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もしも強さを数字で見ることができたなら  作者: 角刈りチーズ
第2章:王都襲撃編
20/90

第10話:戦いの余波

ゴア王襲撃のニュースは瞬く間に国中に広まった。

デルタさんやジョシュアさん、ダリアさんの活躍が新聞に踊った。

それに・・・私たちの名前も書かれていた。


「勇敢な新人ランカー、激闘の末結界破る!」


街でもいろんな人に声をかけられて、なんだか恥ずかしかった。

ちょっとした有名人だ。

ジムもデルタさんもダリアさんの持っていたエルフの霊薬のおかげですっかり回復した。

デルタさんの状態を聞いたとき、広間での戦いがいかに激闘だったかが見て取れた。

相当強い相手だったようだ。

ジョシュアさんはピンピンしていて、あと20人は相手に出来たと豪語していた。

本当にできそうなところが恐ろしくも頼もしい。

カインはまた強くなりたいという気持ちが一段と増したらしく、あれ以来訓練にさらに熱が入っているようだ。


今回襲撃してきたメンバーはノーフェイスといわれる犯罪者集団だった。

その中でも大きな賞金がかかっていたのが2人。

デルタさんが倒した「キーン=ライト」と私たちが戦った「ベック=ランドール」だ。

どちらも界隈では名の知れたノーフェイスだったらしい。

(どうりで強いわけだ・・・)

どこか妙に納得するものがあった。

ベック=ランドールはダリアさんの拘束魔法のおかげで生け捕りになっており、いろいろ尋問されるとのことだった。

今回の首謀者、それは襲撃メンバーにはいなかったらしい。

誰が仕組んだものなのか、明らかにするために王宮は躍起になっている。


もう一つはベック=ランドールから回収したデーモンポーションだ。

広場の多くの人もこの効果を目の当たりにしている。

急激な魔力の増加と身体能力の強化、回復力の向上が見られたらしい。

魔族の力を得る、それが襲撃者たちから聞けた唯一の内容だった。

詳しい効果やそもそもの材料など、たった1本の小瓶ではあるが分析が必死に行われている。


ダリアさんと師匠とはあまりゆっくり話せなかった。

師匠が出かけていた理由もこのデーモンポーションだったらしく、王様や研究者に自分の知っている情報を説明するのに大忙しだった。

最後に会ったのは、二人が再び旅に出るタイミングだった。


「またしばらく会えないんですか?」

「そうなるわね。」

「な~に、心配するな。またすぐに用事を片付けてくるさ!」

「今回は本当に助かりました。ダリアさんは命の恩人です!」

「ありがとうございましたっ!」

「二人も無事で何よりだったよ。」

「お礼はレンに言って。結界の魔力にすぐに気づかなかったら間に合わなかったわ。」

「本当にありがとうございました。」

「無事ならそれでいいんだよ。・・・レイアは無鉄砲なところがあるけど、これからも仲良くしてやってね。」

「「はい!」」

「ちょっと、師匠!!」


二人が何でまた旅に出るのか、説明はされなかったけど少し理解しているつもりだ。

魔族がかかわっているのは私だってさすがにわかる。

でも、二人ならどんな相手でも大丈夫、私はそう信じている。


---


後日王宮に私たち3人は呼ばれた。


「あの~いったいなんでこの部屋に連れてこられたんでしょう?」


私が恐る恐る神官に尋ねた。


「3人は今回相当な格上相手に戦っています。ランキングの順位が変動したのではないかと思って、お呼びしました。」

「「「!?」」」

「そんなことがあるんですか?」

「はい。現に数人の変化を確認しています。例えばデルタ騎士団長は8位になっています。」

「・・・ナンバーズだ。」

「もともと8位にいた人はどうなるんですか?」

「順位が下がったと考えるべきでしょう。その人の実力に変化が無く、上がったものが出てきたのであればね。」

「なるほどな。」

「さあどうぞ。お一人ずつ手をかざしてください。」


ノーフェイスは順位がないので実力がわからない。

それ故に格上相手になる可能性は十分にあったのだ。

(モンスターと同じ扱いってことなのかな?)


「はいはい!私から行きます!」


サクラが名乗りを上げた。

データスフィアのもとに駆け寄って、手をかざす。


「サクラ=バーバリアカ・・・オマエハ23位ダ。」

「!?」

「上がってる!」

「やったね!」


サクラがVサインをしながらこちらに笑顔を向けてくる。


「なら次は僕の番だな。」


今度はジムがデータスフィアに向かって手をかざす。


「ジム=ターナーカ・・・オマエハ22位ダ。」

「すごいジム!」

「今回一番活躍したのは間違いなくあなただものね。」

「まあ当然だね。」


そして私の番が回ってきた。

(あれ?なんかこの流れ覚えているぞ・・・)

データスフィアに手をかざすと、私の嫌な予感は当たってしまった。


「レイア=スレインカ・・・オマエハ26位ダ。」

「~~~~っ!やっぱり私は下なのかぁあ!」


ベック=ランドールに手も足も出なかった。

一番何もしていない、正当な評価だ。

だからこそ・・・悔しかった。

それでも、二人が私の反応を見て笑っている、この景色がなくならなかったことがやっぱり一番うれしかった。

(みんな無事で本当に良かった。)

私はぶつくさ文句を言いながら、二人の元へ戻っていった。

(もっともっと、二人を守れるぐらいに強くなりたい。)

終わり方をきれいにしたくて、置きに行ったような文末になりがち。


今回で第2章は終了です。

まずはお付き合いしてくださった方々ありがとうございました。

正直予定よりは短くまとまったなという印象です。

もうちょっと長くするつもりだったんですけど、なんか書いているうちに1話の中で話を区切りたいと感じることが多くて、戦闘を半端に区切りませんでした。

別にターン制になるのが嫌いというわけではないんですが、どことなくさけている感じです。

ボリューム感の不足を感じる方がいたら申し訳ないなという感じですが、自身の気持ちよくかける分量を守るのも大事だと思いますので、ある程度これはキープすると思います。


第2章は別の後書でも書いたように大きく負けさせたかったという意図がありました。

それは達成できたと思っています。

今後今回のベック戦を経たことによる3人の強さをうまく出せたらなと思います。

また、今後のストーリーでキーにしたいと思っている要素が徐々に出始めてきています。

いわゆる伏線というやつですね。

そのあたりきちんと回収して説明していきたいと思います。


第2章に入ってから文章の書き方が少し変わったかなと自分では思っています。

書かない部分をもうちょっと減らそうという気持ちで書きました。

どうしても自分の頭の中でキャラが動いている映像に頼ってしまって、説明が薄いなと第1章を読んでいて感じました。

なので、意識的に書き足すようにしてみました。

まだまだな部分はあると思いますが、第3章ではより高いレベルにできるように頑張ります。



今回も読んでくださった方々ありがとうございました。

また第3章もよろしくお願いします!

次回から少し番外編が続きます。

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