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ステーキハウス

ステーキハウス


食事はホテル内でも取れるが、外にもいくつかのレストランが有るので、一度荷物を部屋に置き予約してあるレストランで食事を摂ることになった。

まあ俺はどちらでもいいのだが、さすがに機内食1回食べただけなのでお腹は減っている。


「どこの店に行くんだ?」岩田

「ここではいっぱいお店ありま~す、ですがやはりアメリカン料理のお店にいきま~す」


ホテルを出て少し歩くといくつも店が並んでいた、どの店もこのあたりは割と高級な店のように見えたが、その中でも割とリーズナブルな店へとコーディが入って行く。

6人以上が座れるテーブルに通されると、そこにはすでにスプーンやフォークが用意されていた。

ウェイターが3名来て椅子を引いていく、それぞれに腰掛けるとすでにメニューは決まっているようだ。


「ステーキハウスか?」

「それかハンバーグレストランね」


運ばれて来たのは分厚いステーキとポテト、そして豆の煮込み。

ステーキの厚みは4センチ近くはあり、日本ではありえない大きさのサーロインステーキだった。


「コーディこれってあなたの趣味?」


どうやらお店のチョイスについて一言ジェシカは言いたいそうだが、確かに現在時間は夜10時を過ぎている。

本来ならば軽食で済ますはずだと思っていたジェシカはこの時間にステーキは無いと思ったのかもしれない。

だがすでに予約してあったようで、断るわけにもいかない。


「僕はステーキ好きですよ」

「そう、なら良いんだけど」


ちなみにここにはルミナスを連れてきてはいない、今は部屋のベッドでデイバックの横に座っている。

部屋は6部屋取ったらしく、始めは一人ずつ部屋をあてがわれたのではと思っていたが、それは別の理由からだった。


テーブルに料理が次々と置かれて行くと、我々のテーブルに2人のアメリカ人がやって来る。

いつの間に店の外には黒服が数人現れなにやらインカムで連絡を取っている。


「グデイーブニン」女性

「こんばんは」ジェシカ


コーディとジェシカはその女性達が近づくと立ち上がり軽く挨拶をするとジェシカは通訳を始めた。


「マイネームイズジャクリーンジョンソン、ナイスツチューミーチュー」

「初めましてお会いできてうれしいです、私の名前はジャクリーンジョンソンです」


まさかこの時間に直接大統領が近場のステーキハウスへとやって来るとは思わなかった。


「挨拶はこれぐらいでお食事をお楽しみください」ジェシカ(通訳)


大統領も席に着席するとその一角にはいつの間にかSPが2名付き、店の中を真っ二つに仕切ってしまう。


「ようこそワシントンDCへ、長旅疲れたでしょう、今日はホテルでゆっくり休んで下さい」ジェシカ(通訳)


まずは日本から来たお客様を一度見ておこうと言う事か、そして大統領はにっこりと微笑み特に俺の方を見て目を見開いた。


「マイヒーロー」

バチコン!


まさか大統領にウインクされるとは思ってもみなかった。

この一連の行動には意味があった、どうやら政治的な匂いがプンプンして来る。


【どうやら今回の宗助様が持ち込むデータが彼女の人気を後押ししているようです、もちろんハッキングアプリや宇宙戦艦のデータ改ざんというようなお話もありますが、宗助様を味方につけ◇▽党を後押しするように利用したいようです】

【そうなんだ】

【どうしますか?】

【いや、何もしなくていいよ様子を見よう】


ハッキングアプリそして惑星間転送装置、さらに人口子宮などと言うようなデータの数々。

うまく交渉がまとまれば、政権にとってかなりのプラスになることは確実だ。

そのために高校生1人を味方につけるだけで良いのだから。

今期のアメリカ大統領は金髪碧眼の55歳ジャクリーンジョンソン、元弁護士であり代々議員の家系。

女性大統領としては2人目であり当選してから今年2年目になる、そして後2年半の任期が有る。

実は政敵である〇×党が最近人気を上げており◇▽党としては各州での得票率が下がっていると言う。

そこで今回の宇宙戦艦騒ぎでは何とか巻き返したいと言う話になっていた。

軍事関係の話では女性大統領に分が悪い、だが日本の自衛隊との橋渡しで惑星間転移装置のデータを入手、そして輸送の部門での発展を考えるとそこに党の利益が見えてきたと言う所。

さらに今進めているジェンダーな話も乗っかり人口子宮と言う話まで出てくれば話の方向によってはさらに票を増やすことも可能になって来る。


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