表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もしも強さを数字で見ることができたなら  作者: 角刈りチーズ
第5章 最強の証明編
83/90

第11話:反撃の狼煙

最初に動いたのはバロムだった。


「ー蹂躙せよー”衛星連弾サテライトキャノン”」


バロムから白い無数の光が発射される。


「”原子壁(アトムウォール)”!その技は見ましたよ。」


ローエンさんが唱えると、後ろの物体からキーンと耳をつくような音が鳴る。

その瞬間、白い球の先端に突如小さい壁が出現した。

しかし、光は壁にぶつかった瞬間、壁を吸い込んで消し去った。

そして、勢いそのままにこちらに向かってくる。


「!?」

「そのままの技なわけないだろうが!」


バロムが当たり前だといわんばかりに叫ぶ。

飛んでくる光に対して、父さんが前に出る。


「ー枯渇せよー”吸魔境界(ドレインエリア)”」


父さんが地面に両手を当てると、そこを中心に黒い円が発生する。

白い光が円の中に入った瞬間、どんどん消えていく。

どうやら光の弾の魔力自体を吸い取って消失させているようだった。

父さんがすべてを吸いきる前に、バロムは目の前で切りかかる体勢に入っていた。


「予想出来てるに決まってるだろう馬鹿が。」

「・・・それはこちらも同じだよ。」


父さんがそういったと同時に、バロムの切り裂きが直撃した。

父さんの体が切り裂かれてる。

しかし、吸魔境界(ドレインエリア)は消えずに光の弾をすべて消し去った。

父さんの切り裂かれた体は靄のように風に流れて消えていった。


「なに!?おい!指輪!」

『なるほどな。魔族も進化するか。』

「はぁ!?」


バロムが動揺している間に、いつの間にか父さんが剣を突き立てている。


「さすがに初見の魔法は読めないだろ。”吸魔剣(ドレインソード)”!」


父さんが突き立てた剣が黒く光る。

バロムの魔力がどんどん剣に流れていく。

ローエンさんがすかさず魔法をかける。


「”原子牢獄アトムケージ”」


バロムの全身が四角い箱で覆われる。


「この程度で・・・縛れると思うなよ!」


バロムがそう叫ぶと箱がはじけ飛ぶ。

その衝撃で父さんも後方に飛ばされてしまう。


「くっ!」

「手負いでなんというパワーなんですか・・・」


バロムが吹き飛ばした瞬間、今度は後ろから魔法が聞こえる。


「ー時よ止まれ!ー”永劫凍結エターナルブリザード”!」


サクラが自身の最大火力になる魔法を詠唱していた。

バロムの位置から後方遠くまでが一瞬で氷に包まれる。

しかし、奴には当たっていなかった。

瞬時にサクラまで距離を詰めてくる。


「その魔法は知っている。」

『バーバリアの娘っ子、ついに使えるようになったか!』


バロムがサクラに向けて振りかぶる前に、ジムが割って入ってくる。

ジムの手には何やら筒状機械が握られている。


「だったらこれはどうだ。”烈風迅雷ウインドバースト”」


ジムの手の機械から帯電した風が噴出される。

風は回転しながら光線のように鋭く線状にバロムの体に突き刺さる。

けたたましい衝撃音が鳴り響いた。

バロムが少しよろめく。


「ええい、鬱陶しい!」

『いいね!オリジナルのアーティファクトか!』

「・・・っ貴様はどっちの味方なんだ!」


バロムが自身の籠手に向かって怒鳴る。


『おれは誰の味方でもない。ただの知識そのものだ。』

「ちっ!」


籠手の返事にバロムが苛立ちを隠せない。

その隙を父さんたちは逃さなかった。


「”吸魔剣(ドレインソード)”」

「”原子剣(アトミックソード)”」

「このぉぉ!」


2人の斬撃がもろに入る。

私も協力するため、一気に距離を詰めて切りかかる。


「ー我が拳を燃やせ!ー”黒炎・六華真斬”」


6発すべての斬撃に手ごたえがあった。

だが、切ったというよりも、叩いたという表現が正しかった。

バロムの体表に多少の傷こそついたが、血が流れるようなレベルではなかった。


(なんて硬さなの。)


