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陸上自衛隊本部再び

陸上自衛隊本部再び


陸上自衛隊赤坂本部に到着すると岩田一等陸尉と三田三等陸尉は宗助を見送り、そのまま幕僚長が待つ会議室へと出向いていた、昨晩の事を報告する為だが。


「ただいま帰りました」

「どうだった?」赤松

「うまく行きました、ですが…」

「それより一度見ていただいた方がよろしいかと思います」三田


実は帰り際に人口子宮のデータはUSBに入れて宗助は三田陸尉に渡しておいたのだ。

それを見ないで言葉だけで説明しようとしても納得するような説明はできないと思われる。

そう思って横から三田陸尉は言葉が出てしまったが岩田は口をつぐんだ。


「こちらです」


立ち上げたノートPCには会議室に設置してあるモニターにつないである、スイッチを入れると大きな画面に映し出された映像を、三田陸尉がやや興奮しながら説明を始める。

時折岩田の顔を見ては自分の説明が正しいか修正を入れてもらおうとするが岩田は三田陸尉の言葉はそれほど間違っていないと感じ目を伏せてうなずいている。

三田の言葉より目の前の映像を始めてみた赤松幕僚長の顔はアメリカで始めてこの映像を見た向こうの上層部と同じく、その驚きは隠せなかった。


「まさか…この映像は作ったものではないよな…ウムム」

「宗助君がそのような小細工をするとは思えません」三田

「私もそう思います、もし彼がフェイクでこれを作成したのなら彼の力は底が知れないと言う事です、それにまだ他にも情報を持っている模様です」

「それは私も感じている、敵のコンピューターをハッキングしデータを盗むどころか改竄し指令を変更させることができるのに1つや2つのデータしか盗めなかったと言う事はないだろう、だがそれを我々が知ったとしてその情報を外に出すわけには行かないな」

「はい私もそう思います」


陸上自衛隊は営利団体ではない、それは誰もが知っている。

一部の省庁では既得権益のような徴収システムを持っていたりするが、自衛隊にはほとんどそのようなシステムは無い。

彼らの行動には全て税金が使われるが他の収入源は無いと言って良い、その代わり国民の財産を守る義務を負っている、それがどんなに小さい物だとしても彼らは国民を守りその財産をも守らないといけない。

呂方宗助から得た情報は彼の了解のもとでなければ外には出せないし、それを守らなければ国民の財産を壊すことにつながる。

よってこの場で見たもの聞いたものは門外不出と言って良い。


「呂方君はこのデータを我が国のどこまで出して構わないと言っていますか?」

「今回は我々の前までだと認識しております」

「アメリカ側との契約はあちらの研究部と日本側は我々自衛隊までの開示で契約書を交わしております」三田

「分かった、ではこのファイルはすぐに金庫に厳重に隔離しておくことにしよう」

「かしこまりました」岩田

「だが彼はできるだけ我々の仲間になるように勧めてくれ」

「もちろんです!」岩田


陸上自衛隊赤松幕僚長はただ自衛隊の事を考えているわけでは無い、今の情況の中で一番良い方法を考えている。

この情報が他の省庁に漏れればそれこそ一人の少年が魑魅魍魎が跋扈する汚い大人の金にまみれた泥沼にどんどん引き込まれてしまうだろう。

そうなれば彼がどうなるかなど簡単に想像がつく、まあアメリカの大統領と一戦やり合う事ができる人間が汚い大人の餌食になるとは思わないが、大人として次世代の若者に対して夢のない未来を見せる事はできるだけ避けなければいけない。


「細かい話は後程うかがうとしよう、君たちも疲れているだろう本日はこの時間で両名には特別休暇を与える、ご苦労様でした」

「ありがとうございます、岩田一等陸尉退室します」

「ありがとうございます、三田三等陸尉退室します」


2人は敬礼をすると部屋を出て行った。


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