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妹は見た

妹は見た


「ねえさっき誰と話してたの?」

「ああ友達とだが」

「ふ~ん、それでトレーニングは」

「大体終ったよ」

「何かこの公園穴がいっぱい開いてない?お兄ちゃん何かした?」

「そうか?子供がいたずらしたんじゃないか」

「そう? あ そうだおにいちゃんママから伝言、買い物行って来てだって、はいお金とメモ」

「おまえもしかして、自分が頼まれたんじゃないのか?」

「…」


実に分かりやすい、俺が問いかけたとたんに目が泳ぐ、さらに直ぐ立ち去ろうとするので、追い討ちをかける。


「ちょい待ち!」

「なによ!」

「もし俺が買い物へ行きそのまま戻ったら愛菜の信用が下がるんじゃないか?」

「え~なんでよ」

「だっておまえは頼まれた用事を丸投げした事になるだろ」

「だって~」

「それで俺に買い物丸投げして何処に行くんだ?」

「なんでおにいちゃんに言わないといけないの?」

「じゃあバラしてもいいんだ?」


実は彼女が何処に行くのかすでに検討はついている、それはカラオケ屋さん。

駅から少し歩いたところに(阿吽の壱)と言う和風のカラオケ屋さんがある、そこが彼女らのたまり場だったりするわけだ。


「どうせおにいには私が何処に行くか分かんないでしょ?」

「阿吽の壱」

「ど…どうしてそれを」

「あのさ~おまえんとこの学生服きた子達がいつもあそこに入り浸っている事ぐらい知ってるんだよ、俺も行った事あるし」

「…いいじゃんお休みなんだし」

「だめだなんて言ってないだろ、でもどうすんだ、自分のお使い丸投げで印象が悪くなって小遣い減らされるかもよ」

「え~~、じゃあどうすんのよ」

「友達はもう店にいんのか?」

「まだだけど」

「じゃあその前に買い物済ませておれが手伝った事にして持って行けばいいんじゃね」

「いいの?」

「2人で行けば早いだろ」

「分かった、じゃ直ぐにいこ」


俺は妹を説得し近くにあるスーパーマーケットへと足を運んだ、俺がこのスーパーへくるのは久しぶりだった。

先日まで入院していた事もあるが、俺はあまり母の買い物を任された事が無い、たぶん母は意図して妹に買い物をさせようとしている。

それはたぶん意味のある事なのだろう、いつか母に聞いてみようと思うが。


「で今日の買い物は?」

「ブタと牛のひき肉・たまねぎ・にんじん・わかめ・ブロッコリ・レタス・など」

「じゃ最初は野菜だな」


カートを動かし買い物籠を乗せると野菜売り場へと移動する。


「あ~だめだよ、ちゃんと選ばなきゃ」

「え~時間無くなるよ」

「そんなに時間は経たないよ、ちゃんと選ばないとおまえも食べるだろ」

「うん」


選ぶといっても高校生と中学生にそれほど生鮮食品のよしあしが分かるはずもないのだが、今俺の頭はネットともつながり、野菜の選び方の情報が入ってきたりする。


「ああたまねぎは、ここを見るんだ」

「そうなんだ」


などと今までなら知らなかった事まですらすらと出てくるが、妹はそれほど不思議に感じては居なかった。


「これで最後だね」

「な そんなに時間は掛からないだろう」

「ほんとだ30分も経ってない」


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