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隠居したい宮廷魔術師
(謁見間)
「貴様!!本気で言っているのか!!」
「えぇ、本気ですよ。陛下。」
王は自分の玉座から身をのりだし、俺の言ったことに憤慨している。
ザワザワ
「そんな!!ヨハンどの、考え直してくださいませ。」
「そうですとも、あなたがいなくなることは人類の損失ですぞ。」
ザワザワ
「突然すぎますぞ。なぜ相談してくれぬのですか!!」
「あなたは ◯◯なのですぞ。少々その一色が少ないのでは?」
周りでそれを見ていた貴族どもは口々に何かいっているが、わざわざ聞くきにもならない。
いつもはこっちのことを見下してる連中が焦った表情を浮かべているところを見るのは楽しいが、やはり言い方が無性に腹が立つ。
(...偉そうに)
俺はあくびを噛み殺しながらさっき王に言ったことをもう一度言う。
「私、ヨハン・ファウストは、宮廷魔術師を引退します。」