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第二章 思いの行方 (第二章終了)
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「南さん、このままだと詩音ちゃんも隼人のこと好きになってしまうよ」
「そうやけど、俺らは介入することはできん。時間軸の向こう側のことを知って、出来事に少しの変化はつけれても、人の気持ちまではあやつることはできんから」
「その前にどうしても、隼人に私が気持ちを伝えないと」
「もう少しで隼人君も気づくと思うんやけどな。勘のいい子やし。小説をもう一回読んでくれればええんやけど」
「それまでもう待つことしかできないのかな」
「うーん、いろいろ考えたんやけど、今は他に手立てないな。それにその方がええとも思う。出来事に変化を加えると、また人の心にも変化をもたらしてまうやろ?」
「そうだね」
「大丈夫。心音ちゃんが思うほど、悪い状態にはならんって」
「南さん何か楽しんでない?」
「いやいや別に。成り行きを見守ろう」
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