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一章 繰り返しの起点

 起きればいつも同じ景色が見えていた。

 起きればいつも同じ音が聞こえていた。

 起きてみれば、そこは荒れた大地にたたずむ、ひどく寂しい場所だった。


 風は常に吹き荒れていた。そしてそれらは、乾いた砂を巻き上げては放浪し続ける。

 何が悲しくてそんなことをしているのかは、風でない自分には解らなかった。

 解らなかったけれど、風は何かを求めて彷徨い続けていた。

 そしてその中には、まるで風景に溶け込むかのように、横に長い一文字のコンクリの棟が建っていた。

 それは同時に、彷徨い続けるあの風とも、嫌なほどに合っていた。

 悲しくなるほどに、同じものを持っていた。

 加えて、その中で生きている者たちにも、その者たちに与えられた運命にも。

 まるで彼らの心を写しとったかのように、それは似ていた。


 赤茶けた大地は地平線の果てまで続いていた。

 そんな中、風は駆け抜ける。

 乾いた風は駆け抜ける。

 仲間もそうでない者も、その全てを巻き込みながら……。





   一章 繰り返しの起点




 聞こえてくるのは騒音か罵声か。

 外は耳が痛くなるほどの賑わいを見せている。

「うっせーんだよ!」

「やめろっつんだよ、その音!」

 鉄板を叩きつけたような音は、さらに大きくなる一方だ。

 それに比例していく囚人達の叫び。

 失せろ!

 消えろ!

 死ね!

 やめろ!

 うるせえ!