私たちが次の攻撃へと構え直すのよりも先に、バロムが地面に魔法を放つのが早かった。


「ー創造の叫びー”惑星爆発(ビックバン)”」


バロムを中心に一瞬目がくらむほどの閃光が広がる。

息つく間もなく、凄まじい爆発が巻き起こった。

バロムと至近距離で大事していた私たちは直撃し、吹き飛ばされた。


「うわあああ!」

「くっ!」


吹き飛ばれててすぐ、壁に打ち付けられた感覚がする。

全身に傷みが駆け巡り、立ち上がろうとしても力が入らない。

骨が折れたかさえも確認できな過多。

しかし、そこは私も魔族の血を有している。

少しずつだが徐々に体が回復していくことを実感できた。

爆発によって砂煙が舞っていたが、少しずつ晴れていく。

徐々に、みんなの姿が確認できる。

ジムとサクラ、ジョシュアさんを見ると、目の前に父さんが立っている。

どうやら3人の盾になったらしい。

父さんも魔族なので、傷は回復し始めているようだが、ダメージは大きいようだった。

ローエンさんもよろよろと立ち上がり始めているのが見える。

だが、回復の度合いは芳しくなかった。

砂煙が濃い中心部が晴れてくる。

そこには無傷のバロムが堂々と立っていた。

ジョシュアさんが付けた傷はもう完治していた。


「いくら魔族と言えども、回復にそこまで力を使っては・・・次はなさそうだなラーシェン。」

『なかなか面白かったぞお前たち。』


バロムは余裕そうに構えている。


「次はないって?」

「お前は半魔なのに何も知らんのだな。永遠に回復できるなんて、そんな夢のようなものがあるわけないだろ。」

『魔族の回復力は魔力によって成り立ってるだ。元々魔族は魔力が多いから忘れられがちだが、でかいダメージを何度も食らうと、魔力の底が見えるのさ。』

「いちいち説明せんでいい!」


一気に焦る気持ちが沸き起こる。

てっきりバロムと魔族である私たち3人の戦いは長期戦になると思っていた。

ところが、ローエンさんの状態を考えると、回復に回せる魔力が乏しいのではないか。

父さんも私も、今の攻撃で相当回復に使ったはずだ。

なのに、相手は無傷である。

惜しいと感じる攻撃もなかったのだ。


(・・・勝てない。)


すぐそこまで敗北が迫っていた。

一瞬頭によぎった言葉が顔に出たのだろう。

バロムは満面の笑みで私に笑いかけてきた。


「いい顔をするじゃないかレイア=スレイン。さあ、次は俺の番だな。」

全知の指輪持ちにどうやって攻撃をあてるか、それを考えた結果私の中での結論は2つです。

持ち主が認識できないレベルの攻撃か初見の攻撃です。

現状フィジカル面は圧倒的にバロムなので、後者で話を書かせていただいてます。

相当強い表現でバロムを書いていたつもりなので、当然3人の魔族が協力してもこんなもんですよ。

ここでダメージがはっきり通っていたら、キーラやジョシュアは何してたんだってなりますので、基本的にダメージは通しませんでした。

ジョシュアが付けた傷に関しては、そこを足掛かりに~としたいのはやまやまですが、バロムも魔族ですから。

もちろんどんどん回復しています。

話している間にもね。

なので、あまり主として描写しませんでした。


魔族の回復力についてはそうしておかないといけない設定だったので、ここで明言しました。

永遠に回復できるなら、なんで今まで魔族は負けたの?となりますから、上限は設定されるべきだと思っています。

もちろんバロムはもう底知れない魔力量なので、限界はほぼないと言えますが。


ゴア王が完全に空気になっていますけど、戦闘には参加しない、厳密にはできないというのが正しいところですね。

自身の実力を本人がよくわかってるということです。

ただ、この戦闘の場にいるからこそ、生き証人としてのちのち動いてもらえるというのはね・・・ありますよね。


次回はみんなぼこぼこにされてもらいます。


今回も読んでくださった方々ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