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魔法
彼の魔法が好き
彼の声が好き
彼の生き方が好き
彼の魂が好き
でもあたしは何もできない
触れることも、抱きしめることも。
でもあたしは、傍にいる。
一緒に歌うの
愛を語るの
此処には
夢も希望もない
光も闇もない
色もカタチもない
彼が教えてくれた歌を
彼が教えてくれた世界を
あたしは歌う
もう二度と
同じことを繰り返したりしない
もう二度と
間違えたりしない
あたしが消えても歌が残る
あたしが消えても愛は残る
冷たくて黒いあの海に
沈んでしまっても
だから一緒に眠るの
此処に居てくれるから
全てが贋物でも
あたしは平気