 そんな言葉は、届くことなく沈んでいくだけ。

 それなのに彼らは、まるで泣きすがるように叫び続けていた。

 咽がどれほど痛くなろうとも、かまわずに――

 それでもひっきりなしに聞こえてくるガンガンという音。

 音は罵声に背を押されて、さらに奥にある場所にまで足を運んでいった。

 するとさらに音量は増し、五月蝿くなるばかり。

 騒音は脳髄に直接響いてくるようで、頭が痛かった。

 しばらくしてから、あの騒々しい音に紛れてザッ、ザッという足音が僅かに聞こえてきた。

 足音はだんだんと近づいてきて、すると突然、同時にぴたりと止まる。

 現れたのは四十代半ばほどの男だ。

 小太りな体格に、意図してだがは定かでないが偉そうな髭まで生やしている。

 オリーブグリーンの軍服姿に同様の帽子を頭に軽く乗せるようにして被っていたが、服は悲鳴を上げる寸前で持ち堪えているといった様子だ。

 その男の後方には二十代後半ほどの男がいた。

 手には取っ手の付いた妙な鉄板と棍棒がある。さっきの騒々しい音は彼が出していたのであろうか。

 また引き締まった表情の中に時折浮かぶ緊張の色が、彼が男の部下であることを訴えていた。

「オイ、起きてんのか?」

 牢屋前に立っていた男はゆっくりと偉そうに歩みを進めると、小さな格子付きの窓から牢屋内を覗き込んだ。

 その口調には嘲笑うかのような色合いさえ含んでいる。

 しかし牢屋の中にいる者は焦りも、ましてや怯えもしない。

 もぐっていた布団からのそのそ這い出ると、しっかりとした足取りで男に向かって歩み寄り、距離を縮めていった。

「寝ているって言ったら、どうするつもりなの?」

 牢屋の中から聞こえたのは、意外にも少女の声だった。

 薄汚れてボロボロになった白いワンピース一つだけを身にまとっている少女は、その痩せ細った身体で歩き、男に近づくと睨みつけ、挑発する。

 その少女は見た目とは相反した、まるで堕天使のような印象さえ与えるかのような刺々しい気を発していた。

 挑発をした少女はさらに一歩、また一歩というように確実に、そして威圧感を与えるよう男に近づいていく。

「……って言っても、どうせあのやかましい音を鳴らすだけでしょ? っていうかそれしかできないだなんて、あんたら軍隊はどれだけ能無しなのかしらね」

 フン、と少女は鼻で一つ笑った。

「この小娘………」

 低い声を絞り出し、男は拳を握る。

 すると次の瞬間には、バッと男が少女の胸倉を掴んでいた。

 ジャラッという音と共に、少女の首にかかっていた鎖が音をたてて落ちる。

 鎖には小さな銀プレートが付いていて『スズネ・ルリ』という文字が書かれていた。――彼女の、名前だ。

 しかしそんなことにもかまわず、男は凄まじい形相でスズネを睨みつける。

 だが当のスズネは怯える様子を微塵も見せつけず、それどころか見下すような微笑さえ、その幼い顔に浮かべていた。

「そんなことをしていいの? ダイガ大佐。たった一つの存在なんでしょ」

 と、ダイガはそんなスズネの言葉に苦虫を噛み潰したかのように眉根を寄せた。

 怒りを抑えているのか、右顔面をぴくぴくと痙攣させてはスズネを睨み続ける。

 だがスズネは切歯扼腕の感情を露にしたダイガを見て、フッと笑う。

 その勝ち誇ったかのようなスズネの表情を見、ダイガはさらに腕に力を込めた。

 スズネは臆することなく、ダイガを睨み続けていた。

 するとダイガは突然掴んでいたスズネの服を放るように放し、苦々しい表情をスズネに向けると、

「ッ……、小娘。お前が『アランフェスティーナ』でなかったら、今すぐにでも打ち首にしているところだ。命拾いしたなあ!」

「別に。命拾いしたなんて、これっぽっちも思っていないけど? 少なくとも、あんたたちに捕まった時からずっと、ね」

「……勝手に喚いていろ」

「是非ともそうさせてもらいます」

 嫌味たっぷりのスズネの言葉に背中をど突かれ、ダイガはハンと荒い息を吐き、背を向けて牢の前から消えた。

 部下も置いていかれないようにと、足早に去っていくダイガに引っ付くようにして、踵を返していく。

 別の牢で喚いている囚人たちに罵声を浴びせているのが、ムカつくほどによく聞こえた。

「…………何が『アランフェスティーナ』よ。バカバカしい」

 牢の鉄格子を掴んでいたスズネは、ダイガが去っていった方を見て毒づく。

 すると突き放すように鉄格子を押して、狭い牢屋の奥へと戻っていった。



 私は『アランフェスティーナ』だ。

