渡米後の学校
渡米後の学校
月曜日いつものように登校する、もちろん俺が金曜日にいなかったことやアメリカに行ったと言う事は百合ちゃんから皆には伝えてあることだ。
「呂方君おはよう」委員長
「ああおはよう」
「アメリカに行ってたんだって?」
「そうだよ2泊3日だけどね」
「どんな感じ?」
「観光で行ったんじゃないから、それほど話すことは無いかな」
「そうなの?」
「よう! 呂方アメリカはどうだった」米田
「まさか学友がかぶれて帰って来るとは…」東山
「相変わらずだな、かぶれたとは何だよ」
「おはよう呂方君」石井
「おはよう石井さん」
「おはよう元気そうだな」金山
「風邪ひいて休んだわけじゃないからな」
「そうなんだ」
「呂方君は先週末アメリカに行ってたのよ」委員長
「そうなのか?冗談だと思っていたのだが」
「俺はちゃんと言ったぞ」米田
「あなたの話だから信じなかったんじゃないの?」委員長
「お 俺はそんなに信用がないのか…」
「まあ普段の行いだろうな」東山
「お前がそれを言うのかよ!」
「まあまあ」
相変わらずの学友たちだが、彼らのおかげでまだ自分が学生だと改めて感じられる。
アメリカ合衆国大統領とお話したとは表立って広めることは無いが、このギャップにはロボ化していなければ耐える事が出来ないのではと感じている。
教室に入るといつものように自分の席へ着き、いつものように教科書を開き一時間目の勉強をはじめる。
ここ数日間の出来事があまりにも普通じゃなかったため、教科書を見ながら少しぼんやりしていた。
【本日岩田陸尉と三田陸尉は臨時休暇が出ている模様です】
【確か岩田さんは753のはずだよな】
【はい、現在写真撮りをしていますね】
【そうなんだ】
頭の中で岩田一家の着飾った姿が目に浮かぶ、753と聞きネットで少し調べてみたらいたるところからそういう記念写真が出てきたからだ。
何故かそこに岩田さんと奥様の姿を重ねて思い浮かべてしまった。
【映像をご覧になりますか?】
【いややめておこう、今度会った時に先走って変なことを言ってしまいそうだ】
【かしこまりました】
6時間の授業ははっきり言うと退屈だった、今日は殆ど座学ばかり歴史や国語は基本的に記憶力が全て、俺の今の情況であれば簡単に記憶できてしまう。
【今日は体育は無いのですね】
【ああこないだみたいなセーブしないといけない授業は無いよ】
【宗助様自宅に又不審者です】
【今度は何処の奴だ?】
玄関に仕掛けてある防犯カメラの映像が目の前に映る、そこには2名の不審者がいるのだが。
【母さん今どこにいる?】
【宗ちゃん、今は買い物よ】
【朱里と平太は】
【2人も一緒よ】
【それじゃ少し家に帰るのは待っててくれる?】
【どうしたの?】
【マンションに不審者がいる】
【またなの?】
【ごめん俺のせいだね】
【宗ちゃんのせいじゃないわ、でもどこの組織かな~】
【帽子にマスクじゃ分からないや、今日は家に自衛官の見張りもいないし】
【自衛隊の人ならさっき私達に付いてきてたわよ】
【そうなんだ】
どうやら母と2人の宇宙人を守るように警護してくれているらしい。
【レストランか喫茶店で少し時間つぶしてくれないかな?】
【分かったわ】
映像からは不審者2名が植え込みと非常階段横になにやら仕掛けているところが見えた。
さらにエレベーターにも何か仕掛けている。
【不審者はエレベータにハッキング用の機械を仕掛けている模様です】
【もしかしてドアを開ける為の音声と指紋を判定する為かな?】
【その確率は高いです】
いくら最新式の音声判別システムを導入した防犯システムだとは言え、その声と指紋を抜き取ってしまえば、中に入ることは簡単にできてしまう、もちろんそれを知って対策をしない訳はないが。
彼らは今日その仕掛けで家に不法侵入するべく情報を抜き取る作業をしに来たと言うわけだ。
次に来るのはその仲間かそれとも今回来た人間か?どちらにしても鉢合わせは避けたいところだ。




