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もしも強さを数字で見ることができたなら  作者: 角刈りチーズ
第3章:帝国戦争編
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第18話:キーラVSブリッツ

キーラSide


キーラとブリッツの戦いは拮抗していた。

ブリッツは片手剣に盾という騎士として標準的な装備を使用しており、意外にも守りに関しては固かったのだ。


「あんた、そういう戦い方なんだね。意外と小心者なのかい?」

「好きに言ってろトカゲ野郎。」


(さすがにこんな見え透いた挑発にはのらないか。)

キーラは若干攻めてに欠けていたのだ。

ブリッツは近距離では固いガード、距離が開くと魔法を組み合わせてきた。

リザードマンが魔法が苦手だというところから、魔法主体の攻撃スタイルに変えているのだ。

拮抗した状態を変えるべく、先手を打ったのはブリッツだった。


「ー踊れ雷撃!ー”雷球弾(サンダーショット)”」


複数の雷の球が表れて、キーラに襲い掛かる。

横に避けようとするが、キーラを追尾してくる。

(なるほどね。)

キーラは一気に距離を開き、雷の球に正面から向き合う。

そして当たるギリギリのところで躱していく。

急に標的の位置が変わった雷の球は急激な方向転換をするため、ついつい曲がる軌道が膨らんでしまう。

その結果、壁や地面に当たって弾けていた。

キーラが避けきるのと同時に次の魔法が飛んでくる。

避けられることはさすがにブリッツも織り込み済みである。


「ー炎よ貫けー”炎槍(ファイアランス)”」


キーラがギリギリで避ける影響で、体の位置がぶれないのを見越し、直線に飛ぶ魔法を放つ。

(甘い!)

キーラはカッと目を見開き、地面に向かって思いっきり伏せる。

ほぼ完全な腹ばいの状態で高速に横移動をして見せた。


「なんだその動き!?」

「あいにく私はトカゲなんでね。」


一気に距離を詰めてラッシュをかける。

ブリッツも盾と剣を使って器用に捌く。

キーラの攻撃に合わせて器用に弾き返すと、キーラは勢いそのままに、ぐっと力を溜める。


二連回転蹴(ダブルサマーソルト)


高速で横回転しながらの二連蹴りである。

ブリッツは盾でしっかり初撃を受けたが、力を溜めた勢いを殺せずにそのまま二撃目も立て続けに受ける。


「ちぃっ!」


キーラの勢いが強く、体勢が崩れる。

キーラはそれを見逃さなかった。

(ここは決める!)


「・・・六華真斬!!」

「!?」


同時に六ケ所、爪撃が襲う。

ブリッツは半分は防いだが、残り半分は直撃した。

深い切り傷がブリッツの体に刻まれる。


「ぐうう・・・なんだその技・・・お前剣士じゃねえのに変な構えしやがって。」

「ふっ、私の必殺技でね。残念だが勝負あったようだな。その深手ではもう防げまい。」

「ああ、このままだと俺の負けだ。残念だがそれは認めてやる。・・・だが、これで終わりじゃねぇぞ!」


ブリッツはデーモンポーションを一気に飲み干した。

(まあ当然持っているわな。・・・ここからが本番だな)

先ほど受けた傷が見る見るうちに回復していく。

ブリッツの目は赤く光り、筋肉の張りが増していることが、服の上からもわかる。

魔力もけた違いに伸びており、体からあふれ出している。

(話には聞いてたが、こうやって見るとすさまじいな・・・)

キーラにも作戦に参加する以上、事前にデーモンポーションの話は聞いていた。

筋力と魔力を増加させ、超人的な回復力を生み出す薬・・・まさに夢のような性能だった。


「ハッハッハ。こいつはやべぇぜ。とんでもねぇ薬だな。」

「・・・・・・」

「ビビってんのか?安心しろよ、せっかく使ったんだ・・・たっぷり楽しんでやるぜ!」


ブリッツが飛び込んでくる。

(速い!が、まだ私の見切れぬ速度じゃない。)

キーラの得意は肉弾戦である。

強化されたとはいえ、ぼろ負けするつもりはなかったた。

しかし、ブリッツの攻撃を弾くつもりで合わせたとき、驚愕することになる。

先ほどよりも鋭いブリッツの攻撃にキーラは蹴りを合わせた。

しかし、先ほどまでのように弾けず、むしろキーラが力負けして体勢を崩されていた。


「なっ!」

「おらどうした!」


体勢を崩されたところを盾で殴りつけられる。

想像以上の衝撃がキーラを襲う。


「がはっ!」


キーラは軽く吹っ飛ばされて壁に激突した。

(・・・まさかここまでパワーが上がってるとは。これは正面から受けれない。)


「いや~こいつは気分爽快だぜ。あのキーラ相手にパワーで殴り勝てるなんてな。一撃入れただけでこのざまだぜ。」


ブリッツは自分の圧倒的有利を確信して余裕たっぷりに笑っている。

(こいつ・・・もう勝った気でいるな。)

しかし、これはキーラにとってチャンスでもあった。

ブリッツの調子に乗りやすい性格は油断を生みやすかった。

キーラは地面に血交じりのつばを吐き、口を拭う。

そして頭の中で考えた作戦をもとに、ブリッツとの距離をじりじりと詰め始める。

ブリッツもそれにすぐ気づく。


「そうやって簡単に折れないところが遊びがいがあって最高だな。」

「・・・・・・」


キーラは集中していた。

1撃もらうだけで相当なダメージを受けてしまう以上、すべての動きを研ぎ澄ます必要があった。

(どんな再生力があろうと、殺しきれば関係ないはず!)