 そしてその存在はこの世界が生まれた時から、私たちの生活を脅かしてきた。

 ある時は普通の人間に。

 またある時はとても愛らしい天使に。

 またある時は天才児と賞賛されるような逸材に。

 またある時には美しい歌声を響き渡らせる神の子に。

 しかしそれはただの仮面に過ぎなかった。彼らが成長してその殻を突き破れば、行き着く先はいつも決まって最悪な結果だった。

 ある者は突如として悶え苦しみ、多くの者の命を巻き込みながら狂い死にした。

 またある者は昼と夜の顔を持つようになり、昼はまるで天使のように皆に慕われ、夜は皆が怖がる殺人鬼になった。

 またある者は夜な夜な歩き回って、手当たり次第に農作物や家畜をそれは無残に切り刻みながら徘徊した。

 またある者は世界中を恐怖に陥れるような最強最悪の魔術師になった……

 無論、発狂する年齢も性別も不揃いなのだ。

 生まれてからそう何年も経たないで発狂した者もいるし、それこそあと何年生きられるのだという歳で発狂した者もいる。

 だが確実に言えることといえば、気付けば取り返しのつかない、何かしらの症状が出ていたというおぞましい事実のみだ。

 そしてそこに行き着けば、待っているのは永遠の孤独か、無残な最期の二択しかない。

 どちらにしても耐え難いものだ。

 だが、まだ無残に死した方が幸せだと言う者もいる。

 何故なら無駄に生き残ってしまえば、それからが苦しいのだ。

 というのも正気に戻った本物の自我は、自らの身体がやってきたことを記憶している。

 つまり自ら犯した罪を後悔し、また自身の中に住み着き、今なお暴れだすかも解らないモノへの恐怖に苦しめられるのだ。

 それに、さらに苦しいのは周囲の者――家族も親戚も関係なく見放され、恐怖されるというこの身。

 絶対的な孤独。

 そして死ぬまで貼られる『アランフェスティーナ』という最悪なレッテルだ。

 何せそのような状況に陥ってしまえど、いくら普通とはかけ離れているとしまえどだ。

 元を糺せば彼らだって、ただの人間と何ら変わりはない。

 だからそれらに精神を侵食され犯されていく生活は、まさに生きたまま地獄に放り込まれたも同然なのである。

 勿論それを聞いて嫌悪する者も、大勢いる。それもまた事実だ。

 誰かて自分とその『アランフェスティーナ』が同じであるとは思いたくもないし考えたくもないだろう。

 しかしだ。人間という生き物は生物的には最も優れた知能を持っているとされている。

 そんな人間にしか持ちえないものの一つが、俗に言う『感情』と呼ばれるものだ。

 そして『アランフェスティーナ』に変身した者も、確かにその『感情』というものを持ちえている。

 また、その生まれ・遺伝子構造・知能・外観、どれをとっても確かに人間といえるものを持っているのだ。

 それは紛れもない事実で、学界的にも証明された真実。

 とはいえ、いくらある種の人間の成り果てだといえど、隔離・迫害されることは止むを得なかった。

 何故なら『アランフェスティーナ』とはいくら変身することに抵抗しようが、その自我自体を抑え込み行動を開始してしまう。

 いわば傀儡子なのだ。

 そして占領された本人の身体は、ただの『操り人形』にすぎない。

 故に一般人がただの欲求を我慢をする程度などとうに越え、最早時限をも越えている。

 となれば、共存などという平和的幻想は到底無理な話だ。


 だって彼らは人間から生まれた、とんでもない怪物なのだから……。


「次に生まれる時には、ちゃんとした人間になりたい」

 これが彼らの、最後の願いだった。

 その一言の中に、望む限り全ての希望と……そしておそらく、他の『アランフェスティーナ』たちの思いも込められているのだろう。

 最後まで苦しんだ怪物の、叶わぬ唯一の望みだと……。

 そして私はダイガが言っていたとおり、その『アランフェスティーナ』の最後の生き残りだ。



 スプリングも利かないおんぼろベッドに寝そべりながら、スズネは小さな鉄格子付きの窓の外を眺める。

 外はまるで何事もなかったかのように、ムカつくほど平和ボケした青空だ。

(あーあー。何とも人をおちょくるような空ですこと)

 ただの八つ当たりとしか思えないのだが、スズネは今の苛立ちをまっさらな空へと向けた。

 当たり前だが空なので、先ほどのダイガのようにスズネの言葉に一々因縁をつけて返してくるということなどないから安心だ。

 ……あったら逆に怖いが。

(それにしても。あのじじい、ムカツクったらありゃしない)

