5/13
違和感
江藤は、原田のマンションに出向いた。
チャイムを押した。
ドアが、ゆっくりと開いて原田が出てきた。
「ようこそ、親愛なる江藤!」
原田が、そう言って出迎えた。
顔が赤かった。酔っているようだった。
江藤が言う。
「原田さん、今回の準主役本当に、ありがとうございます!必ず、ドラマ、ヒットさせましょう!」
それを聞いて、原田が笑う。
笑い続ける。
ひたすら、笑い続ける。
江藤は、困惑した。
広いマンションの一室に、原田の笑い声だけが、響いていた。
どのくらい、続いただろうか。
原田が笑い終えた後、真顔になり、一言、言った。
「俺は、お前に、なりたい」




