第2話 彼は凄かった。
お願い。
頑張って、誤字脱字が無いようにしてますが、もしあった場合はスルーしてお読み下さい。
後日、修正や訂正を行います。
次の日。
ガタゴト。ドン。サッ、サッ。
なぜか姉のくみちゃんが、やけに朝早くから支度をしている。
「お姉ちゃん、何でこんなに早くから起きてるの?」
「えっ?別に。たまたま目が覚めたからね。」
ふ~ん、どうせ早く学校に行って、転校生の佐藤くんをみたいからだとおもうけど。そんなに期待しても知らないよ。
「私はまだ少し寝るね。お姉ちゃん。」
二度寝は幸せ。
でも、なぜかすぐに起きなくてはいけない時間になる。
その証拠に、姉がやたらとお越しに来るから。
眠い目を擦りながら、顔を洗い、歯を磨き、テーブルに用意されている朝食を取る。そしてお母さんが珍しいと話す、
「今日はやたらとくみが朝早くから起きてたね。何か学校に早く行かないといけない日だったのかしら。」
「お母さん、今日はたまたま朝早く目が覚めたから起きたらしいよ。」
「ふ~ん。あのくみがねぇ、雨でも降らなければいいけど。」
そう、姉はどちらかと言うと、朝が弱い方。
部屋に戻り、着替えをする。
そういえば、彼の服装はおしゃれだったな。
なんか、急に自分の服が、子供っぽく感じた。
「えみ~、早く学校に行こう。」
なんでそんなにワクワクした顔なの?
「お姉ちゃん、知らないよ。」
「えっ?何が?」
何がじゃないよ。本当に。まあ、どうせ飽きっぽい姉は、すぐにどうでもよくなるからいいか。
学校の門を通り、大きな桜の木が、左側にある。
さくらはもうだいぶ散ってしまった。
校舎に入るが誰もいない。やはりまだ早すぎたようで、昇降口も、階段もそして当然、クラスにも誰もいなかった。
「やっぱり早すぎるよね。」
「えみ~、転校生くんは?」
「お姉ちゃん。こんなに早くからはまだ誰も来ないよ。」
「私のクラスにも誰もいなかった。」
姉とはこの6年間で、一度も同じクラスになる事はなかった。
私達は、廊下で話をしていた。
「ねぇ、えみ。明日スポーツ記録大会だよね?しかも午前中全部。で、給食食べて、掃除当番して終わりだよ。なんてステキな1日なんだろう。」
「お姉ちゃん、テンション高過ぎだよ。お姉ちゃんはスポーツ得意だもんね。私は全然ダメだから、明日は憂鬱だよ。」
「えみも、お姉ちゃんを見習って、スポーツをしよう。」
「じゃあ、お姉ちゃんは私を見習って、勉強がんばろう!」
なんて、話をしていたら、いつの間にか人が増えてきた。
「あ、くみえみ、おはよう!」
「そこ、まとめないで。」
友達はなぜか、あだ名で私達二人を呼ぶ。1人の時は言われないけど、姉と一緒の時は必ずそう言われる。
それから10分ぐらい後に彼は学校に来た。あれ?何でだろう?ちょっとドキドキしてきた。
「お姉ちゃん、佐藤くんが来たよ。」
「えっ?どこ?」
佐藤くん、また昨日と違うおしゃれな服装だ。
「お姉ちゃん、あのメガネをかけた、おしゃれな男子だよ。」
私は一生懸命、佐藤くんの事を説明する。
「わかった。今教室に入っていった男子。なるほど、納得したよ。」
「えっ?何が納得したの?」
「えみ、私は教室に戻るね。」
「もう、いいの?」
「うん。また帰る時にね。」
姉は、バイバイとてを降り行ってしまった。
私も教室に戻り、さっきとは全然違う雰囲気の教室だった。
佐藤くんの周りには男子達がばか騒ぎしていて、何人かのグループに別れている女子の中に、彼を見つめているよう子もいた。
私はみんなに挨拶をしてから、イスに座った。
廊下で姉と立ち話だったので、少し疲れたのかな?
そんな私の周りにはに、クラスの女子が何人かやってくる。
話は、佐藤くんの事だった。
なんでも、佐藤くんの住んでいる場所は、あの山崎さんの家に近いらしく、登下校は必ず一緒らしい。しかも、私の住んでいる町と正反対。席も一番遠い遠く、住んでる所も遠い。なぜか、少し悲しかった。
それから、明日のスポーツ記録大会の話。彼は見た目秀才タイプだから、運動はやっぱり私に似て苦手かな?
そんな話をしていると、担任の先生が、教室に入ってきて、出欠を取るから席につけ!といつものテンプレ。
朝の挨拶のあと、出欠を取り、連絡事項で明日の内容と必要な物を先生が黒板に書いていた。
一通りの説明が、終わるとそのまま授業入る。一週間はあの光景を見なくてはいけない。
佐藤くんと山崎さんがテーブルをくっつけて、一つの教科書を見る姿をなぜか見たくなかった。
算数の時間に、黒板に書かれた問題を、これを解ける人いるかな?と先生に言われた、私は頑張ってノートで計算していたが、誰も手を上げなかったので、先生からの、指名になってしまった。
問題はかなり難しく、いまだに私も解らなかった。
そして、先生は残酷にも転校2日目にして、彼を指名してしまった。
これが、国語や社会本の朗読なら別に気にはしないが、黒板の前にきて、数式を解かなけれならない。間違っていたら、私でもかなり恥ずかしい。
しかし、彼は黒板の前まで、スタスタと歩きチョークを持ってスラスラと答えを書いた。
先生も驚いて、
「正解です。やはり佐藤くんの通っていた学校はかなり授業や学習内容が進んでいたようだな。」
これは、先生による確信犯。彼の実力を知る為に、わざと私達が習っていない所を問題にしたんだ。
でも、その彼は何もなかったかなように、自分の席に戻った。
私はビックリした。秀才タイプとか姉には言ったけど、本当に秀才だった。
先生はすぐに黒板に書いてあった問題を消して、
「まだ、お前らには早いからな。イヤでもその内に勉強する事になる。」
そう言って、黒板に書かれた問題は消えたけど、私のノートにはちゃんと残っている。家に帰ったら調べてみよう。
そして、彼を見る。やはり山崎さんと一緒に教科書を見ながら話をしている。さっきの事かな。
よく考えたら、まだ一言も話をしていない。私が一方的に彼を見ているだけ。山崎さんが羨ましい。
休み時間、彼の頭の良さにみんながビックリしていた。特に男子達と一部の女子も加わって、話が盛り上がっていた。
私は、遠くの席で、彼を見ていた。
学校も、終わり姉のテンションは凄い事に。
でも、今日信じれない程早起きだった姉は、信じれない時間に寝てしまった。
私は、今日算数の時間に出された問題がどこまで進んでいたのかを、ネットで調べた。
そこには、信じれない言葉が………中学2年生冬季問題。
私達、まだ小学生だよ?しかし、彼への驚きは、まだあったのだ。
最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。