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帰宅

帰宅


帰りの便は一応直行便なので経由しないでそのまま東京へと帰ることができるがその時間は14時間半アメリカでは19日朝9時の便に乗るとアメリカ時間で夜12時に到着するが日本時間では20日の午後2時に到着することになる。

アメリカは日本との時差が地域によって違うので来るときに経由したLAでマイナス17時間、ワシントンDCではマイナス14時間になっている。


【宗助様何とか収まりましたね】ルミナス

【まあね、だけどアメリカがこれで済んでも他の国はそうはいかないと思うよ】


いまルミナスは俺の膝の上にいる、もちろん光学迷彩を発動したままなので誰が見てもそこには人形がいる事さえ分からない。


【お土産気に入ってもらえるかな~】

【食べ物多かったですね】


空港の免税品店で見つけたワシントンDCのお土産、一番はTシャツそしてバスソルトやチョコレートが数種類。

それらを4つずつ購入さらにチョコバーを10個ほど購入した、これは学友たちに配るためだ。

(絶対 東山や米田にお土産は無いんか、と言われるよな…)


【宗ちゃん】

【あ 母さんどうしたの?】

【今変な人が家の前に来てるんだけど】

【ちょっと待ってて】

【リリー映像を出して】

【かしこまりました】


人工衛星を介して映像を目の前に映し出す、そこには荷物の配達人とみられる人物が段ボールを手にしているが、通常ここまで入るにはインターホンで了解を得なければ入口の自動ドアも開かない仕組みのはず。


【リリー対応できそうか?】

【多分CN(中国)のエージェントの可能性が高いですね】


外部カメラの映像やエレベータ内のカメラ映像から人物を割り出す、今まで来たことのある配送業者の顔はすでに映像で確認できるのでそれ以外の人物と言うのは確実。

そしてその顔は以前、新築現場で写真を撮っていたバイク便の男と言う結論が出た。


【では光学迷彩を起動してスパイをロボ化してしまおう】

【かしこまりました】


リリーさんは転移装置を使って短距離ならば瞬間移動が可能になっている、宗助と違ってスキルではなく仮想機械に当たるため使用エネルギーは結構使うが、それでも50センチのフィギュアの短距離移動ならさほどエネルギーを食わない。

そして遠距離でもリリーさんを仲介してロボ化を使う事は可能だ、但し俺がロボ化を使う対象をしっかり認識していることが条件になっている。

そしてリリーさんが玄関の前にいるCNのスパイがいる最上階の外廊下に音もなく瞬間移動する。


【対象にスキル発動】

【完了しました、これから脳内の情報を取得します】


このスパイは結局末端の一人にすぎなかった、そして彼のようなスパイが他にも数十人いるそうだ。

上からの命令で班を作りチームで行動したり、単独で行動したりという形だ。

命令はその都度SNSやメールで連絡されると言う、普通に会社で仕事をしている、雇用形態は普通の会社員か又はアルバイト。


【隠しカメラは回収しました】

【有難う、でもこの人からは重要な情報を得られなかったな】

【そうですね、彼らのボスの情報が分かれば良かったのですが】


彼には今回の命令をちゃんとこなしたことにしてもらい、今後もCN側のスパイ工作員として泳がせることにした、もちろん彼の目の位置にはロボスキルで仮想カメラを設置して置く。

脳のロボ化を解除すると彼は周りを見回し少し頭を押さえながらエレベータに乗り1階へ、自動ドアから宅配人を装い表へと出る。

その姿を見て見張っていた自衛隊員が声を掛ける。


「おい、お前何してた あ こら!」


当然のことだが彼は逃げ出した、声を掛けたのは石神陸曹、どうやらこの日は彼が当番だったらしい。

だがマンションに入るところで声を掛けなかったのは少しの間、朝食を取るため外していたためだ。


「くそ!逃げられた」


CNのスパイは逃げ足だけは速かった、まあ彼らを捕まえてもそこにはスパイとしての証拠など何も見つからないのだが。

彼がスパイ活動として上から渡された超小型のカメラやマイクは最上階の廊下にある植え込みと消火器のボックスに取り付けられていた。

多分配達人として荷物を渡す際を利用して、隙を見て玄関内にも隠しカメラを取り付けようとしていたのかもしれない。


『もしもし石神です』

『高月ですどうしました?』

『例のCNスパイです、取り逃がしました』

『そう、良いわ逆に捕まえた時の方が問題が有るから』


自衛隊ができるのは質問だけだ、捕まえるのは警察の役目。

逆に相手と戦い捕まえた際に怪我でも負わせてしまえば責任問題に発展する。

見張っていても手を出せないのがもどかしいが、それは仕方のないところだ。


『引き続き呂方家の監視を継続します』

『よろしくお願いします』


今回もCNの情報取得は未遂に終わったが、この後重要なデータがアメリカ側に引き渡されたことを知り、数か国が情報合戦に加わってくるのは避けられない。

この日を境に各国の諜報部による情報戦はさらに過激になって行くのだが、果たして宗助は陰謀渦巻く情報戦をうまく切り抜けて宇宙人の侵略計画を破壊すことができるのだろうか。


敵の惑星へと行く事はできたが、これからの計画には少し手直しが必要になった。

宗助の持ち込んだデータによって惑星間転移装置は何とか順調に研究は進んでいるようだが、まさか敵の宇宙戦艦が後半年で又やって来るとは宗助も思わなかった。

早く止めなければ又大惨事が起きてしまう。

サバイバー達を仲間に引き込むこともこの状況では難しいが、フィギュアをロボ化したことで少し戦力が増した宗助の計画。

やはりカギは惑星リズにいる超越者達の動向だろう、この後彼は意を決して惑星リズに向かうが果たしてそれはうまく行くのだろうか?

次の章はサバイバーの歴史を少し紐解くことになるが、実はアイリーンの父はとんでもない人だったりする。

そして止まっていた百合奈との恋も進展するが、残念なのは肝心なところで各国のスパイに邪魔されることだ。

次はアイリーンの仕事場からお伝えしよう。


章の3 完

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