしぶり~」

「先輩お久しぶりです」

「どうだった今日は?」

「疲れましたよ~、でも実力は出し切りました!」

「さすがだね~」

「先輩は?」

「一応西東京大会は2位まで行けたけどね」

「そうですか残念です」

「昔より選手層が厚くなったから頑張らないとすぐおいて行かれるからね」

「はい」

「それより考えてくれた?」

「私はもうそのつもりです」

「ありがとう~愛なっちが来ればうちの学校は絶対全国行けるわ」

「そ そうかな~エヘ」


まあ優秀な選手がいればすぐに目を付けるのは当たり前、そして当然だが引き抜きもある。

すでにスポーツ推薦でTK高校に入学するのは間違いが無いと言えるが、それは母とも相談しなければいけないところだ。


「そういえばお兄さんどうしてる?」

「あ~なんかこないだアメリカ行ってましたね」

「なんでアメリカ?」

「え~と少し難しい話ですが、アプリの契約だそうです」

「そっか呂方君、昔から頭良かったもんね」

「はい それと今度引っ越すかもしれないです」

「また引っ越すの?」

「ええ今の家も良いんですけどね、今度は3階建てになります、場所はそれほど離れてないので駅は一緒です」

「ふ~ん」

「先輩は?」

「あたしは変わらないかな、宇宙船の被害も無かったし」

「そういえば今日Y高のサッカー部の人からも声かかりましたよ」

「え~Y高?そうかあそこも昨年全国でベスト4だったからな~」


2人はシャワーを浴びた後ジャグジーに入りながら現状を話し合っている。


「先輩今日はこれからどうします?」

「特に予定はないけど…又カラオケ行く?」

「行きましょうか?」


駅前のカラオケ屋(阿吽の一)は彼女らのたまり場であり高校生になった木部も良く使っている。

(ようやく出て来た)

円陽子ことエンヨウホは駅前のファーストフードの2階窓際に陣取り呂方愛菜が出て来るのを待っていた。

1時間後、その姿は2人に増えている。

(あれ?女?)

木部のルックスはジャケットにパンツ、そしてサングラス、髪が長くなければ男子に間違われることもしばしば。

2人がスポーツクラブから出て、次の場所へと移動すると、円も後を追う。

今度は外で見ているわけには行かないので後を付いて行くとそのまままどかも中へと入ることにした。


「はい10号室でよろしいですか、フリータイムですね学生証はお持ちですか?」


呂方愛菜とその先輩は9号室を選んでいた、その後方から何食わぬ顔でその様子を伺い隣の部屋を選択、たまたま開いていたので10号室をチョイスした。

今のところはまだばれてはいない、持って来たデイバックのなかにジャケットを入れて来たので今はそれを羽織りスカートはパーカーを腰に纏い制服を隠している、もちろんマスクもしているので遠目からでは似たような人がいるぐらいにしか思わないだろう。

この時間はそれほど混んではいないが、これから夕食時になるため徐々に人が増えて来る時間帯。

トラブルが起こるとしたらこの時間が多い、まあ意図してトラブルを起こすわけには行かないが。

この容姿を使って男を誘いタイミングを見計らって騒ぎを起こすことぐらい訳はない。

そして運よくターゲットとなる酔っぱらったサラリーマンが数名隣の11号室へとやって来る。


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