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NCT(New Cell Type) 近未来物語~  作者: オルソー
~序章 MRS9編~
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8話 奇妙な日々

その後、あまりにも多すぎるシュークリームを持ち帰宅。でも、それを全部俺に持たせるってどーゆーことだよ。神輿もいつの間にか帰っていた。


「……」


「…なにこれ?」


玄関のドアノブに手をかけようとしたところで異変に気づいた。普通では考えられない異変だ。鍵はかかっているんだが…。これは…。


「これ…。お札? 誰よこんなところに貼ったの」


ドアノブとドアに大量に貼られた札。呪いのようにしか見えない。そして夜桜はそれを剥がそうと手を出した。


「っ! まて! 夜桜!」


間一髪、俺は夜桜の腕を掴むことにせいこうした。


「ちょっ! な、なによいきなり!」


びっくりしたのか夜桜は顔を真っ赤にして俺が握っている手を見ている。そんなことは置いといて俺はその札を掴み異能を発動させた。すると札が消える。


「消えた…。ってことはあの札。異能…?」


夜桜の言った通りだ。と、いうかんじで俺はひとつ頷いて見せた。俺の異能は異能を消す。裏を返せば異能しか消せないのだ。


「たぶん、触れると身動きが取れなくなるやつだな…」


俺は玄関の前で心当たりがある人物を思い、非常に強い怒りを思い出していた。




全ての札を剥がすのには少々手間取ったが俺にとってはこんなもの、ただの札だ。そしてその作業を終え家に入る。もちろん夜桜もいっしょだ。


「ねぇ、あの札ってなんなの?」


ずっと気になっていたのだろう。夜桜があの札について聞いてきた。俺的にはあまり思い出したくない過去なのだが…。このさいあいつはなにをやってくるかわからない。夜桜にも一応言っておくべきかもしれない。望んでないとはいえ、今は同居人なんだ。


「あれは…。陽若仙ようにゃくせんと言う札で、俺が2年前に戦った祇園ぎおんの武器だ」


「陽若仙…? 祇園?」


夜桜は頭に?マークを浮かべて首を傾げている。無理もないことだが、なぜ祇園がこのタイミングで仕掛けてきたのか…。気になることが多かった。




あの、不可思議な現象から1週間。あれから札が貼られていたり、攻撃されたりとそういうことは全くない。そろそろ安心して来たときにそれは起こった。




ブーブー、と俺のポケットの中に入っている携帯が振動を伝えてきた。今は授業中だから本来、携帯を使ってはいけないのだが…。先生の目を盗んで確認する。


『…夜桜?』


送信者は夜桜だった。あいつ、また授業サボってるのか。頭良いのにもったいないよな。出席日数足らなくても知らねえぞ。


『それはそうとなんだ? こっちは授業を受けてるって言うのに…』


少々、嫌な予感を感じつつメールを開くと…。そこには信じられない文章と写真が添付されていた。




俺はその後急いで理事長室へ乗り込んだ。勢いよくドアを開く。


「…おや? 良知君じゃないか、どうしたんだね? 君が一人でここに来るなんて」


もちろんそこには理事長…、みんなが居ないとこではマスターと呼ばされている、が紅茶を飲みながら座っていた。


「た、大変です! これを見てください!」


急いで座っているマスターの前に駆けていき、携帯をつき出す。


「…これは」


さすがのマスターもこれには言葉もでないみたいだ。メールの内容には『夜桜波方を誘拐した。助けたくば僕と戦え』という文章に夜桜がどこか薄暗い倉庫のようなところで縛られ、意識を失っている画像も添付されている。


「マスター! どうしたら…」


正直、犯人はもう目星がついている。きっとやつだ。祇園琥珀ぎおんこはく。俺と中学2年のころ戦い俺はやつに勝っているが…。


『…あいつは勝つためならどんな手でも使うからな。早く手を打たないと夜桜がどうなるかわからないしな』


とりあえず夜桜の携帯をマスターに探しえてもらう。すると


「うん。ショッピングモールの近くに反応はあるね」


すぐに見つかった。実は俺たちMRS隊員の携帯はマスターから支給されているもので見た目、機能は他のスマートフォンそのままだが、その携帯がどこにあるかマスターのPCに随時知らされているからだ。さらにあらゆる戦闘に備えて鉛玉ぐらいなら完全に弾き返すぐらいの強度を誇る。


「わかりました! すぐ行きます!」


急いで理事長室を出ようとするとマスターに待ったをかけられた。


「待ちなさい。…良知君。君だけ行っても戦えないだろう?」


「…っ」


そうだ。俺には攻撃の手段がない。行ったところで返り討ちに会うだけだろう。しかし


「でも! 行かなくちゃいけないじゃないですか! この時間だけでも惜しいんです!」


「ちょっと! 待ちなさい! …やれやれ」


俺はマスターの話を聞かずに走り去った。なにかあってからでは遅いんだ。嫌な予感がするがそれを振り払うかのように俺は全力でショッピングモールへ向かった。



那珂湊高校から、ショッピングモールまでは走って10分ほどで着いた。辺りを見回すと色々なお客で賑わっている。楽しい一時を過ごしているように見えるが…


『…この中にはAキラーがいるんだ。油断するな。見逃すなよ』


と、自分に言い聞かせAキラーを探す。しかし俺には全て一般人にしか見えない。夜桜たちのようにけっこう戦闘を積んできたら些細な変化も気付くんだろうが俺には経験というものが全くない。次第に焦りが出てくる。


『どこだ!? どこにいる!』


そしてショッピングモールをだいぶ進んだところにある廃墟ビルが立っていた。なぜこんなところに残してあるのかいまいち謎だかここに俺はひっかかった。


『…たしかあのメール。薄暗い倉庫みたいなところだったよな』


もう一度、携帯を開き画像を見る。薄暗いがところどころに光が差し込んでいるのが写っている。それを確認した俺はすぐさま廃墟ビルに入っていった。

ようやく、8話投稿です……。

週1ペースなのでご迷惑をかけますが何とぞお願いします!

ご指摘、ご感想、アドバイスなども待っております!!

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