第6話 夏休み前に。
一生思い出として残る修学旅行は、台風と重なり嫌でも忘れる事は無いでしょう。
その修学旅行も終わり、段々と夏本番の陽気になり、クラスのみんなも楽しみのよう。
「ねぇ、あの話は今どうなっているの?」
「あの話って?」
「ほら、えみが好きな人のヒントを教えた後よ。」
「その話は?恥ずかしいからもうやめようよう。」
実は、この話。男子の中でその人物像を勝手に特定したらしく、ヒントに上がってた人達の中でも、違うと思っているみたいで、かなりがっかりしているようだった。
私自信が、こんな思いをするなんて。
男子達が勝手に決めた相手は、全然違うから。
「だって、うちのクラスの男子の中にも、落ち込んでいる人達がいたよ。えみはモテるとは思っていたけど、かなりのファンがいたみたいね。」
「その話は、今私にとってかなり大変な事になってきているんだ。」
姉「えっ?なんで?」
「だって、クラスの男子達が勝手に私の好きな人を特定して、クラスの女子は無理にくっつけようとするし、男子からは、冷やかしが入るし、しかも男子達が勝手に決めた人は私の好きな人じゃないし。もう大変なんだよ、お姉ちゃん。」
「あれれ、凄い話になっていたんだね。それは、ちょっと迷惑だね。」
「しかも、佐藤君がそれを信じている可能性もあるから凄く嫌なの。それに、夏休み前にもし告白する子がいて、その子と付き合うようになったら、凄くショックだよ。」
「あの話ね。じゃあ、えみが夏休み前に告白したら?」
「そんな勇気ないよ。フラれたらと思うと怖いし。」
「じゃあ、まず私が様子を探ってみるね。」
「えっ?何するの?まさか私が好きな事言うとかしないよね。」
「そんな事はしないで、佐藤君に好きな人がいるかいないか、感触が良かったら、3人で遊ぶ約束や、夏休みの宿題を一緒に、やれないか聞いてみるね。」
「お姉ちゃんって大胆だよね。私にはムリ。」
「だって妹の為だし、3人で宿題をやれば早くおわるし。」
「あっ、そっちが本命なんだ。」
「まあ、明日からは私には任せなさい。」
「程ほどにね。あと、私の気持ちもバラさないでね。」
姉の突然の協力により、夏休み前にどうなるか?
私の大好きな夏が嫌いな季節にならないようにしたい。
だから、出来れば卒業式までは、この気持ちを知られたくないし、佐藤君が誰かを好きにならなければ。
かなり都合のいい、話なのはわかっているけど。
マンガやアニメみたいにはいかないよね。私はそんな物語に出てくる主人公とは違うから。
もうすぐ私の大好きな夏がやってくる。
久しぶりの投稿です。
最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。