買い物は?
買い物は?
そこへ話が終わったアイリーンパパがやって来る。
「うらやましいな~」
「パパ!」
「すまんね君の彼氏を独り占めして」
「いいえ」百合奈の顔がほてる
「ではこれで失礼するよ私も娘と買い物が有るからね」
「じゃあまたねゆりちゃん」
「またね国生さん」
「バイバ~イ」
そこへ宗助もやってくる。
「いい子だね国生さんって」
「そうなんだよ、だから彼女にはお友達でって言ってある」
「じゃあ私は?」
「え?」
うらやましさと恋心が複雑に百合奈の心を撫でていく、そんなことも知らない宗助はこの後も百合奈の言葉をのらりくらりと交わしながら一緒に住むために必要な家具を選んでいく。
はたから見れば若い新婚夫婦に見えないこともない、まあ2人には他人からの見え方など気にしてはいないが若干1名はそんな姿を羨ましがっていた。
「あの2人、うらやましすぎる」高月
「へ~若ちゃんも女だね~」石神
「石神さんいつ来たの?」
「ついさっき、そろそろ交代でしょ」
「もうそんな時間なのね」
「俺ならいつでも空いてるから」
「何の事?」
「あ~なんでもないです」
少し怒ったような顔で高月若葉はその場を去った、彼女は今のところ仕事一筋なため言い寄って来る男性自衛官にはきつい一言で出鼻をくじいている。
(私と付き合いたければ試合で勝つのが条件よ)
勿論剣道の試合なのだが全国で2位と言う腕前はかなりの物、もちろん自衛官の中では勝てるものなどいない。
いたとしてもすでにその人物は奥様も子供もいる叔父様と言う事になる。
「何を話していたの?」
「学校の事とか、宗助君の事とか」
「俺の事?」
「国生さんにお友達でって言ったんでしょ」
「だって俺達学生じゃん」
「そうだけど~女の子はそういう答えを待っているわけじゃないんだけどな~」
「じゃあ付き合おうって言ってもよかった?」
「いいわけないでしょ!」
「怒んないでよ、なんでおこるのかわけわかんね~」
「怒るでしょ普通!」
「それよりベッド早く決めないと」
「そうだった」
それから約20分、自分たちの部屋に入れるベッドが決まり、店員を呼んで販売契約書を交わすことになった。
買った物が届くのは来年になってからだが、家さえできればすぐに住めるようになる。
ベッドの選択が終わると俺達は次の場所へと足を運ぶ。
一方母は家電製品売り場でリリーと相談していた。
【どれがいいと思う】
【1階の間取りとしては1番が良いと思われますが高さが少し低いため横幅が有りますね】
【そうよね価格的には悪くないんだけど…】
「お決まりになられましたか?」店員
「これってもう少し小さいのある?」
「申し訳ございませんそうなるとかなり小さくなってしまいますが…」
「そうよね」
【同じサイズで少し小さめならばO社の製品がお得ではと思われます】
【裏側にあった奴?】
リリーにそういわれて移動する。
一方連れられてきた宇宙人2名は所狭しと、置かれている家電製品を見て驚きを隠せない。
《こんなに色んな道具を見るのは初めてだな》平太
《この国は家電製品一つにもデザイン性を重視するのね》朱里
《我々の星では選ぶこと自体無いからね》
《それにしてもこのワンフロアにこんなに物が置いてあるとは》
《全て機械でという形ではないからね、コンセントと言うのが同一規格なのはそのためなのか…》
《エネルギーの供給システムが私達の世界だと超能力を覚える時の訓練方法と似通っているわね》
《波長を合せるときの感覚だね》
《それを機械に当てはめたのか、なるほど…》
《供給するエネルギーが一つしかないからかしら》
《少ない選択肢から生まれた究極のエネルギー伝達方式という感じか》
【これ?】
【はいそうです】
【そうね大きさもよさそうだわ】
「これと、先ほどの奴を頂くわ」
「ありがとうございます」
この日の買い物は大型家具数点と大型家電、本日は呂方愛菜が練習の為彼女のベッドは後日購入しにこの店へ連れて来ることになっている。
その時は宗助が一緒かどうかは分からない、母と父の寝室に入れるダブルベッドはすでに母の方で決めてしまったようだ。
それはこの店経由で購入する輸入家具の様で、お値段は普通のダブルベッドの数倍と聞いている。
まあ母の財布を考えると大したことのない金額なのだろう、あえてその部分を母に聞こうとは思わないが。
そして後日CNの諜報員が本格的に動き出す、まさかそう来るとは思わなかった…




