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もしも強さを数字で見ることができたなら  作者: 角刈りチーズ
第3章:帝国戦争編
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第3話:3人への指令

ジムと合流して王城にやってきた。


「しかし、私たち3人に特命なんて・・・一体何事なんだろう。」

「それがわかれば苦労はしないよ。だが、間違いなくいいことではないな。」

「不安だよ~!」


私たちは恐る恐る入っていく。

入り口にはデルタ騎士団長がいた。


「あ!デルタさん!」

「・・・来たか。ついてこい。」

「なんとも不愛想なことだ。」

「ちょっとジム!」


ジムの悪態に見向きもせず、デルタさんはどんどん進んでいく。

私たちも急いで後を追いかける。

今まで入ったことのないエリアを連れまわされ、今まで見た中でも特別大きな扉の前に来た。


「・・・ここだ。失礼のないようにな。」

「ねえ・・・ここって?」

「謁見の間だな。」

「ひいい!」


私たちの動揺なんてつゆ知らず。

デルタさんは「失礼します!」といいながら扉を開けた。

私はその光景に息をのんだ。

ゴア王様はもちろん、そうそうたる顔ぶれがそこにはいた。

ダイムさんにジョシュアさん、ローエンさんにたくさんの文官、武官たちはもちろん、初めて会う有名人もだ。


「・・・アーク=バトンもいる。」


私は小声で耳打ちした。


「こんな形で会うことになるとはね。」


アーク=バトンは非常におとなしそうな男性だ。

ランキングは6位、レイピアと弓という非常に珍しい武器の組み合わせで優雅に戦う戦闘スタイルが持ち味だ。

風魔法が得意なので、ジムがよく参考にしており、憧れの人の一人だった。


この国でも最強格のメンバーが勢ぞろいしている。

場のただならぬ雰囲気に、ただただ圧倒されてしまう。


「呼び出してすまなかったね。よく来てくれた、レイア=スレイン、サクラ=バーバリア、ジム=ターナーよ。今日はそなたたち3人に重要な頼みがあってここに来てもらった。すでにこのメンバーを見てただならぬ雰囲気を察していると思うが、落ち着いて聞くようにしてほしい。では、ローエンよ説明を任せる。」

「かしこまりました。では、簡潔に説明いたします。先日の王への襲撃は帝国が主導していたことが判明しました。」

「えっ!?」

「この場でもいいリアクションだねレイア、関心するよ。」


思わず大きな声を出してしまった。

(だって帝国なんて・・・思いもしなかったんだもん)

ジムが冷静に、さもそれぐらいは予想していたという振る舞いになんだか腹が立つ。


「ここでいちいち驚かれていると、心臓が何個あっても足りませんよ。私が話しきるまで少し静かにできますか?」


ローエンさんの静かな笑顔が怖い。


「・・・はい。すみませんでした。」


私は消えるような小さい声で返事した。

ふと王様の方を見ると、部屋に入ったときの厳粛な感じと違って少しにこやかになっていた。

よく見るとジョシュアさんなんて笑いをこらえている。

(少し和ませられたってことでいいのかな・・・)

私は前向きにとらえることにした。


「では、話を続けます。先ほど急報が入り、帝国が我が国に向けて10万の軍勢で攻めてきているとの情報が入っています。おそらくデーモンポーションを持っている可能性が高く、強敵であると推測できます。戦闘があった場合の犠牲は甚大でしょう。

これまでの帝国を考えますと、ドワーフとリザードマンの国がすでに討たれており、仮に今回退けたとしても、終わりではないでしょう。これでは無駄に国力をそがれるだけです。

なので・・・今回で帝国を倒すことにします。」

「!?」

「もちろん犠牲は最小限で。」


ローエン宰相から出た言葉を私は呑み込めなかった。

仮にもペンタクルス王国と同じぐらいの大きさを誇っている帝国を、それに最小限の犠牲で倒すとは?

私は訳が分からなかった。


「まず、10万の軍勢には最高戦力の3人、ダイム=ジャクソン、ジョシュア=バーネット、アーク=バトンに当たってもらいます。普通の軍で戦うと我が国の犠牲者が多くなりすぎます。ただし、あくまでも引き付けることが目的、つまり囮ですね。バルト平原の指定のポイントまで誘導し、そこへ集めてください。ここでバッカス=ルータムによって10万の軍勢を結界に閉じ込めます。」

「バッカス=ルータムってもしかして・・・」

「ええ、あなたたち3人はとてもよく知っているであろう、ダリア=ルータムの父親で、現エールライン国の国王ですよ。そして、私が知る限り、現世最高の光魔法使いです。」

「ダリアさんのお父さんってそんなにすごかったんだ・・・」

「君は一緒に住んでいて、そんなことも知らなかったのかい?」


ジムがやれやれという顔で見てくる。


「だって・・・自分たちのことはあんまり話してくれないんだもん・・・」


二人はあんまりお互いの過去のことを私に話してはくれなかった。

聞けば教えてくれたが、積極的に話すタイプではなかった。

いつしか私もあまり触れない方がいい話題だと思うようになっていた。


「続けますよ?」

「「はい!」」

「10万の軍勢を結界に閉じ込めている間に別動隊には帝国へ潜入してもらい、反乱軍とともに皇帝オーメン=ハルジオン、大臣のクレイ=スローンを倒していただきます。帝国は常に反乱軍との戦いが続いています。今の反乱軍はかなり力を持っていますので、良い協力が出来るでしょう。問題はだれが潜入するかです。帝国に近づいても王国の人間だとばれない程度に顔が割れておらず、しかし実力もある人間が必要です。

・・・そう、あなたたち3人ですよ。」

「へ・・・・・」

「あなたたち3人には帝国に潜入して皇帝オーメン=ハルジオン、大臣クレイ=スローンの首をとってもらいます。」


とんでもない作戦だった。

確かにランキングには入ったし、この間の襲撃でベック=ランドールとも戦い、順位も上がった。

だからといって、敵国のど真ん中に潜入して皇帝の首をとって来いなんて・・・あまりにも無茶苦茶すぎる。


「突然のことで戸惑っているだろうが、今回の特命の内容がこれだ。時間も少ないので、さっそく準備にと」

「お待ちください!」


(びっくりした・・・)

ジムが急に大きな声を出した。

(王様の発言を遮ったよ・・・)

ローエンさんが一歩前に出かけたが、ゴア王が制止した。


「ジム=ターナーか。構わん、申してみよ。」

「この特命、お断りします。」

もともと3人にこういう役をやらせるっていうのは決めていて、それにどう理由つけていくかというのが最大の課題でした。

今考えている流れが一番落としどころかな~と個人的には思っています。

作者本人は。

押し切らせていただきます。


戦争を収める方法はいろいろあると思うんですけど、やっぱり帝国ってガンガン他国攻めてほしいなってイメージがありますね。

なので、そういう風にしています。

リザードマンとドワーフの国に関してはあんまり詳しくは出てきません。

特にドワーフ。

リザードマンはちょっといい役のキャラがこの後登場しますので、その影響で詳しくは出てきます。

両国ともに侵略されたのは結構前という設定です。

その辺についても、きれいに触れていけたらなと思います。


今回も読んでくださった方々ありがとうございました。

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