 起きた次の瞬間からあんな大騒音に、見ているだけでストレスがたまるダイガという存在。

 それに加えてあの一つ一つがしゃくさわる言葉の数々だ。

 清々しいはずの朝っぱらから毎日あんなのを浴びせられていたら、たまったもんじゃない。

 スズネは寝転んだ状態のまま、自分の寝ているおんぼろベッドに高々と振り上げた拳を、感情に任せて思いっきり振り下ろした。

 だが聞こえてきたのは、バキッという壮絶音。

 篭ったような鈍い音が、叩かれたベッドと叩いた手の両方から同時に聞こえてきたのだ。

「いっ、……たぁー」

 反射的に腹筋を使って起き上がると、スズネは抱え込むような形で傷めた手を包んだ。

 スプリングも利かないおんぼろベッドは、外見以上に強かったのだ。

「何よこいつ。ボロいくせして生意気に頑丈じゃないの! ……ったく。骨が折れていたらどうしてくれるつもり!?」

 大きな瞳に涙を湛えながら、スズネは被害者のベッドに対し、声を張り上げてぎゃーぎゃー文句を投げつけた。

 それにしても、被害者のベッドは何と哀れなことだろう。

 叩かれたうえに、勝手に自滅をした加害者に文句を言われなきゃいけないだなんて……。

「あー、もうやだっ! 何で私がこんな目に遭わなきゃいけないわけ?」

 ベッドにうつぶせに寝転ぶと、スズネは両足をバタバタと子供のようにばたつかせた。

「あーもう」とか「ムカツク」とか言う言葉の数々を、顔を枕に押し付けて両手をもばたつかせながらスズネは喚く。

 しかしそれもしばらくすると止まると、

「っていうか、そもそもの原因はダイガのヤロウのせいじゃない」

 と怒鳴りつけながら、スズネはガバッと上半身を起こした。

「あいつが私を捕まえていなければ……」

 怒りに満ちた表情。右手には握り拳が作られていた。


「あの、すみません。ちょっとお訊ねしたいことがあるんですけれども……」


 スズネが怒りで震えている、ちょうどその時。

 牢屋の外から拍子抜けするような少年の声が聞こえてきた。

「あぁ!?」

「ヒィィ!!」

 しかしバッドタイミングだ。

 怒りやら不満やらが複雑に入り混じった女王様・スズネの声を聞き、化け物も真っ青になるような形相をを向けられた少年は、たまらず絶叫した。

 当たり前だがスズネの怒りはさらに積もり積もる。

 スズネは不機嫌な表情のまま、そして少年は怯えた表情のままで、時が止まったかの如く互いに身動き一つとろうともしない。

 嫌な雰囲気はそれと比例して色濃く、その場を重苦しくさせていった。

「……あんたさあ、初対面の人を見て叫ぶとは、いい度胸しているじゃないの」

 怒りを抑え気味のスズネの声色は、だからこそ余計に怖い。

『次に何かやらかせば、どうなるか解っているんだろうなぁ。オイコラ』というような脅し混じりの禍々しいオーラを全身いたる所から発していた。

「え? あ……す、すいません!!」

 恐怖で固まっていた少年はスズネに怯えつつも、きちんと伸びた背筋を曲げ、飛んでいくような勢いで頭を下げた。

「ていうか、悪いと思うんだったら端からするなよ」

 ケッと投げ捨てると、スズネは眼光鋭く少年を睨みつける。

 相変わらずのスズネ様は御健在だ。

「本当、そのとおりです。申し訳ない」

 しかし湧き上がる恐怖に任せてペコペコと頭を下げ続ける少年も、また相変わらずだ。

 男として、これでは少々情けない。

 頭を下げ続ける少年をスズネは不機嫌な表情で見続け、今更のように口を開く。

「で? あんたは一体、何をしに来たわけ?」

「えっと、その……。聞いてもよろしいのでしょうか?」

 肩をすくめ、怯えた目つきで自分より明らかに小さいであろうスズネを見る。

 しかしそれがスズネの癇に障ったことは言うまでもない。

 ひくついた眉をとうとう吊り上げると、牢の鉄格子を破壊するかのような勢いでスズネは掴みかかった。

 砂埃がもうもうと、牢内に立ち込める。

「お前が聞きに来たんだう!! ごちゃごちゃ言ってないで、さっさとしろ!!」

「は、はいッ。すいません。そうですよね。僕が……」

 すいませんと連呼し続ける少年に対して、スズネの苛立ちはとうとう頂点に達した。

「言えっ!!」

 スズネの声がうわんうわんと牢内で反響する。その有無を言わせない迫力は最早女ではない。

 少年は再び怯えだして、その足は思わず半歩引かれた。

「あ、あああ、あのッ、ここは何処ですか……」

 ほとんど涙目の少年に対してか、それともその質問に対してか。

 スズネは呆れた表情を隠すことはできずに、壮大な溜息をついた。

「あんたバカ? どこからどう見たって拘置所でしょ」

「こ、拘置所?」

「そう。もっともここだけはただの監禁場所だけどね」

「監禁……ですか?」

 鸚鵡おうむ返しをし続ける少年を見て、スズネは頷く。

「そう。監禁されてるの。私」

「何で?」

「さあ。どうしてでしょう」

 感情を抑えきれずに声を荒げてしまった少年を静めるかの如く、叫びたい気持ちも泣きたい気持ちも抑えてスズネはあえて客観的な物言いをした。

 鉄格子から両手を離すと、スズネは踵を返す。

 するとそのまま、スズネはぼんやりと古びたコンクリを見上げた。

 砂嵐にさらされたコンクリは、少し黄色く染まっていた。

「さあって……」

「とりあえずあんたには関係ないよ」

 遠くで囚人の怒声が聞こえてくる。

 一筋の風が、荒野を薙いだ。

 しんとしたこの場所で、スズネの声はか細くもはっきりと聞こえた。

「まあ人のことを心配する前に、自分の立場とかそういうことを心配しなさいよ。例えばこれからの行き場とかさ」

 スズネは言うなり先ほどの怒りや悲しみはどこへやら、満面の笑みをその顔に浮かべた。

 それは少年の眼に、自分の人生など全く恐れていないかのように映る。

 ……いや、それよりもだ。

 これから自分の運命なんていくらでも変えてやるというような、そんな風にさえ捉えられる。

 しかし、だ。

 少年はすぅっとスズネの瞳を、覗き込んだ。

 どうしてこのような状況下に立たされても、それだけの自信に満ちているのか。人の心配などができるのか……。

 それに対して、少年は驚きを隠せなかった。

「あんたがさっき通ってきた道からまっすぐ東に進むと、でっかい建物が見えてくる。陸軍の本部だ。そこにいる誰かに後は聞きな。多分親切に教えてくれるだろう。……悪いけど私にはそれくらいしか解らないの」

 小さな格子状の窓に、再度スズネの手がかけられた。

 さっきの態度からは想像できないほどにその手はひどくか細く、少年は己の眼を疑った。

 それでも決して弱みを見せないのは、ある種の才能なのかもしれない……。

 そんな漠然とした思いに少年は駆られていた。が。

「さっきは悪かったな。機嫌が悪くて、荒々しい口調で。こういう言葉は柄じゃないが、お前が無事に着けることを祈っている」

 はっとしてスズネを見やると、頬を赤らめたスズネと目が合ってしまった。

 不謹慎かもしれないけれど、ああ、こんなに不器用でも、やっぱり女の子なんだなと、少年は思ってしまうのだった。

 荒れ果てた大地の片隅で、少年はふと微笑を浮かべる。

 すると少年は一歩、足を引いた。

 砂の擦れ合う音がする。

「ありがとう。僕も君に幸運が訪れることを祈っているよ」

 少年はもう一度深々とお辞儀をすると、スズネに教えられたとおりの道筋をたどっていった。

 小柄な少年は、徐々にその姿を大地の果てへと消していく。

 少年を見送るスズネの表情は、微かに翳りを見せていた。



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