女スパイ
女スパイ
ここはランドマークタワー、その展望レストランに謎多き美女2人が特製スイーツを注文し、なにやら秘密の話をしていた。
「今回組むことになったエンヨウホよ」
「私はキョウコウエンよろしくね」
「データはもらった?」
「ええイケメンね」
「一応私がメインで動くことになるけど…」
「うまく行かなければ私の出番と言う事ね」
「あなたは学生なのよね」
「そうよ大学2年」
「私は高校なんだけど、そうなると土日祝日以外には夜しか使えないわね」
「そうね、私は普段の日でも平気よ、すでに今年の単位は取ってあるから」
「そうなんだ良いな~」
「それより名前は変えておいた方が良いわね」
「そうかもね」
彼女らは通常 国からの仕事が入ると偽名を使用する、もちろん日本人の名前や帰化したアメリカ人の名前だ。
そうしないと情報戦においてすぐに名前を検索されれば身元がばれる可能性がある。
そのための名刺や学生証などもすでに用意しており、国がらみの仕事についての用意は万全だ。
だが相手の高校生がそんなもの通用しない人物だとは彼女らが知る由もない。
燕陽鋒身長170センチ体重50kBWHは極秘、日本名(円陽子)
喬香艶身長172センチ体重53kBWHは極秘、日本名(橋本香織)
スマートホンのデータボックスには、呂方宗助の写真や家族の写真が数十枚、そして家族構成やこれまでに手に入れた細かい情報がメールに添付されていた。
「探るのは宇宙人がらみの様ね」
「惑星間転移装置?初耳ね」
「大学では?」
「文科系なのよね、一応日本語中国語はもちろんだけどフランス語もスペイン語もできるわよ」
「頭良いんだ」
「あなたは?」
「一応来年受験だけど国立を狙っているわ」
「人のこと言えないじゃない、まあそうでなければこの仕事もできないでしょうけど」
「まずは私が動いてみるわ」
そのデータの中から高校生であるエンヨウホこと、円陽子は最近手に入れた情報の中から呂方宗助の妹である呂方愛菜のサッカーの練習試合と言う方面から近寄ることを選択する。
勿論彼女はスポーツもできる才女であるが、スポーツはサッカーよりはどちらかというとバレーボールが得意だ。
そのため呂方宗助の妹である愛菜の所属するサッカーチームのファンという形で動く。
勿論同時進行でタレント事務所にもアポイントを取ることにした。
そしてもう一人の玲蘭は宗助の通う学校周辺を中心に探るより、大学生の彼女はどちらかと言うと宗助の父である敦之へのアプローチを考えていた。
父親を鹵獲する方が彼女にとっては楽だと考えたのだが、果たしてそれはうまく行くのだろうか。




