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惑星リズの超越者

惑星リズの超越者


宗助が訪れ情報を与えてからすぐに超越者の中で会議が行われた、会議と言っても彼らのコロニーに暮らしているのは現在2千人未満。

今では6つほどのコロニーにまで増えている、各コロニーに指導者がいて10数人からの管理者からなる社会を形成していた。


《それで その他の惑星から来た超越者はなんと?》アーロン

《この星に8か月後宇宙戦艦が帰還と共に我々の星を攻撃すると言う話だ》プロン

《それでは俺達も攻撃対象じゃないのか?》ジロム

《いや彼の話では船が所属するドック及び周辺都市への自爆テロに近い》

《それでも相当な被害が出るのでは?》コートン

《だからそれを我々はどうするのかという話だ》


6つのコロニーにはそれぞれ300人程度の超越者が住んでいる、マザーの支配から逃れて周辺都市から最低1000k離れた未開の土地を開発開拓して今まで暮らしてきた。

勿論地下に住んでいるし、自分たちが住んでいた都市へは一定の期間で潜入したり、仲間と連絡していたりもする。

超越者となっても元の都市へのかかわりが全くなくなることは無い、それぞれの都市には今でも数人のスパイが潜入している。

そうしないと仲間を増やすことも食料を調達することもできない。

惑星リズの都市人口は通常100万人そして同じような形で100か所ほど存在する、市民の半分がコールドスリープで眠らされ食料の自給を制限されている。

実際に生活しているのが30万人、彼らはマザーの命令の元日々忙しく職務をこなしている。

その中に超越者がいた場合前にも書いた通り、最初は隠すことになるが超越者達の中にはその超越者を感知し見つけ出す能力を持つ者がいる。

超能力とは?彼らの場合全員が持つのは念動力テレキネシス脳波通信テレパシーの2つ。

当然のことながらこの力が強くなり超越者、要は上位能力の発現となる。

それは自らが持つオーラ(気の力)の増幅、気力の増大はさらなる能力を生み出す。

新たな能力の発現が後に探査や調査の能力へと発展、一般市民から超越者を選別すると言うような力を見つけ。

それらの能力を発現すると仲間を作るためのスパイとなって活動し、新たな超越者を自分たちのコロニーへと連れて来るわけだ。

勿論無理強いはできないが、力は徐々に強くなりいずれ超越者だと言う事がばれてしまうと説得すれば、仲間になることを考えない者はいない。

デッドオアアライブ、生きる為には知恵を絞らなければいくら能力者でもすべてうまく行くわけでは無い。


宗助が接触したコロニーは惑星リズのサード、3番目のコロニーだ。

昔はもっと都市寄りにコロニーが有ったが、あまりに近い為怪しまれて殲滅部隊にやられる危機に陥った。

事前にスパイから知らされていたためすぐに他の場所へと移動し助かったが、それからは必ず都市から千キロ以上離れた場所にコロニーを作るようにしている。

そしてサードコロニーには今278人の超越者が住んでいる、このコロニーのトップはアーロンと言う御年207歳の老人だが、その姿はどう見ても30前後にしか見えない。

そしてその配下に10人のリーダーがいる、10人の役割はそれぞれ違う。

食糧調達、自治及び法律、探査及び調査、移動と倉庫、潜入と偽装、コロニー伝達と通信、コロニー工作、出生医療、衣住工作、能力者選別。

と言った風にそれぞれが得意な能力を生かしてコロニー―を運営している、宗助が接触したのは探査及び調査管理のリーダーであるプロンと言う男で、彼は89歳のベテラン調査員だ。