幸いにもブリッツの動きは見えていた。

キーラは一気にブリッツまでの距離を詰める。

ブリッツがそれに反応して剣を合わせるように振り下ろす。

が、キーラはそれを予見しており、剣の間合いぎりぎりで急停止する。


「んっ!」


ブリッツが一瞬怪訝な表情を見せるが、それを確認する間もなく、キーラは再び地面を蹴って飛び込む。

地面に振り下ろされた剣の横をするりと抜けて、ブリッツに肉薄する。

途中で意図に気づいたブリッツが盾を間に割って入れようとする。

キーラはその盾めがけて思いっきり振りかぶった。


「闘気活性!破砕掌底!」


キーラの手に闘気がギュッと集まり、目に見えるレベルになっている。

そのまま二人の間に入った盾に直撃する。

すると、ブリッツの盾は掌底を受けた部分から粉々に砕け散っていった。


「お前!俺にじゃなくて盾に闘気活性だと!」


ブリッツが動揺した目の先には、次の攻撃に備えて肩を回転させているキーラが映っていた。

(盾で受けられるのも織り込み済みだ!)


「尖爪龍突!」


(首ごと吹き飛ばす!)

手のひらを伸ばし、爪を直線にそろえて繰り出す突き。

狙いの首元に向けて一直線に突き出していく。

キーラが突きを繰り出すその時、ブリッツはとっさに地面を蹴った。

デーモンポーションで強化された筋力によって、キーラが思うよりも強くブリッツは飛び出してきた。

本来当たるはずの首からずれ、前に飛び出した分肩口に突き刺さった。

ブリッツの片方の肩が吹っ飛ぶ。

それと同時に勢いそのままに頭突きがキーラの顔面を捉える。


「ぐうっ!」


キーラとブリッツはお互いに反対方向に吹き飛ばされる。

キーラはあまりの衝撃によろめきながら立ち上がりきれない。。

ブリッツも肩口が丸々吹き飛んでおり、回復し始めているとはいえすぐには動き出せないでいた。

(・・・くそう。むちゃくちゃな筋力だ。)


「今のはさすがにやばかったぜ。お前とんでもないやつだな。」


ブリッツはボロボロになっているが、どこかうれしそうな表情さえしている。


「だけど、ダメージが蓄積するお前と回復するおれじゃあ勝負あったな。ハッハッハッハッハ・・・いい勝負だった例だ。最後にとっておきを見せてやるよ。」

「もう・・・勝った気でいるのか。・・・気の早いやつだ。」

「強がりはほどほどにしておくんだな。」


ブリッツがそういうと、奴の周りには魔力がどんどん集まっていく。

残ってる片手をキーラに向けて、ブリッツは呪文を唱え始める。


「魔法はリザードマンには酷かもな。ー炎よ燃え盛れー”豪火球(ギガファイアボール)”」


笑いながらブリッツの手のひらにでかい火の玉が形成される。

しかし、発射されないでとどまっている。

(これは・・・魔力で火球を押さえつけている!?)


「お前・・・これ・・・」

「気づいたか。魔力で強引に合わせるんだよ。ー纏え迅雷ー”」


ブリッツがそう唱えると火の玉に雷がまとわりついていく。

バチバチとすさまじい音とともに火球はどんどん白くなっていく。

気づけばまとわりついていた雷と火球が一体となり、一つの白く燃え盛る球に変化していた。

魔力を溜めている間に、ブリッツの体はほとんど元通りになっていた。


「じゃあな。割と楽しかったぜキーラ。・・・死ね””炎雷破光線(ジオキャノン)”」


ブリッツが放ったその瞬間、白い球は凄まじい光を放ち、キーラに向けて光線のように飛んで行った。

正直ちょっと調整しました。

最初書いたとき2話に分けていたんですが、読み返してもそれぞれの話が結構中途半端だなって感じて・・・一つにまとめたほうが結果1話が印象に残るしすっきりまとまるのでは?と思い、そうさせていただきました。

ブリッツにもっと魔法使わせてもよかったんですが、あんまりやりすぎるとキーラが弱く見えちゃったので・・・

私の感覚で調整しました。


次回は少し過去に戻りまして、キーラの過去から始めます。。

なんでこんなタイミング?ってなるかもしれませんが、ここは重要なポイントなので。

死を間際にした走馬灯だと思っていただいてもいいです。

タイミング的にはここしかないと思ってます。

キーラが放った技からあれ?というところがあると思いますので、その人と絡みます。

お楽しみに。


今回も読んでくださった方々ありがとうございました。

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