約束
約束
《俺だけの判断ではすぐに答えは出せない》
《そうだよな》
《次はいつ来れる?》
《来月、この星の数え方で20日後》
《分かったそれまでに答えを用意しておこう》
《それでは》
《期待はしていないけどな》
最後にアルファとベータの笑顔と俺が親しく話す姿を映像で見せてやった。
言葉が通じるならまだ何とかなる、彼らを味方に付ければこの星を無害で建設的な星に作り替えられる。
【宗助様、うまく行きましたね】
【ああ だが彼らの仲間は千人いるのだから楽観はできないと思うよ】
人が多くなれば多数決で物事を決めるのが地球での普通の考え方だが、今まで物事を合理的に進めて来た宇宙人たちが俺の話を聞いて果たして信じてくれるかはまだ分からない。
今回話しをした彼がどれだけ影響力を持っているか、その中で彼がリーダーシップを取れるかも計画の成否を分ける要因になる。
俺は一度惑星リズの地上に戻ると前回のように惑星の成層圏まで移動し地球の軌道を周っている月へとテレポートした。
【そうなると次は母に連れて行けと言われそうだな…】
【そうなる確率が70%です】
【困ったなそうなると昼間に来ないといけないかもしれない】
夜に夫婦の寝室から母だけいなくなる状態、それを父に知られてしまったらどうなるか。
それを回避するには2つの方法が有る、一つは昼間父が仕事中に母を連れ出すか もう一つは父の頭脳を一時的にロボ化しスターテレポート中だけ夢の中にいてもらうかだ。
月で身の回りの埃を浄化し有害物質を取り除くとカモミーメイトを2つ消費しいつもの公園へと戻って来る。
街灯の下にはペンキの禿げたベンチが一つ、2か月前にでこぼこにした土はあれから少しして全部なだらかにしておいた。
ロボ化と宇宙人の情報から得た重力操作のシステムを使い2メートル四方の範囲指定でプレス機を作り夜中にこっそり穴をつぶしておいたのだ。
今は前よりかなり地面が硬くなってしまったのは仕方がないが、確かにあのでこぼこは誰もがその理由を知りたくなる有様だった。
それからはもっと遠くの河川敷まで出向いて実験するようにしている、もちろん瞬間移動で移動してからだ。
【ただいま】
【おかえり どうだった?】母
【何とか向こうの超越者とコンタクトできたよ】
【それで?協力してくれるって?】
【母さん急がないでよ】
【え~早く知りたいじゃないの~】
【まだ分からないよ、接触したのは一人だし】
【そうなの?】
【一度にたくさんの宇宙人に会ったらそれこそ危険だよ】
【あ~そうよね】
【次に会うのは33日後にしたよ】
【次はもちろん私も連れて行ってくれるのよね?】
(やっぱりそうきたか…)
【そうなるといくつか条件が有るんだけど】
【条件って?】
【夜は父がいるからダメでしょ】
【そっか…】
【そうなると昼間に俺と母さんだけの時間を作らないといけないよね】
【あ~そうよね…そうなると土日か又は祭日の昼間かしら】
【それに来月はUSAに行く予定もあるし】
そう来月11月の中頃には2泊前後の予定でUSAへ行き向こうの高官と接見する予定になっている。
相手が大統領かどうかまでは今のところ分からないが、近日中にもその日取りが決まるだろう。
惑星リズへ行くのはその前かそれとも後か、俺としては又一人で惑星リズに行きたいのだが…
【そうなると渡航の方が先かしら】
【そうなる可能性が高いよ、まあアメリカに行くのは普段の日でも構わないんだけどね】
そう2日ぐらいの休みならば普段の日でも構わない、それに一度渡航してしまえば帰ってくるのは一瞬なのだから。
緊急事態であればテレポートで戻ってくることも可能だ、だがそれは最後の手段であり必ず向こうへ戻ってから飛行機でこちらへと戻らないと又おかしなことになる。
日本からアメリカへ行くには飛行機で最低10時間かかるとみて良い、但しLAで接見するかはまだ決まっていないし。
通常大統領はホワイトハウスにいるものだ、当日仕事でLAへ来ているのならすぐに話はできるが、場合によってはLAからワシントンまで飛行機を乗り継いで行かないといけない可能性もある。
ワシントンからロサンゼルスまでは5時間近くかかるので、あちらの都合により日程はずれ込んでいく可能性もある。




