脳疾患編
マジックランドはまさに流行りの異世界もののような世界だ。
ここでは魔法がありとあらゆる場面で生活の役に立っている。料理の際火をだしたり、木を切るときは鋭い風で切ったりと生活は魔法に依存している。
さてさて俺はどうしたかというとマジックランドに赤ん坊として生まれ、魔法幼稚園、魔法中学、魔法高校、魔法大学を卒業し、今は田舎の病院で闇医師として働いている。この世界は医療がまったく発展しておらず、一度起きたら治療困難な病ばかりだ。
俺は診療室でコーヒーを飲んでいると、「大変です先生、片方手足が動かない患者が運ばれてきました!」と助手のシェリーがあわてて俺を呼びにくる。
シェリーは新人マジックナース見習いでスタイルの良い金髪のの23になる女性だ。
俺は急いでベッドに運ばれてきた患者を見る。
「一体どうした?どこが悪い?」
「頭が痛い…おぇぇぇ」
患者は左手で頭を抑え苦痛表情を浮かべながら床に吐いている。
頭痛、吐き気、片方の麻痺…
俺は微弱な光の魔法を指から患者の左右の目に近づけた。
すると片方の瞳孔は縮むがもう片方は大きさは変わらない。
「やはりな。」
「先生、これは一体…」
シェリーが聞いてくる。
「人間の脳の血管は詰まることによって細胞が壊死する。また、血管が破裂すると脳が圧迫され脳が破壊される。このことにより手が痺れたり、吐き気がしたり、頭痛がするんだ。」
「そうなんですね…!さすが先生!」
無駄口を開いてる場合ではない。脳の疾患は時間との勝負だ。もたもたしてると症状が悪化しやすい。
私は患者の頭が動かないようにジェイクに抑えさせ、磁気共鳴魔法と透視魔法を連結させ、患者の状態を特定した。これはct検査の技術を模倣したものだ。ctでは頭の一部が黒いと脳梗塞、白いと脳出血だ。
「脳出血か…シェリー!オペをする。」
意識消失・痛み遮断魔法をかける。するとさっきまで痛みで唸っていた患者がおとなしくなる。
「先生、患者が動かなくなりましたよ。」
「ああ、これは痛覚遮断と意識消失の魔法をかけたんだ。患者の頭を切るとき痛みがあると血圧が上がるだろう?そしたら出血がひどくなる。脳の病気は血圧のコントロールが大事なのさ。痛みがなくても意識があると術中動かれて迷惑だ。脳の血管を誤って傷つけると取り返しがつかない。脳の細胞は他の細胞と違って再生しないんだよ。」
俺は患者の髪をシェリーに切らせた後ウィンドカッターで頭蓋骨に穴を開ける。そのあと出血部位に微弱な吸引魔法をかける。そのあと俺は出血を止める処置をした。
「これでもう大丈夫だろう」
「先生さすがです!」
シェリーは目をキラキラさせながら俺を見る。
「ところでなんでさっきの患者さんあんな病気になったのでしょう?」
「ああ、おそらく。タバコの吸いすぎだろう。あの患者が運ばれてきたときタバコの匂いがした。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、動脈硬化を引きおこす。結果脳の血管は固くなり脆くなって出身したんだろう。」
「へぇ、そうなんですね。私のパパもタバコよく吸うからあととで注意しないとな。」
「そうだ、もうひとつ。脳出血は生活習慣が悪いとでる傾向にあるぞ、太りすぎにも注意な。シェリー、お前お尻大きいからダイエットしとけよ。」
「先生のバカァ。」
シェリーは赤面した。
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