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きらきらひかるもの
僕は感じる能力が高いから
ふとした言葉に、音に、声に
温度とか、感情とか、
見えないものを感じてしまう。
あああ、疲れた。
精神的に疲弊しきった後に
体力を奪うようなことばかりしてて
本当にクタクタなんだ。
僕は、誰だっけ・・・
僕はなにをしていたんだっけ・・・
忘れてしまったなぁ。
宝石はもちろん、道端の石ころでさえ
遠い遠い昔からゆっくりと時間をかけて
出来上がったものなんだ。
石ころから見てみれば、僕らの一生なんて
瞬きするより短い時間なのかもしれない。
小さな石にも命がある。
僕はそんなことも知らなかった。
少しの間、僕を守ってね。
僕と一緒に、しばらくいて欲しいんだ。
きらきらひかる、僕の石。
それにしても、疲れたよ。
もう少し、ゆっくりしよう。
僕の一生のうちの、ほんの少し
ほんの少しだけ、ゆっくりと過ごすんだ。
春だからね、
植物たちが頑張ってるから
きらきらしているから
僕は休憩しててもいいよね。