この仕事分けはどのコロニーも同じでは無く、それぞれ所属している能力者によって多少変化する。

全く同じ能力持ちの超越者がそうたやすく何人も発生するわけでは無い、それぞれに違う能力を発現しているのだから役割もコロニーにより違ってくる。


アーロン207歳♂ サードコロニーの指導者

プロン  89歳♂ 調査探索主任

ジロム  55歳♂ 自治法責任者 いわゆる警察

コートン 49歳♂ 衣食住 生活主任

マトン  29歳♀ 倉庫管理者 空間能力者 コロニー2世

アリナ  66歳♀ 出生と医療 医療従事責任者

クリシュ106歳♀ 伝達通信 他のコロニーとの連絡や潜入調査員との連絡

バーナ  72歳♂ 能力者の選別、訓練 

マリリス 19歳♀ 食料調達  コロニー3世

トートン166歳♂ 衣住工作 創作能力

シトリン 39歳♀ コロニー強化、地下空間維持能力 コロニー2世


超越者になって町から離れると言う事は自分たちで全て賄わなければいけないと言う事。

今まではマザーの言う通りしていれば生きていけたのだが、超越者になりその支配下から離れる事になればそうはいかない。

だがこの星はすでに500年が経ち超越者達のコロニー生活も200年が過ぎようとしている。

現在は植民地化した他の星からの物資でようやく保っているような物、彼らの生活もカツカツになりつつある。


《第12地区のスパイによると新しく見つけた星は何とか移住できそうだと言うが》シトリン

《いやもうそのぐらいでは我々まで食料は回ってこない》バーナ

《そうよ もうこのままでは終わりが見えているわ》アリナ

《それで その他の星の能力者は信用できるのか?》アーロン

《それは分からない》プロン

《そんなどこの誰かも分からない奴の言う事を信用しろって言うのか?》ジロム

《待って、そういえば何日か前どこかの星に殲滅しに行った宇宙戦艦がわずか2時間で帰ってくるようにプログラムが変更されたと言っていたわ》クリシュ

《もしかしてその星の超越者か?》

《その可能性が高いわね》

《そうかその者は我々を味方につけてこの星を乗っ取るつもりか》

《いやそれは無いぞ我々の住むこの星はすでに物資は枯渇寸前だ》

《一度その者と話してみないとはっきりとした答えは出ないな》

《それでそいつの能力は分かるか?》

《いや分からなかった…》

《目に見えず毒の大気でも平気でしかも惑星間転移してきた能力者…その者は一人で来たと言っていたんだな》

《そう言っていたが、そいつ以外に他の生命体は確認できなかった》プロン

《うむ、おまえが言うならば間違いないのだろう》

《どちらにせよ我々はこのままではいずれ終わる、その前に他の星へ移住するかもしくはクーデターを起こすしか我々に生きる道は無い》アーロン


超越者達にとってこの星はさほど良い場所ではないが、このままではどちらにしても良い未来は望めない。

宗助にとってみれば彼らが仲間になる方向へと舵を切ってくれることが望ましいのだが。

超越者にとっては宗助が味方かどうかだけでなく懐柔しそして利用できるかという事も選択肢になる。

出来れば無駄な争いは避けたいところだが、もともと彼らにはマザー配下の時代に得た記憶以外には今まで独自に得た知識しかないのだから。


《そうか20日後か…》

《そいつの能力が分からない以上警戒は怠らないようにせねばな》アーロン

《それは当然だ》

《それで向かい入れてどうする?》

《まずは5人で接見しよう》

《そういう形か、良いだろう》


5人、もちろん全員男性で応対し、その5人共に複数の超能力を有する。

中にはかなり危険な能力を持つものもいる、例えば即死能力。

アニメや漫画でもたまに出て来る能力ではあるが、その能力については多く語られていない。

単純に超越者らの中で即死能力を持つ者とは、ピンポイントでの高威力念動力発現者となる。

例えば心臓の壁に対してたった2センチの念動力を使う事が出来ればそれで相手に死を与える事が簡単にできる、そういうピンポイントで対象の生命体を殺傷できる能力を指す。

中には肺に対して空気を全てなくしてしまうと言うような力を発したり、有害な気体(一酸化炭素)を対象の肺へ多量に発生させたりと言ったような能力。

それらが即死能力の基本となる、それは念動力の高位能力となるので。

そう言う能力を身に付ける人間が後天的に出て来る可能性は元々あり得る。

だがどちらも宗助にとっては脅威ではない。

宗助はロボ化により心臓も皮膚もその強度は鋼鉄より硬くなっている、外見からではそれが分からないのが強みだが。

中には気を付けなければいけない能力者もいる、そう転移能力者がいた場合その人物に壁や土の中へ転移させられるとかなり厄介になる。

どちらにせよ多くの場合宗助にとってそれほど危険性が無いのが救いだ。


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