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もしも強さを数字で見ることができたなら  作者: 角刈りチーズ
第2章:王都襲撃編
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番外編4:ジョシュアの休日

ジョシュアSide


王都での襲撃を退けた後、ジョシュアは再びゆったりした隠居生活を満喫していた。

王都のはずれに大きな屋敷を構えており、基本的に家でゆったりするのが好きだった。


「久々に血湧き肉躍る戦いじゃったな。まあ圧勝じゃったがな。ハッハッハ」


ノーフェイス10人、それもデーモンポーションを全員取っているにも関わらず圧倒して見せた。

まだまだ現役でいられる、見ている人々はみんなそう感じたはずだった。

(いくら儂でも老いには勝てんの・・・)

そう言って自分自身の手を眺める。

多くの戦いを経験し、傷だらけになりながらもごつごつとしたメイスだこが出来ている。

まだまだエネルギーに満ち溢れているように見える拳だったが、皺は年々増えており、よく見ると少し震えていた。

(いつかメイスも握れなくなるのかの。)

思わず寂しげな顔をしてしまう。

自分らしくないしおらしい雰囲気を顔をたたいて振り払う。

(湿っぽくなってどうする。まだまだ、体が動く限り諦めん!)

そうして日課であるトレーニングをし始める。


ジョシュアがトーニングをしている理由はただ一つ、リベンジだ。

ジョシュアは公式の記録で1回負けている。

ランキング2位のダイム=ジャクソンに挑み敗れた。


(ダイムのやつはただただ純粋に強かったわい。正直勝てるビジョンが浮かばんかった。)

高ランカー同士の戦いは非常に珍しい、故にダイムVSジョシュア戦は非常に注目されたし、大盛り上がりだった。

凄まじい激闘の末、ダイムが勝利した、それが世間一般の評価だった。

だが、実際に戦ったジョシュアにしかわからないダイムの強さ、世間との評価のギャップにジョシュア自身が一番苦しんでた。

(激闘なんぞちゃんちゃらおかしいわい。わしのぼろ負けじゃ。あやつは最初から最後まで儂に合わせておった。一番の技ですら、合わせただけじゃ。それ以上の力を完全に隠し切りよった。)

自分と完璧に拮抗した力になるようにコントロールされたダイムの試合運びに、ジョシュアのプライドは完全にへし折られていた。

圧倒的な実力差がないとできないその芸当に恐怖すら覚えていた。

残りの人生でどこまで強くなれるのか、もしかしたら弱くなるだけかもしれない。

それでも諦めたくない、その気持ちだけがジョシュアを突き動かしていた。

(騎士団を引退して細々生きるつもりじゃったが・・・儂も結局戦士なのかもしれんな。)


そして、ジョシュアはもう一人戦いたいと思っているものがいる。

ランキング12位のレン=スレインだ。


レンとの戦いに興味を持ったのは人魔戦争のときだった。

魔族相手に剣を振るっていたレンを観察しているときに、民間人を巻き込みそうになる場面が幾度となくあった。

それはある戦闘の時、魔族を見かけたジョシュアが先手必勝と撃ち込んだメイスで一人倒した。

しかし、あまりにも大きい衝撃だったため、地面が割れがれきが飛散した。

幸か不幸か、ちょうど魔族が住民と接触していた時でありそのがれきが幼い少女のもとに飛んで行った。

それを間一髪でレンがたたき切った。

ジョシュア自身は間に合わない距離だった。

それをがれきまで最も離れた位置にいると思っていたレンがやってのけたのだ。

(レンの移動が見えなかった・・・)

レン=スレインという人間に一気に興味が出た瞬間だった。

(こやつと戦ってみたい!)

まだダイムに負ける前のジョシュアにとっては強者との戦いほど心躍るものはなかった。


人魔戦争後、即座にレンに対してランク戦を申し込んだ。

しかし、レンはその戦いに応じなかった。

これまでランキング上位のものが下位に挑むなど前例がなかった。

レンからも「私よりもジョシュアさんの方がはるかに順位が上ですよ。」とランキング通りの実力しかないことをアピールされた。

確かに、レンの動きが読めなかったのはあのがれきの瞬間のみであった。

ただ、それほどまでにあり得ない状況だったのだ。

(わしの長年の勘が言っておる。あれは決して偶然ではない。)


もはや還暦をとうに超えている肉体に鞭を打つ。

(まだまだ・・・負けたままで終わる気はないわい・・・)

いつか来る二人との戦いのために、今日もジョシュアはトレーニングを続けるのだった。

最初にジョシュアのランキングが途中から6位→5位に変わっていました。

申し訳ないです。

気づくのが遅れました。

ただ、良い機会だと判断しました。

まだ5位の予定だったキャラを出していませんので、ジョシュアを5位に修正します。

本文一応直っているはずです。


1章のダリアとレンの会話からなんとなく予想ついている人もいると思うので、番外編でこういう内容を書いても驚きは少ないと思っています。

これは後々必ず出しますので、理由も合わせてお待ちください。


ダイムの強さをどう表現すれば伝わるのか、これがとても難しい問題です。

物語の設定上、本当にめっちゃくちゃ強いとしたいんです。

それこそ3位では明確に勝てないぐらいに。

戦っていない状態での強さの描写って難しいですよね。

何でそれを表すのかは毎度とても悩みます。

これは今後も課題だと思っていますので、頑張ります。


今回も読んでくださった方々ありがとうございました。

番外編は毎回2つぐらいで考えていましたので、第3章入ります!

再び楽しんでいただけると嬉しいです。

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