第1話:包囲網
ジョシュアSide
カインを探すために呼び出されていたわしらは、急遽呼び戻されていた。
いや、厳密には出発前にローエンから頼まれていたことだ。
便りがあったら早急に王宮に戻ってきてほしい、それが彼が頼んできた内容だった。
行方不明になったカインを探すために、3部隊結成された。
第1部隊は自分とダイム=ジャクソンの2人、主に国内を中心に足跡をたどっていた。
第2部隊はレン=スレインとダリア=ルータムの2人、主に国外にて捜索を行っていた。
ほとんどの時間旅をしている2人にとって、国外の捜査は容易極まりないことであった。
しかし、1週間たってもカインは見つからなかった。
そんな折に、魔族の動きについての噂をダイムが仕入れてきた。
3か所怪しい動きをしている地域があると。
藁をもすがる思いで、捜索隊はそれぞれの場所へと向かった。
3か所あったため、第3部隊が結成された。
メンバーはレイア=スレイン、サクラ=バーバーリア、ジム=ターナー、アーク=バトンの3人だ。
珍しい組み合わせだが、カインと親しかった3人にお目付け役が付いたと考えると納得だった。
というよりも、アーク以外の主要なメンバーは出払っており、ついて回れるものがアークしかいなかった。
(あやつがOKしたのは以外じゃったの。)
アーク=バトンはほとんど公の場で活動しない変わった人間だった。
わしもまともに姿を見たのは人魔戦争のときと、先のバルト平原の時のみでほとんど交流はなかった。
(悪いやつではなさそうなんだがの・・・どうも怪しい。)
わからないところ、知らないところがあまりにも多い人物だった。
3か所の探索に出かける際、ローエンに呼び止められた。
「これをもっていってください。」
「ん?連絡用の文か?」
「ええ、魔法で形成されている文です。私が念じると、すぐさま相手に伝達されるようになっています。」
「便利なもんじゃな。」
「全くです。・・・これで連絡したらお二人は王宮に戻ってきてください。」
「理由は聞いても?」
ローエンからの提案にダイムが割って入って質問する。
(わしも疑問じゃな。)
「それも策の一つ、今はそうお答えしておきます。」
「説明はしてもらえないと?」
「まあええじゃないかダイム。ローエンのことじゃ、信頼せい。」
ダイムが食い下がったのでなだめた。
カインがの命が危ないかもしれない状況だ、時間をかけたくなかった。
ローエンが今まで考えなしの作戦など提案したことがなかったので、わしは説明が不十分であっても、十分に信頼していた。
「私も別に信頼していないというわけではないですよ。ただ、知っておいた方が何かと動きやすいと思っただけです。いいですよ、信じてますから。」
「そう言っていただけると助かります。」
ローエンが不適に笑った。
(またとんでもない作戦を考えとるなこやつは。)
ローエンとももう長い付き合いだ。
ゴア王が就任したときに急遽任命された男。
まだ当時自分が若き騎士団長と呼ばれていた頃だ。
別に貴族出身というわけでもないのに、素養の高さが抜群だった。
また、有する知識は誰もが驚愕し、発現される作戦には度肝を抜かれてばかりだった。
最初懐疑的だった者も、その実力を目の当たりにして、すぐに考えを改めた。
そんなローエンから出発前に言われていたように連絡があった。
「早急に王宮に戻られたし。」
理由も何もない、ただただ戻るようにとの連絡だった。
ダイムと2人だったこともあって、担当している箇所の捜索は滞りなく完了していた。
魔族の気配といわれていたが、何も感じられなかった。
ここには何もないなと結論付けようとしたちょうどその時、文が発動したのだ。
(この場を見ているかのように完璧なタイミングじゃな。)
ローエンの読みの力に感心しながら、ダイムと急いで王宮へと戻っていった。
王宮に戻るとデルタが入り口で待ち構えていた。
「・・・王がお待ちです。」
「わかった。」
正直理由はわからないが、ゴア王まで絡むほどの重要な案件となるとは予想だに出来ていなかった。
(一体何のために呼び戻されたんじゃ・・・)
デルタに連れられたダイムとともに謁見の間に入った。
王がすでに待っており、少し前方ににローエンが控えている。
王のそばにはリンドベル姉弟が控えており、意外にも王を挟んでローエンの逆の位置にキーラが立っていた。
(なんでこやつがおるんじゃ?)
キーラは基本的にソロで活動するリザードマンである。
前回の帝国との戦争はキーラ自身にも因縁のある国だったため参加してきた理由は分かったが、今回ここにいるのは意外だった。
「呼び戻してすまなかったな2人とも。」
「お待たせいたしました。」
ダイムと2人頭を下げる。
「2人とも楽にして構わん。さて、早速だがジョシュアよ、こっちへ寄ってくれないか。」
「は、はい。」
急な呼びかけにわしは頭に?を浮かべながら王に近づいていった。
わしが王に近づきダイムから 距離が出来たその瞬間、ローエンがさっと腕を動かすとダイムの足元が光り輝く。
次の瞬間、地面から光りの鎖が飛び出してきて、ダイムの体に巻き付き拘束していく。
「な、何事ですこれは?」
わしは突然の出来事に思わず叫ぶ。
それに答える間もなく、ゴア王が重い口調でダイムに向けて語りかける。
「ダイム=ジャクソン、お前を逮捕する。」
大変お待たせいたしました。
お盆休み普通にお休みさせていただきました。
ゆっくり休むことで、リフレッシュして書き始めることが出来ていると思います。
きちんと第5章を最終章として進めていきます。
エンディングまでの流れは事前に軽く、いや今回は割としっかり書きました。
本章に関してはそれをしっかりと書き起こしていくのが主になると思います。
脱線的に話を膨らませるのは、すでにやった後なのでそれないと思います・・・たぶん。
割と最後の戦いだけなので、シンプルにすっきりまとまる予定ではいます。
久々の更新、かつ最終章の始まりということで、軽いおさらいみたいな書き出しにさせていただきました。
久々に読んだ人でもわかるような、そういう配慮です。
少し思い出しながら読んでいただけたら、それは私の意図通りなのでよかったなと思います。
第1話からかなり攻めたスタートにしましたが、第4章の終わり方から考えると最初からエンジン全開で行く必要があるかなと思いました。
まずはローエンのターンです!
本当に最初書き始めたからこういう構成で、この章を最後にしようと決めていましたが、無事にここまでこられてほっとしています。
本当に継続して読んでくださってる方々ありがとうございます。
最後まで走り切らせていただきますので、もうしばしお付き合いください。
今回も読んでくださった方々ありがとうございました。




